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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その96
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何だ、この長い柱は。
茶色で木目みたいなものが見えるけど、よく見ると、木製じゃないな。
コツン。
軽そうなが音する。
これは…六角形の、長い柱か。
まぁ、どうでもいいな。
あれ?この長い柱から先、道の幅が急に広くなってるぞ。それに、地面が舗装されてないか?手のひらサイズの四角の石を、地面一杯に敷き詰めてる。
カツッ!
これはいいな。北に進むにつれ、道が険しくなって歩きづらかったから、丁度いいぞ。
「?」
道が二手に分かれている。上り坂で、左は階段、真正面は、緩やかに左に曲がる道。最終的に、上り坂の上の方で合流しそうな気はするから、どっちを選んでも同じ様な気はするな。相変わらず、森に囲まれてはいるけど、地面が舗装されてるのもそうだけど、手すりがあったり、何か木の看板みたいなものが見えたり、近くで人が住んでいそうな感じがする。
風の通りが良くて、気持ちがいいかな。
「テテ、どっちに行くかど?」
「まっすぐ…」
階段はこの鎧姿のままじゃ、疲れる。いくら手すりがあるとは言え、な。ほぼ裸のパルンガも、階段はつらいだろ?
よく見ると、地面に大きく引っ掻いた跡が見えるな。深さは、10cm程度か?爪の様な跡にも見える。
何かがここで争った?
「テテ、多分、エルキーブルが引っ掻いた跡だど」
「え…?じゃあ、この辺にはいるのかも知れないな」
「いたら、オデが倒すど!」
強気だな、パルンガ。頼もしいぜ。
エルキーブルって奴。多分、獣だよな?この爪跡を見ても、相当力が強いんじゃないのか?警戒しておかないと。
「?」
もう少しまっすぐに行くと、いる。
何人かの人が、いるな。
ほぼ動いていないから、よくわからなかった。
俺を騙して、命を取ろうとするか、またあの猫女みたいに、俺の魔力(ないと思うけど)を金に替えるために、半殺しにしようとするのか。
ここは俺の住む場所じゃないけど、少しは強気でいかないと、いい様にされて、殺されるからな。
「テテ!」
「え?…ああ。そうだよな、パルンガ」
赤い空は、丁度、俺達の真上辺りを中心に、少し渦状になって広がっている。遠くで見た時よりも、より血の色みたいな赤で気持ちが悪いな…。
《冬枯れの牙》ガラリスの言った、自殺行為同然の、北の場所って、ここなんだろうな。
遠くいる人達は、明らかに俺達を見て、警戒してる様に見えなくもない。ずっと静止して、こっちを見てる。
イヤな予感がするな。
「パルンガ、お前、この場所は何処か、知ってるか?」
「知らないど!」
多分、そう言うと思ったけど、そうか。
この世界の住人って奴なんだろうに。お前って奴は。いや、こいつは獣だから、人じゃないよな。人の言葉は話すけどな。
何も始まってないのに、警戒し過ぎても仕方がないよな。
もしかしたら、あのガラリスって奴が、あの場で俺と戦いたくないから、適当言ってるかも知れないしな。
それなら、ラグリェとの戦いでやられたこの鎧の穴も、ムダにはならなかった訳だ。
あいつには、もう二度と会いたくないけどな。
もしここに、あの夢魔操があるとしたら、俺にとってこの場所は、重要になる。
なくても、情報は手に入るんじゃないのか?あの猫女の話だと、夢魔操はこの大陸にありそうだしな。
それに、この場所が第5大陸の北の方に位置するなら、猫女の話だと、北の橋を渡って第6大陸が近いはず。ギルロの根城の情報も手に入るだろう。
この世界の人を避けてばかりだと、どうしても目的に辿り着けない。
ここに街があるなら、俺は、覚悟を決めて行くしかないんだ。
「テテ、ベルダイザーの居場所、誰か知ってるかも知れないど」
「…そうだよな?」
パルンガも、この辺りにありそうな街(それか村?)で情報集めをしそうだな。
ありがたい。一緒に行動してくれる。
心強いぜ、パルンガ。
「すーっ!」
「はーっ!」
よし!
