79 / 113
第4章 貴方へ愛の言葉を
囚人の護送
しおりを挟む
ウイプルから、そしてこのスンディエルク大陸から離れ、西へ向かった孤島に、カインハッタ牢獄がある。
セケメント地域の、すでに解散したアルタイ岩頭院に所属していたバルケーという兵が、マッドク王国の属領からウイプル王国の領土として復帰を遂げた事に、批判的だった。
そして、ウイプルの国王に対し暗殺計画を企てたんだ。
その企ては、セケメント地域ウイプル駐留兵の耳に入り、未遂に終わった。
そのバルケーは、国王マイクリーハの判断より、処刑は逃れ、カインハッタ牢獄に収監される事となった。
事実上の、ウイプルからの永久追放。
ウイプルがマッドク王国から奪還して、そう時が過ぎてはいないセケメント地域、その民を刺激してはいけない。
彼らをウイプルの民として戻すには、まだまだ時間がかかるのでしょう。
僕の今回の役目は、バルケーをカインハッタ牢獄まで護送する事。
そして、しばらくその牢獄での仕事に身を置く事。
僕は、ベルベッタを殺したアスデン王国上級兵のマージラス砦守護隊長ダラメイズに対し、アスデン王国領内マージラス砦前でその復讐を遂げた。
その時にアスデン王国兵の群れ300程度に囲まれ、そして、
アスデン王国増援軍の部隊長ライエルゼルに質問を1つされたんだ。
あの質問は、アスデン王国として、僅かながらの体裁を保とうとするものだった。
ドラゴンバスターを否定しろ、と。
僕がドラゴンバスターと呼ばれていたのは、あのライエルゼルは気づいていたに違いない。
敢えて否定させる事で、外からの体裁は保てると考えたのかも知れない。
だけど、
僕が、ドラゴンバスターと名乗った事で、見逃すわけにはいかなくなった。
はずだった。
今思えば、マージラス砦の駐屯兵だけで僕らを片づけられなかった場合、少数部隊の僕らを相手に、マージラス砦に加勢して僕らを殺す事をアスデン王国国王から命じられてはいなかったのではないか。
ウイプルとの全面戦争を避け、しかしこれ以上、アスデン王国領内を進軍させないため、現れたはず。
あの戦いで、負傷していた僕を含めた少数のリガード竜騎士団が300もの兵を相手に戦えていたかはわからない。
ただ、部隊長ライエルゼルは生きてはいなかっただろう。
そして、指揮が乱れた状態では、アスデンの戦力は下がる。
僕も、アスデン王国増援軍が僕らに手を出さないのなら、こちらからも攻撃をするつもりはなかった。
結果的に、僕らは、その場では手にかけられず、ウイプルへの帰還を許された。
そのまま、アスデン王国がウイプルを許すわけもなく、後日、コーリオ王国国王も交えた同盟各国王での会談が行われた。
アスデン王国国王は、マージラス砦守備隊長ダラメイズの、ウイプル王国内での愚行を非難し、その上で、ウイプルがアスデン王国領内に入り、軍事拠点を攻撃する行いは、明らかな同盟規約違反だと言ってきた。
ウイプル国王マイクリーハは、有事の場合において、その限りではないと言った。
その後、平行線の主張が繰り返され、このままでは、同盟を維持するためにも、現状、アスデン王国が折れる事ができないとし、僕が一定期間、カインハッタ牢獄に送られる事になった。
国王マイクリーハは、僕を囚人として牢獄に送るとは言っていない。リガード竜騎士団から一度、配属を変えるという意味での事だったけど、それをその会談で細かく話してはいない事を考えると、わざと意味を履き違える様にしたんだとわかる。
今回の件、みんなには感謝している。
僕に、ベルベッタの敵討ちをした事に、後悔はない。
ベルベッタ、これからは僕の心と共にいこう。
囚人のバルケーを檻車に入れ、護衛兵4人と僕が1人がつき、セケメント地域を出発、日が落ちた頃にウイプル王国領に入り、王都を通過、そのままダルレアス地域へ入り、威厳山の地下道に入った。
威厳山の旧牢獄の中に入り、休憩。
バルケーは、ウイプルの事を悪く言っていたけど、セケメント地域をアルタイ岩頭院が統治できたその権利を奪われたから、頭にきて、ウイプル国王の命を狙ったんだ。
マッドク王国の奪還前のやり方が、想定以上の混乱を喫したか。
その暗殺計画を起こすほどの気力を、ウイプルの力として、使えないのは、残念だ。
今は、ゆっくりとお休み。
もしかしたら、その暴走した状態の貴方でも、力を借りる事があるかも知れない。
邪教国の動きが、あったみたいだ。
僕らへ向けたものじゃないけど、警戒しなければならない。
さぁ、もうじきこの旧牢獄を出発だ。
フォルディエルの28日
威厳山旧牢獄にて
__________
コード:1~3章7~4mom
