人形と少年騎士と

sayure

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悪魔王の章

piece25 真実

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王都に悲鳴が響いた。

僕は家の前に立ち、白銀もどきの鎧を身につけて、細身剣を持ち、もう片方の手には、脇に抱え込む様にして持つお人形。

マイハークは、悲鳴を聞くと、吠え、急いで走っていった。

「どこから、聞こえた…?」

僕は、冷たい汗を背中に感じた。

まだ陽が高い所にあるから、視界は悪くない。

けど、魔物が現れた時に、陽がどんどん傾いていったら、僕は対応できるだろうか。

魔法剣士がこの近くに数人いて、一般兵に指示を出している。

街の人達は、まだ王城に避難しきれていないのか。

荷物を持って行こうとしてる人もいる。

逃げ遅れるよ。

あ。

あれは…?

僕は、少し離れた所にある庭園で、なにか知っている顔を見た。

走って、その場に向かった。

着いたら、

誰も、いない…

僕は、その時、白銀もどきの鎧の右腕部に、なにか熱を感じた。

傷が、ある。

なにか刻まれている。

「我ら…志し、共に」

なんだ、これは。

でも、新しくできた傷じゃない。

前から?

そう…

いつからだろうか。

この鎧は、レプリカだったから…

いや、

マイハークがつけたのか、な?

…違う



そう。

…か。





それが…

真実…
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