人形と少年騎士と

sayure

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悪魔王の章

piece27 決戦の時

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貧民街に、人の死体が転がっている。

どういう事だ…

魔物がいる。

でも、魔物の死体も転がっていた。

メーヘンハイユの兵が、必死に戦っていた。

貧民街を、見放してはいなかったのか…

でも、結界は、破られている様だった。

魔物は、魔界に通じるだろうトンネルを伝い、ここまで来たんだろう。

わずかに、異空間がのぞく穴が見える。

ただ、ほぼ塞がれ、その穴は小さい。

マイハークが、この魔のトンネルを塞いだのは、明らかだった。

「マイハーク!」

師匠のマイハークは、片膝をつきながらも、空を飛び回る、ハーピィに無数の光の矢を飛ばし、撃ち落としていた。

そして、僕に気づくと、少し力を落とした様に見えた。

僕が、ここにいる事が、なにかまずかったの?

力を、貸しに…来たんだよ?

少し離れた所の外壁にいる魔物達、その中で、僕のものと同じ形をした、白銀の鎧をまとう人が、いた。

口ひげを生やした、中肉中背の30才過ぎくらいの男。手には魔力が吹き出る様な、見た事もない形の剣がある。

余裕の笑みを浮かべている。

あれは…!?

そうだ。

あれが、バイカル…!!

その隣りには、獅子の顔をした巨体。あれが、マイハークの言っていた、バタルドンじゃないだろうか。

魔法剣士は、僕以外に、いない??

先ほどの魔法剣士は、まだこの貧民街に着いてはいなかった。

時間をかせぐべきか。

それとも、

マイハーク…

あの魔法をまた、やるの?

僕は、どうしたらいいの…?

マイハーク!?
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