剣士アスカ・グリーンディの日記

sayure

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第3章 竜の涙

再び…(for three days)

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ここ数日、何もやる気が起きなくて、この日記もしばらく書かなかったけど、少し落ち着いたから。

また、書き始めようと思う。



ダルレアス自治領のザシンが、国王と謁見している。

ウイプルの今後の方向性を確認したいという話だ。

お互いに、少しずつ歩み寄りを見せている。

1つのウイプルに戻る日は、いつになるのだろうか。

まだわからないけど。

その時を待とう。

僕は、ダルレアス自治領へ比較的自由に行き来できる。

もう一度、機会を見つけて、あの場所へ行ってみようか。

あそこには、ウイプルの翼竜について、何か僕の知らない情報を持っているだろう。

前に自治領に立ち入った時、ドラゴンライダーの槍を構える騎士を見た。

ドラゴンライダーの槍など、こちらでは見た事もない。


アリグルド20日
                 ヘールベータ地区の家にて
___________

先の戦いで、マッドク王国から奪還したセケメント地域。

マッドク王国は、セケメント地域の返還を要求してきた。

マッドク王国は僕らウイプルとの戦いの中、ドメイル教信仰国である聖ババール王国の聖戦を仕掛けられ、僕らウイプルとの戦いを放棄した。そして、セケメント地域からの撤退を表明、そのため、僕らはかつての領土、セケメント地域の奪還を成し遂げたんだ。

そのマッドク王国は、聖バハール王国の聖戦に敗れ、その時に邪教国軍によって、マッドク国王は首をはねられている。戦力も大きく弱体化しているはず。

次期国王は決まり、それは勝利した邪教国側から選ばれた者ではないという話だけど。

僕らのウイプル国王マイクリーハが、奪還したばかりの領土を、話し合いで譲る訳がない。

マッドクは、ウイプルと戦う気だろうか。

マッドク王国に勝った聖バハール王国がマッドク王国を動かしているのか。いや、聖バハール自体、ウイプルとの戦いで戦力は大して残っていないだろう。でも、別のドメイル教信仰国が聖バハールに替わり圧力をかけていたのならば、それもできるか。

それならば、その邪教国は、何処の国か。

マッドク王国側の要求を、邪教国操作によるものだと判断されれば、ウイプルの同盟国であるアスデン、コーリオが黙ってはいないはず。しかし、2国間の領土問題と判断されれば、敢えて関わりたがらないだろう。

ウイプル国王は、この戦いにダルレアス自治領からの加勢が必要と判断するだろうし、その申し出に、ザシンも首を横に振らないはず。

だけど、ダルレアス自治領の軍は、きっと前線には立たない。


アリグルド21日
                 ヘールベータ地区の家にて
___________

同盟国間の交流会。

ウイプルの、マルディオル庭園での食事会で、コーリオ兵と話す機会があった。

ジブラスという鉱石が、夜になると蒼白い光を発するという。

それで作られた剣を装飾剣として、腰に差して舞踏会に行くと、女の目を惹くらしい。

重いのかと訊くと、重くはないが、脆いと言っていた。

相当価値が高いという話だが、まさかその腰に差している剣が、それじゃないだろうな。

帰り道に盗賊にでも襲われたら、笑い者だ。

でも、この人との話は、面白かったよ。

たまには、こんなあまり中身のない話も、気が紛れるのかな。


アリグルド22日
                 ヘールベータ地区の家にて
___________
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