___gg
セケメント地域の、すでに解散したアルタイ岩頭院に所属していたバルケーという兵が、マッドク王国の属領からウイプル王国の領土として復帰を遂げた事に、批判的だった。
そして、ウイプルの国王に対し暗殺計画を企てたんだ。
その企ては、セケメント地域ウイプル駐留兵の耳に入り、未遂に終わった。
そのバルケーは、国王マイクリーハの判断より、処刑は逃れ、カインハッタ牢獄に収監される事となった。
事実上の、ウイプルからの永久追放。
ウイプルがマッドク王国から奪還して、そう時が過ぎてはいないセケメント地域、その民を刺激してはいけない。
彼らをウイプルの民として戻すには、まだまだ時間がかかるのでしょう。
僕の今回の役目は、バルケーをカインハッタ牢獄まで護送する事。
そして、しばらくその牢獄での仕事に身を置く事。
僕は、ベルベッタを殺したアスデン王国上級兵のマージラス砦守護隊長ダラメイズに対し、アスデン王国領内マージラス砦前でその復讐を遂げた。
その時にアスデン王国兵の群れ300程度に囲まれ、そして、
アスデン王国増援軍の部隊長ライエルゼルに質問を1つされたんだ。
あの質問は、アスデン王国として、僅かながらの体裁を保とうとするものだった。
ドラゴンバスターを否定しろ、と。
僕がドラゴンバスターと呼ばれていたのは、あのライエルゼルは気づいていたに違いない。
敢えて否定させる事で、外からの体裁は保てると考えたのかも知れない。
だけど、
僕が、ドラゴンバスターと名乗った事で、見逃すわけにはいかなくなった。
はずだった。
今思えば、マージラス砦の駐屯兵だけで僕らを片づけられなかった場合、少数部隊の僕らを相手に、マージラス砦に加勢して僕らを殺す事をアスデン王国国王から命じられてはいなかったのではないか。
ウイプルとの全面戦争を避け、しかしこれ以上、アスデン王国領内を進軍させないため、現れたはず。
あの戦いで、負傷していた僕を含めた少数のリガード竜騎士団が300もの兵を相手に戦えていたかはわからない。
ただ、部隊長ライエルゼルは生きてはいなかっただろう。
そして、指揮が乱れた状態では、アスデンの戦力は下がる。
僕も、アスデン王国増援軍が僕らに手を出さないのなら、こちらからも攻撃をするつもりはなかった。
結果的に、僕らは、その場では手にかけられず、ウイプルへの帰還を許された。
そのまま、アスデン王国がウイプルを許すわけもなく、後日、コーリオ王国国王も交えた同盟各国王での会談が行われた。
アスデン王国国王は、マージラス砦守備隊長ダラメイズの、ウイプル王国内での愚行を非難し、その上で、ウイプルがアスデン王国領内に入り、軍事拠点を攻撃する行いは、明らかな同盟規約違反だと言ってきた。
ウイプル国王マイクリーハは、有事の場合において、その限りではないと言った。
その後、平行線の主張が繰り返され、このままでは、同盟を維持するためにも、現状、アスデン王国が折れる事ができないとし、僕が一定期間、カインハッタ牢獄に送られる事になった。
国王マイクリーハは、僕を囚人として牢獄に送るとは言っていない。リガード竜騎士団から一度、配属を変えるという意味での事だったけど、それをその会談で細かく話してはいない事を考えると、わざと意味を履き違える様にしたんだとわかる。
今回の件、みんなには感謝している。
僕に、ベルベッタの敵討ちをした事に、後悔はない。
ベルベッタ、これからは僕の心と共にいこう。
囚人のバルケーを檻車に入れ、護衛兵4人と僕が1人がつき、セケメント地域を出発、日が落ちた頃にウイプル王国領に入り、王都を通過、そのままダルレアス地域へ入り、威厳山の地下道に入った。
威厳山の旧牢獄の中に入り、休憩。
バルケーは、ウイプルの事を悪く言っていたけど、セケメント地域をアルタイ岩頭院が統治できたその権利を奪われたから、頭にきて、ウイプル国王の命を狙ったんだ。
マッドク王国の奪還前のやり方が、想定以上の混乱を喫したか。
その暗殺計画を起こすほどの気力を、ウイプルの力として、使えないのは、残念だ。
今は、ゆっくりとお休み。
もしかしたら、その暴走した状態の貴方でも、力を借りる事があるかも知れない。
邪教国の動きが、あったみたいだ。
僕らへ向けたものじゃないけど、警戒しなければならない。
さぁ、もうじきこの旧牢獄を出発だ。
フォルディエルの28日
威厳山旧牢獄にて
__________
コード:1~3章7~4mom
___gg
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる