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休息

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現在、僕は椅子にダルんとだらしないポーズで座って魔力の手でお菓子を口に運んでいる。
そして早希はそんな僕を物珍しそうに鑑賞中。
そしてもう一人、優里が僕にできている傷を治している。
マイクとの交戦でかなりの傷を負った。
光線はそれなりに躱したが、熱放射で焼き焦がされたり、蹴り上げられた内臓あたりは破裂してしまっている。
回復魔法をかけながら早希と話して帰ってきたけれど気休めでしかなかった。
なので帰ってきてから直ぐに優里を訪ねて、こうして治してもらっているわけだ。
口に水を運んで、乾いた喉を潤す。
次の手が棒状の菓子を運び、咀嚼する。
なんとも言えない顔をしている優里と珍獣でも見たかのような顔をしている早希がいる。
ダラけたって良いじゃない。だって人間だもの。
こういう時間がないと人間はストレス性ショック死で人生終わっちゃうんじゃないかな。
ちなみに僕は寝てる時と誰かと一緒にいる時が幸せです。
腹部に癒しの波動が広がり、生暖かいような感覚と共に体が癒えていく。
良い感じに休息が取れてる感じするね。主に僕が。
早希はもっとだらけるべきだね。
魔力の手で早希の額を強めに押して寝かせる。
「ふぇ…?」
「早希は、もっと気を抜いてダラ~っとしてれば良いんだよ。」
「う、うん…」
「はい、悠一郎。これで大丈夫。お大事にね。あと、いくら無料だからってあんまり大怪我してきちゃダメなんだからね。」
「わかったよ。ありがとう。」
優里が部屋を出て帰ってから僕はまたダラダラタイムを開始する。
ただし今度は寝転ぶ早希の隣で。
お菓子を頬張りながら髪を梳く。
「どうしたの?」
「買い物の話だけど、明日にでも行こうか。」
「うん!約束!」
凄い食い付きだね。そんなに楽しみなのかな。
もしかして僕の作った装備が気に入らないとかそういう事なのか…。
そんなことはないと思いたいね。
多分みんなで出かけるのが楽しいんだろう。きっと。
一階層探索の時も心なしか楽しそうだったような気がする。
買い物とは言っても何処に行こうか。
手持ちの服が少ないし服屋かな。
それとあれだよあれ。出かけたあとにはあそこに行かないと。
そう。酒場!
ここに行かないとね。
割愛しているが僕は探索が終わったあと酒場にいったり行かなかったりしている。
毎回Sランク仲間と駄弁ったり他の冒険者を巻き込んでちょっとした遊戯なんかもしたりしている。
暇があったら話そうか。
さて、明日は多分早くから起こされちゃうだろうからもう寝ようか。
おやすみ。
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