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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その83
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俺の手から運が全て逃げていったかの様に、何も当たらなくなった。
まぐれパンチも、かすりもしねぇ。女の動きも、まるで読めなくなった。相手が動き回る速さを上げた?そうも思えない。ただ、俺の感覚が鈍った、それだけ。
また、女の余裕の笑い声が出てきた。人をバカにするのが好きな女だな。
黒い煙は、最初の時より、薄れてる様な気がする。多分、その煙の元がなくなってきてるのか、それとも、女の魔力とやらが減ってきてるからなのか、わからないけど。
変に冷静になってる俺に、死角から、突きや蹴りが飛んできやがる。俺は鎧を着てるけど、体の急所を突かれてるからなのか、妙に体に衝撃が重く残る。
これじゃ、鎧を着てる利点がないよな。外したら外したで、もっとダメージは大きいものなのか?
「急に弱くなったねぇ。どうした?やっぱり、首を折って、君の魔力をお金に替えようかにゃ。どうしよう…」
人の人生どん底に追い込んで、得た金でキャットフードでもたらふく食べんのかよ?クソ猫女が。
「…人を殺す事が、そんなにいいもんなのかよ。気狂い女…!」
星の明かりだけじゃ、やっぱり次元斬の境界線は見えない…。
大剣の大振りをしても、一向に当たる気がしない。
でも、何も攻撃をしないと、攻撃をただ躊躇うだけの俺がいるだけ。これじゃ、勝てる可能性は0%だ。ダメージも、攻撃をくらい過ぎて、たまってきてる。
俺にも、もう1人の俺みたいに、拳術があったなら、こいつに勝てる可能性はあったのかな?
あの《冬枯れの牙》ラグリェを、あそこまで復讐に駆り立てさせたんだから、相当な腕だったんだろうな。
でも、この世界に転生してから、すぐにその拳術が使えてたのかな?
俺みたいに何かのきっかけで拳術に出会って、少しずつ腕を上げていった?
俺との違いが、剣術か、拳術かの違いなだけだったら、単純に、俺に根気がないだけなのかもな。
この女、攻撃を死角から出すだけじゃなくて、攻撃を上下に打ち分けてる。少しの警戒は、俺にしてるんだろうな。運が向いている時に、倒し切るべきだった。
もう1人の俺に出会ってる奴で、俺の敵とならない奴に、もっと聞いておけば良かった。どうやって、もう1人の俺は、その強さを手に入れたのかを。片眼鏡の男が、もう1人の俺を知っていたんだから。
攻撃をもらい過ぎたか、膝が笑い始めた。立ってるのも、辛くなってきた。
この女は、《冬枯れの牙》ラグリェよりは強くない。それでも、俺よりは強いのは間違いない。特に、夜での戦いは、俺はまるでど素人だ。勝てる見込みなんて、最初からなかったのかも知れない。
「フフフ…!今日はあがりは、なしにゃあ!」
語気を強めて、攻撃してきた。俺を殺すと決めたんだな。体中に回っていたアドレナリンも、体に受けた傷の痛みの方が上回ってきやがった。もう、耐えられそうにない。
そんな時、俺に幸運が舞い降りてきた。
バキャッ!!
それは、遠くから高速で一直線、女に突っ込んできた。女は意表を衝かれ、横顔にまともに食らった。
女は吹っ飛ばされ、二転三転と転がり、痛みに顔を歪め、その箇所を手で押さえながら、ぶつかってきた対象を睨みつけてる。ざまぁみろ。バチが当たったんだ。
「あぐ…っ!よ、よ、よくもぉぉ…っ!」
まだ生きていたんだな!
良かった…。
「テテ、まだ戦いは終わってないど!一緒に、こいつを倒すど!」
「パルンガ…!」
まぐれパンチも、かすりもしねぇ。女の動きも、まるで読めなくなった。相手が動き回る速さを上げた?そうも思えない。ただ、俺の感覚が鈍った、それだけ。
また、女の余裕の笑い声が出てきた。人をバカにするのが好きな女だな。
黒い煙は、最初の時より、薄れてる様な気がする。多分、その煙の元がなくなってきてるのか、それとも、女の魔力とやらが減ってきてるからなのか、わからないけど。
変に冷静になってる俺に、死角から、突きや蹴りが飛んできやがる。俺は鎧を着てるけど、体の急所を突かれてるからなのか、妙に体に衝撃が重く残る。
これじゃ、鎧を着てる利点がないよな。外したら外したで、もっとダメージは大きいものなのか?
「急に弱くなったねぇ。どうした?やっぱり、首を折って、君の魔力をお金に替えようかにゃ。どうしよう…」
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「…人を殺す事が、そんなにいいもんなのかよ。気狂い女…!」
星の明かりだけじゃ、やっぱり次元斬の境界線は見えない…。
大剣の大振りをしても、一向に当たる気がしない。
でも、何も攻撃をしないと、攻撃をただ躊躇うだけの俺がいるだけ。これじゃ、勝てる可能性は0%だ。ダメージも、攻撃をくらい過ぎて、たまってきてる。
俺にも、もう1人の俺みたいに、拳術があったなら、こいつに勝てる可能性はあったのかな?
あの《冬枯れの牙》ラグリェを、あそこまで復讐に駆り立てさせたんだから、相当な腕だったんだろうな。
でも、この世界に転生してから、すぐにその拳術が使えてたのかな?
俺みたいに何かのきっかけで拳術に出会って、少しずつ腕を上げていった?
俺との違いが、剣術か、拳術かの違いなだけだったら、単純に、俺に根気がないだけなのかもな。
この女、攻撃を死角から出すだけじゃなくて、攻撃を上下に打ち分けてる。少しの警戒は、俺にしてるんだろうな。運が向いている時に、倒し切るべきだった。
もう1人の俺に出会ってる奴で、俺の敵とならない奴に、もっと聞いておけば良かった。どうやって、もう1人の俺は、その強さを手に入れたのかを。片眼鏡の男が、もう1人の俺を知っていたんだから。
攻撃をもらい過ぎたか、膝が笑い始めた。立ってるのも、辛くなってきた。
この女は、《冬枯れの牙》ラグリェよりは強くない。それでも、俺よりは強いのは間違いない。特に、夜での戦いは、俺はまるでど素人だ。勝てる見込みなんて、最初からなかったのかも知れない。
「フフフ…!今日はあがりは、なしにゃあ!」
語気を強めて、攻撃してきた。俺を殺すと決めたんだな。体中に回っていたアドレナリンも、体に受けた傷の痛みの方が上回ってきやがった。もう、耐えられそうにない。
そんな時、俺に幸運が舞い降りてきた。
バキャッ!!
それは、遠くから高速で一直線、女に突っ込んできた。女は意表を衝かれ、横顔にまともに食らった。
女は吹っ飛ばされ、二転三転と転がり、痛みに顔を歪め、その箇所を手で押さえながら、ぶつかってきた対象を睨みつけてる。ざまぁみろ。バチが当たったんだ。
「あぐ…っ!よ、よ、よくもぉぉ…っ!」
まだ生きていたんだな!
良かった…。
「テテ、まだ戦いは終わってないど!一緒に、こいつを倒すど!」
「パルンガ…!」
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