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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その229裏
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「とても残念な結果だよ。シブを殺せなかった。その甘さが命取りとなるという事を、いつの日か身をもって知る事になるだろう。しかし、あのリョウマ族がこのハムカンデの力となる事ができるのか、明日の誇闘会で最終的な決断を下すとしよう…」
愚かな男だ。
もはやハムカンデの傀儡と成り果てたシブを、殺せなかった。
しかしそれは正しく、僕の予想通りの結果だ。
裏切りが横行し、それが常となるこのご時世でも、お前の信念は揺るがなかった。
サイクロス。
僕が信頼できるのは、お前だけだった。
なのに。
お前は、突如現れたあの男の言葉に洗脳され、愚かにも志を失った。
お前は生温い戯れ事をするために、屈強だった心に毒を差し込んだのだ。
その結果、お前は敵を信用し、その敵に隙を突かれて死んだ。
後に、あの男も死んだと聞いたが。
所詮は、その様な虚しい道しか用意されていないのだ。
何と情けない事か。
サイクロス。
僕はお前を失った。その喪失感から、気づけばこんな場所で、下等オーロフ族の側に居続けている。
お前無くして、古球磨族の再興はあり得ないと思っていたのに。
あの男が、お前を唆かした。
サイクロスを奪った。
もう二度と、サイクロスは戻らない。
そう思っていたけど。
しかし、僕にも少しばかりの幸運が訪れた様だ。
あのリョウマ族はあの男に似ている。
忌々しい眼差しが、そっくりだ。
そして、サイクロスもあの男と同じ様に変貌していった。
だから今こそ、サイクロスを取り戻す良い機会。
誇闘会で、あの名無しのリョウマ族は、かつて心を一つにしたゼドケフラーと対峙する。
その様に仕向けた。
お前にはもう、選択肢などない。
ゼドケフラーを見事殺す事に成功すれば、名無しのリョウマ族はもう二度と生温い戯れ事をする事もなくなるだろう。
サイクロスをあの男の様に変えられたのと同じ様に、今度はあの男に似た名無しのリョウマ族を、サイクロスに変えさせてもらうぞ。
サイクロスとして生まれ変わった姿をもって、僕の悪夢もようやく、終わりを迎える。
その時にこそ、僕はグラッチェリなどとふざけた名ではなく、黒眼五人衆の頭目という肩書きも捨て、かつての古球磨族最強部隊、狄眼鬼僧隊の副隊長である、このメカリエという真の名をお前に伝えよう。
愚かな男だ。
もはやハムカンデの傀儡と成り果てたシブを、殺せなかった。
しかしそれは正しく、僕の予想通りの結果だ。
裏切りが横行し、それが常となるこのご時世でも、お前の信念は揺るがなかった。
サイクロス。
僕が信頼できるのは、お前だけだった。
なのに。
お前は、突如現れたあの男の言葉に洗脳され、愚かにも志を失った。
お前は生温い戯れ事をするために、屈強だった心に毒を差し込んだのだ。
その結果、お前は敵を信用し、その敵に隙を突かれて死んだ。
後に、あの男も死んだと聞いたが。
所詮は、その様な虚しい道しか用意されていないのだ。
何と情けない事か。
サイクロス。
僕はお前を失った。その喪失感から、気づけばこんな場所で、下等オーロフ族の側に居続けている。
お前無くして、古球磨族の再興はあり得ないと思っていたのに。
あの男が、お前を唆かした。
サイクロスを奪った。
もう二度と、サイクロスは戻らない。
そう思っていたけど。
しかし、僕にも少しばかりの幸運が訪れた様だ。
あのリョウマ族はあの男に似ている。
忌々しい眼差しが、そっくりだ。
そして、サイクロスもあの男と同じ様に変貌していった。
だから今こそ、サイクロスを取り戻す良い機会。
誇闘会で、あの名無しのリョウマ族は、かつて心を一つにしたゼドケフラーと対峙する。
その様に仕向けた。
お前にはもう、選択肢などない。
ゼドケフラーを見事殺す事に成功すれば、名無しのリョウマ族はもう二度と生温い戯れ事をする事もなくなるだろう。
サイクロスをあの男の様に変えられたのと同じ様に、今度はあの男に似た名無しのリョウマ族を、サイクロスに変えさせてもらうぞ。
サイクロスとして生まれ変わった姿をもって、僕の悪夢もようやく、終わりを迎える。
その時にこそ、僕はグラッチェリなどとふざけた名ではなく、黒眼五人衆の頭目という肩書きも捨て、かつての古球磨族最強部隊、狄眼鬼僧隊の副隊長である、このメカリエという真の名をお前に伝えよう。
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