112 / 139
人魔大戦:その後
しおりを挟む
魔神が去った。
残っていた魔物も消えた。
それで、終わりだった。
なんともあっけない終わり方だ。
魔物たちの損害は魔王と、多少の魔物。
僕たちは戦士団ほぼ全員を失っていた。
魔神が目を向けた直後。
僕達をして膝が笑うほどの殺気。
戦士団はショックで心臓を止めてしまうものが続出した。
僕達は彼らを丁寧に荼毘に返し、地に埋めた。
更に、最後。
魔神の言葉に従うように体が動かなくなった。
あれは、何だろうか。
僕の知らない魔法か。
いや、知らないわけがない。
使ったことのない魔法だ。
大方、闇魔法あたりだろう。
だが、本当にそうだろうか。
闇魔法は、それだけ実力差がなければレジストできる。
全く体の自由が利かなくなるほどなら、一・五倍、いや、二倍は想像したほうが良いな。
それだけ実力差がある相手なら、勝ちは絶望的だ。
…やりたくないが、これしかない。
魔物の肉を食べる強化方法。
体には激痛が走るし、吐き気もする。
世界は回るし、ステータスは上がってもやりたくない。
でも、しょうがない。
ストックしてある魔物の肉を取り出す。
何種類かを、一気に口に含む。
瞬間、今までとは比べ物にならないレベルの激痛が走った。
拷問にでも掛けられているかのような痛み。
四肢の端から斬り刻まれるような激烈な痛み。
マグマにでも浸っているかのような熱さが体を蹂躙し、同時に絶対零度の中にでもいるような寒さに襲われる。
体が内部から作り変えられるような音がする。
直接脳内に響くように心臓が鳴り、息が荒くなる。
いつもなら数分で治る痛みは尚激しく、身体を内側から叩く。
いつの間にかカンストまであと一歩のところまで来ていた回復魔法を掛け続ける。
それでも気持ちましになったくらいだ。
声すらも出ないほどの苦痛が続く。
数十分程、床に落ちて転がりまわっていただろうか。
いつしか痛みはなくなった。
スキルも相当数獲得した。
ステータスはだいぶ伸びたし、ある程度は実力の差も縮まっただろう。
それで、勝てるのか。
魔神の殺気を思い出す。
目を向けられただけで動けなくなりそうなほどの、激烈な殺気。
本気であの殺気を向けられて、耐えられるのか。
耐えられたとして、そんな状態で戦闘できるのか。
できるわけがない。
なら、どうするか。
磨き上げるしかないだろう。
魔神は一週間後、今回以上の魔物の軍勢を引き連れてやってくると言った。
まだ、間に合う。
いや、間に合わせなきゃならない。
多くの人が死ぬくらいなら、自分の身体を削ってでも。
魂ごと、消滅したって構わない。
僕は、守らなきゃいけないんだ。
そのぐらい、出来て当然だ。
出来なきゃ、ダメだろう。
早希の手を掴んで、外に出る。
「えっ、ユウ…?」
「早希、もう、時間がない。少し、無茶をする。僕の自己満足のためで、早希が付き合う必要はない。それでも、付き合ってくれるなら、来て欲しい。僕は、君がいないとダメだ。」
「っ…その言い方はずるい…」
そう言って、早希は少しむくれたように僕を見てからはにかんだように笑った。
「私も、ユウと一緒が良い。」
こうして、僕と早希の、世界をかけた一週間が始まった。
残っていた魔物も消えた。
それで、終わりだった。
なんともあっけない終わり方だ。
魔物たちの損害は魔王と、多少の魔物。
僕たちは戦士団ほぼ全員を失っていた。
魔神が目を向けた直後。
僕達をして膝が笑うほどの殺気。
戦士団はショックで心臓を止めてしまうものが続出した。
僕達は彼らを丁寧に荼毘に返し、地に埋めた。
更に、最後。
魔神の言葉に従うように体が動かなくなった。
あれは、何だろうか。
僕の知らない魔法か。
いや、知らないわけがない。
使ったことのない魔法だ。
大方、闇魔法あたりだろう。
だが、本当にそうだろうか。
闇魔法は、それだけ実力差がなければレジストできる。
全く体の自由が利かなくなるほどなら、一・五倍、いや、二倍は想像したほうが良いな。
それだけ実力差がある相手なら、勝ちは絶望的だ。
…やりたくないが、これしかない。
魔物の肉を食べる強化方法。
体には激痛が走るし、吐き気もする。
世界は回るし、ステータスは上がってもやりたくない。
でも、しょうがない。
ストックしてある魔物の肉を取り出す。
何種類かを、一気に口に含む。
瞬間、今までとは比べ物にならないレベルの激痛が走った。
拷問にでも掛けられているかのような痛み。
四肢の端から斬り刻まれるような激烈な痛み。
マグマにでも浸っているかのような熱さが体を蹂躙し、同時に絶対零度の中にでもいるような寒さに襲われる。
体が内部から作り変えられるような音がする。
直接脳内に響くように心臓が鳴り、息が荒くなる。
いつもなら数分で治る痛みは尚激しく、身体を内側から叩く。
いつの間にかカンストまであと一歩のところまで来ていた回復魔法を掛け続ける。
それでも気持ちましになったくらいだ。
声すらも出ないほどの苦痛が続く。
数十分程、床に落ちて転がりまわっていただろうか。
いつしか痛みはなくなった。
スキルも相当数獲得した。
ステータスはだいぶ伸びたし、ある程度は実力の差も縮まっただろう。
それで、勝てるのか。
魔神の殺気を思い出す。
目を向けられただけで動けなくなりそうなほどの、激烈な殺気。
本気であの殺気を向けられて、耐えられるのか。
耐えられたとして、そんな状態で戦闘できるのか。
できるわけがない。
なら、どうするか。
磨き上げるしかないだろう。
魔神は一週間後、今回以上の魔物の軍勢を引き連れてやってくると言った。
まだ、間に合う。
いや、間に合わせなきゃならない。
多くの人が死ぬくらいなら、自分の身体を削ってでも。
魂ごと、消滅したって構わない。
僕は、守らなきゃいけないんだ。
そのぐらい、出来て当然だ。
出来なきゃ、ダメだろう。
早希の手を掴んで、外に出る。
「えっ、ユウ…?」
「早希、もう、時間がない。少し、無茶をする。僕の自己満足のためで、早希が付き合う必要はない。それでも、付き合ってくれるなら、来て欲しい。僕は、君がいないとダメだ。」
「っ…その言い方はずるい…」
そう言って、早希は少しむくれたように僕を見てからはにかんだように笑った。
「私も、ユウと一緒が良い。」
こうして、僕と早希の、世界をかけた一週間が始まった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる