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迷宮で:其の三
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其の魔物は、亀の甲羅を背負っていた。
其の魔物は、朱雀の翼があった。
其の魔物は、白虎の手足があった。
其の魔物は、龍の頭がついていた。
四神を組み合わせたようななんともアンバランスな魔物。
何らかのスキルが発動される。
其の瞬間、鑑定で見ていたステータスに有り得ないバフが掛かった。
物理攻撃九九%カット
魔法攻撃九十%カット
つまり、物理も魔法もほとんど通らない。
通る可能性があるとするなら、魔法。
どうすればいい。
数押しか。
この機関銃の弾を魔弾に変えれば…いけるか?いや、いかなくちゃダメだ。
手の機関銃が独特の音を立てて回転し始める。
大気を破裂させて魔弾が飛び出した。
毎秒九百発の光の弾。
魔力高速回復のスキルを上回る勢いで魔力が削れていく。
莫大な魔力が隣から吹き上がった。
天へと登った魔力は徐々に一つに収束されていく。
やがて一つの弾になった魔力は、圧縮されていく。
魔物が、上を向く。
周囲の大気が捻じ曲がるような感覚を覚えた。
直後。
光の柱が突き立った。
プラズマ化した大気によって周囲が炎上する。
それほどの熱量を持っているのに目の前の光の柱は全く熱を感じさせせない。
大気をプラズマ化させるほどの熱をもちながら、エントロピーを完全制御し光の柱の中に抑え込んでいた。
どれだけ複雑で制御の難しい魔法なのだろうか。
エントロピーを完全に抑制など不可能に等しい。
それこそ、どんな道具を使っても無理だろう。
だが、それも魔力があれば可能なのかもしれない。
稀代の天才的魔術センスを持った美奈代なら、上手くできるのかもしれない。
そして、そんな大技を受けた魔物は…
生きていた。
体の至る所を融解させながらも生きていた。
虎の脚が動く。
其の巨体からは想像できないほどの速度で魔物が動く。
一瞬で目の前に迫った魔物に殴り飛ばされて吹き飛ぶ。
龍の口が開く。
口の中に何かのエネルギーが溜められる。
咆哮と共に飛び出したブレスが僕を貫く。
血飛沫を上げながら空中で態勢を整える。
回復魔法がかけられ傷が癒える。
虎が地面を蹴った。
翼が空気を叩き、暴風が弾ける。
こちらに急迫してきた魔物が、落ちた。
其の足を宗谷が掴み、地面に叩きつけていた。
身を捩った魔物の脚が宗谷を捉える。
掴んでいる腕を巧みに動かしてインパクトをズラされ、タイミングよく離された手によって自分の勢いに流されて魔物が飛んでいく。
追い打ちをかけるように早希の銃弾が飛んだ。
耳が痛くなる轟音を響かせ濃紺の魔力を纏った白銀の弾が飛ぶ。
吹き飛ぶ魔物の脇腹に着弾。
錐揉みしながら魔物が吹き飛ぶ。
側面の足で地面を削りながら減速。
翼が空を叩く。
風圧が周囲をなぎ払い、少し足が下がる。
物理が効かないなら魔法…と思ったけれども魔法もダメだ。
なら、関節技か。
どれだけ防御力が高かろうと関節の可動限界が広がるわけじゃない。
僕も関節技で肩を折られたことがある。
つまり頚椎を捩じ切れば勝てる。
風魔法で風防を作って飛び込む。
首に取り付き、肘を顎に掛けて横に振り抜く。
が、抵抗が高く、僕より筋力が高い魔物の首を折ることは叶わなかった。
翼の根元に膝をかけ、背後に体重をかけるように倒れこむ。
根元がバキリという音とともに折れ、落下する。
優里の紐付きの短剣の紐が魔物に巻き付きものすごい力で引っ張られる。
宗谷が首に足を巻きつける。
腕が首に絡み、次の一瞬。
軽い音がして魔物の首が反転した。
辺りを見渡すと少女はもういなかった。
通っていいということなのだろうか。
いや、今日のところは帰ろうか。