行くか!
茶色で木目みたいなものが見えるけど、よく見ると、木製じゃないな。
コツン。
軽そうなが音する。
これは…六角形の、長い柱か。
まぁ、どうでもいいな。
あれ?この長い柱から先、道の幅が急に広くなってるぞ。それに、地面が舗装されてないか?手のひらサイズの四角の石を、地面一杯に敷き詰めてる。
カツッ!
これはいいな。北に進むにつれ、道が険しくなって歩きづらかったから、丁度いいぞ。
「?」
道が二手に分かれている。上り坂で、左は階段、真正面は、緩やかに左に曲がる道。最終的に、上り坂の上の方で合流しそうな気はするから、どっちを選んでも同じ様な気はするな。相変わらず、森に囲まれてはいるけど、地面が舗装されてるのもそうだけど、手すりがあったり、何か木の看板みたいなものが見えたり、近くで人が住んでいそうな感じがする。
風の通りが良くて、気持ちがいいかな。
「テテ、どっちに行くかど?」
「まっすぐ…」
階段はこの鎧姿のままじゃ、疲れる。いくら手すりがあるとは言え、な。ほぼ裸のパルンガも、階段はつらいだろ?
よく見ると、地面に大きく引っ掻いた跡が見えるな。深さは、10cm程度か?爪の様な跡にも見える。
何かがここで争った?
「テテ、多分、エルキーブルが引っ掻いた跡だど」
「え…?じゃあ、この辺にはいるのかも知れないな」
「いたら、オデが倒すど!」
強気だな、パルンガ。頼もしいぜ。
エルキーブルって奴。多分、獣だよな?この爪跡を見ても、相当力が強いんじゃないのか?警戒しておかないと。
「?」
もう少しまっすぐに行くと、いる。
何人かの人が、いるな。
ほぼ動いていないから、よくわからなかった。
俺を騙して、命を取ろうとするか、またあの猫女みたいに、俺の魔力(ないと思うけど)を金に替えるために、半殺しにしようとするのか。
ここは俺の住む場所じゃないけど、少しは強気でいかないと、いい様にされて、殺されるからな。
「テテ!」
「え?…ああ。そうだよな、パルンガ」
赤い空は、丁度、俺達の真上辺りを中心に、少し渦状になって広がっている。遠くで見た時よりも、より血の色みたいな赤で気持ちが悪いな…。
《冬枯れの牙》ガラリスの言った、自殺行為同然の、北の場所って、ここなんだろうな。
遠くいる人達は、明らかに俺達を見て、警戒してる様に見えなくもない。ずっと静止して、こっちを見てる。
イヤな予感がするな。
「パルンガ、お前、この場所は何処か、知ってるか?」
「知らないど!」
多分、そう言うと思ったけど、そうか。
この世界の住人って奴なんだろうに。お前って奴は。いや、こいつは獣だから、人じゃないよな。人の言葉は話すけどな。
何も始まってないのに、警戒し過ぎても仕方がないよな。
もしかしたら、あのガラリスって奴が、あの場で俺と戦いたくないから、適当言ってるかも知れないしな。
それなら、ラグリェとの戦いでやられたこの鎧の穴も、ムダにはならなかった訳だ。
あいつには、もう二度と会いたくないけどな。
もしここに、あの夢魔操があるとしたら、俺にとってこの場所は、重要になる。
なくても、情報は手に入るんじゃないのか?あの猫女の話だと、夢魔操はこの大陸にありそうだしな。
それに、この場所が第5大陸の北の方に位置するなら、猫女の話だと、北の橋を渡って第6大陸が近いはず。ギルロの根城の情報も手に入るだろう。
この世界の人を避けてばかりだと、どうしても目的に辿り着けない。
ここに街があるなら、俺は、覚悟を決めて行くしかないんだ。
「テテ、ベルダイザーの居場所、誰か知ってるかも知れないど」
「…そうだよな?」
パルンガも、この辺りにありそうな街(それか村?)で情報集めをしそうだな。
ありがたい。一緒に行動してくれる。
心強いぜ、パルンガ。
「すーっ!」
「はーっ!」
よし!
行くか!
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