疲労が溜まっている。
このまま移動してもいつかボロが出るだけだろう。
あと、六日。
其の魔物は、朱雀の翼があった。
其の魔物は、白虎の手足があった。
其の魔物は、龍の頭がついていた。
四神を組み合わせたようななんともアンバランスな魔物。
何らかのスキルが発動される。
其の瞬間、鑑定で見ていたステータスに有り得ないバフが掛かった。
物理攻撃九九%カット
魔法攻撃九十%カット
つまり、物理も魔法もほとんど通らない。
通る可能性があるとするなら、魔法。
どうすればいい。
数押しか。
この機関銃の弾を魔弾に変えれば…いけるか?いや、いかなくちゃダメだ。
手の機関銃が独特の音を立てて回転し始める。
大気を破裂させて魔弾が飛び出した。
毎秒九百発の光の弾。
魔力高速回復のスキルを上回る勢いで魔力が削れていく。
莫大な魔力が隣から吹き上がった。
天へと登った魔力は徐々に一つに収束されていく。
やがて一つの弾になった魔力は、圧縮されていく。
魔物が、上を向く。
周囲の大気が捻じ曲がるような感覚を覚えた。
直後。
光の柱が突き立った。
プラズマ化した大気によって周囲が炎上する。
それほどの熱量を持っているのに目の前の光の柱は全く熱を感じさせせない。
大気をプラズマ化させるほどの熱をもちながら、エントロピーを完全制御し光の柱の中に抑え込んでいた。
どれだけ複雑で制御の難しい魔法なのだろうか。
エントロピーを完全に抑制など不可能に等しい。
それこそ、どんな道具を使っても無理だろう。
だが、それも魔力があれば可能なのかもしれない。
稀代の天才的魔術センスを持った美奈代なら、上手くできるのかもしれない。
そして、そんな大技を受けた魔物は…
生きていた。
体の至る所を融解させながらも生きていた。
虎の脚が動く。
其の巨体からは想像できないほどの速度で魔物が動く。
一瞬で目の前に迫った魔物に殴り飛ばされて吹き飛ぶ。
龍の口が開く。
口の中に何かのエネルギーが溜められる。
咆哮と共に飛び出したブレスが僕を貫く。
血飛沫を上げながら空中で態勢を整える。
回復魔法がかけられ傷が癒える。
虎が地面を蹴った。
翼が空気を叩き、暴風が弾ける。
こちらに急迫してきた魔物が、落ちた。
其の足を宗谷が掴み、地面に叩きつけていた。
身を捩った魔物の脚が宗谷を捉える。
掴んでいる腕を巧みに動かしてインパクトをズラされ、タイミングよく離された手によって自分の勢いに流されて魔物が飛んでいく。
追い打ちをかけるように早希の銃弾が飛んだ。
耳が痛くなる轟音を響かせ濃紺の魔力を纏った白銀の弾が飛ぶ。
吹き飛ぶ魔物の脇腹に着弾。
錐揉みしながら魔物が吹き飛ぶ。
側面の足で地面を削りながら減速。
翼が空を叩く。
風圧が周囲をなぎ払い、少し足が下がる。
物理が効かないなら魔法…と思ったけれども魔法もダメだ。
なら、関節技か。
どれだけ防御力が高かろうと関節の可動限界が広がるわけじゃない。
僕も関節技で肩を折られたことがある。
つまり頚椎を捩じ切れば勝てる。
風魔法で風防を作って飛び込む。
首に取り付き、肘を顎に掛けて横に振り抜く。
が、抵抗が高く、僕より筋力が高い魔物の首を折ることは叶わなかった。
翼の根元に膝をかけ、背後に体重をかけるように倒れこむ。
根元がバキリという音とともに折れ、落下する。
優里の紐付きの短剣の紐が魔物に巻き付きものすごい力で引っ張られる。
宗谷が首に足を巻きつける。
腕が首に絡み、次の一瞬。
軽い音がして魔物の首が反転した。
辺りを見渡すと少女はもういなかった。
通っていいということなのだろうか。
いや、今日のところは帰ろうか。
疲労が溜まっている。
このまま移動してもいつかボロが出るだけだろう。
あと、六日。
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