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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その306
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奇妙な関節の曲がり方をして、俺の首に伸びる魔闘石に作り出されたメベヘの手。その手には刀が握られている。俺を突き刺そうと、切っ先は俺を目掛けて。
俺は、メベヘに操られちまったんだ。
相手の挑発に乗って、今の力を過信し、相手の安直な攻撃をそのまま信じた…。
俺はメベヘより先にと逸り、自ら勢いをつけて相手に向かっていったんだ。
先に俺の攻撃が当たる。あいつの刀より、俺の大剣の方がリーチがあるから、と。
俺は意表を突かれた…。
もう…この体勢から、急に動きを変えようとしても、間に合わない。そうしている間に、メベヘの刀が俺の首に到達する。
到底、逃げられそうもないんだ。
「カカカッ!死ねえっ!!」
俺の、覚悟。
俺はこんな世界、認めない。
この世界に住む奴らも、認めない。
偽善で相手を欺き、どうやって相手を殺したり、思い通りに操る事ができるか。そんな事ばかり考えてやがる。
そんな事ばかりしてるから、互いにもっと相手を信じられなくなる。
その中でも、ガッチリと握手までいかなくても、指先まで触れた…。
シブとメルシィーニ。
姿形は違くても、もっと距離が近く感じたパルンガ。
ああ、そうだ。
予測不能で変なところで短気になる、あのナルシストのシュティールも、冷たそうな壁を張るくせに、何だかその壁が温かい。
この世界を完全に否定できない理由は、この人らの心に触れ、戸惑いながらも、心が揺れた。
そして、俺はまだほんの少しこの世界に期待をしていた事がある。
高天魔四大将の一人とかいう、グレンベール・アルシオン…。
噂通りなら、この人と出会う事が、今の腐りかけた心を立て直すきっかけになるんじゃないかって、思えた…。
俺は。
まだ、死ねない。
俺の世界で、まだやり残した事が…たくさんある。
きっと、帰ってやる。
きっと。
「!?」
シュルルルルルッ!!
相手の刀が俺に届く!?
メベヘッ!
これで、俺は本気で覚悟を…貫ける!
そう!
これが、俺の覚悟だッ!!
「カカカッ!小僧、さらに突撃してくるか?儂の刀の餌食になるのが待ち遠しかった様だな!?さあ、思う存分、派手に血をばら撒かせてみろっ!」
ダダダ…タタ…!
タ…!
「な、何っ!?」
「ど、何処だ!?何処に消えたっ…!?」
ガシャァッ!
嫌われてまで、力を貸したいなんて誰も思わねえ。当然、俺もそうだ。
俺、この世界の奴らが嫌いって事だけじゃなかった。
アンタがイヤだと感じる部分が、もう一つある。
俺は、アンタと重なる事があるんだ。
それは、ゼドケフラーの幼獣と同じ様に仲良くしてたって事だ。
だから、アンタは俺に力を貸してくれたんじゃないのか?
俺とパルンガの結末は知っているだろう?
そして、アンタも。
アンタが俺に過去の記憶を見せてくれた時、最後の方で、ゼドケフラーと決裂しただろう?
その後、アンタが仲の良かったゼドケフラーの幼獣に何をしたのかはわからない。
だけど、重ねてしまうんだよ。
俺が、パルンガにした事。
ああするしかないって、思えた。だから、俺はその様にした。
だけど、それが正解かだなんてわからない。
いや、きっと。
間違いだと思う。
だって、パルンガは死に際で、俺の事を気にしてたんだから。
俺の名前を…。
言える様になるように、って。
アンタがゼドケフラーの幼獣と仲良くしてたってだけでも、無意識に嫌がっていたんだ。
まるで、自分の心の傷を広げようとしている様で。
でも、アンタはきっといい奴だ。
俺なんかより、遥かに。
そう思えたから…。
俺も覚悟を何とか示さないといけないと思った。
ついさっき、アンタは俺に自分の過去の記憶に飛ばしてくれた…。
それで、俺の覚悟が完全に決まったんだ。
俺は、メベヘに操られちまったんだ。
相手の挑発に乗って、今の力を過信し、相手の安直な攻撃をそのまま信じた…。
俺はメベヘより先にと逸り、自ら勢いをつけて相手に向かっていったんだ。
先に俺の攻撃が当たる。あいつの刀より、俺の大剣の方がリーチがあるから、と。
俺は意表を突かれた…。
もう…この体勢から、急に動きを変えようとしても、間に合わない。そうしている間に、メベヘの刀が俺の首に到達する。
到底、逃げられそうもないんだ。
「カカカッ!死ねえっ!!」
俺の、覚悟。
俺はこんな世界、認めない。
この世界に住む奴らも、認めない。
偽善で相手を欺き、どうやって相手を殺したり、思い通りに操る事ができるか。そんな事ばかり考えてやがる。
そんな事ばかりしてるから、互いにもっと相手を信じられなくなる。
その中でも、ガッチリと握手までいかなくても、指先まで触れた…。
シブとメルシィーニ。
姿形は違くても、もっと距離が近く感じたパルンガ。
ああ、そうだ。
予測不能で変なところで短気になる、あのナルシストのシュティールも、冷たそうな壁を張るくせに、何だかその壁が温かい。
この世界を完全に否定できない理由は、この人らの心に触れ、戸惑いながらも、心が揺れた。
そして、俺はまだほんの少しこの世界に期待をしていた事がある。
高天魔四大将の一人とかいう、グレンベール・アルシオン…。
噂通りなら、この人と出会う事が、今の腐りかけた心を立て直すきっかけになるんじゃないかって、思えた…。
俺は。
まだ、死ねない。
俺の世界で、まだやり残した事が…たくさんある。
きっと、帰ってやる。
きっと。
「!?」
シュルルルルルッ!!
相手の刀が俺に届く!?
メベヘッ!
これで、俺は本気で覚悟を…貫ける!
そう!
これが、俺の覚悟だッ!!
「カカカッ!小僧、さらに突撃してくるか?儂の刀の餌食になるのが待ち遠しかった様だな!?さあ、思う存分、派手に血をばら撒かせてみろっ!」
ダダダ…タタ…!
タ…!
「な、何っ!?」
「ど、何処だ!?何処に消えたっ…!?」
ガシャァッ!
嫌われてまで、力を貸したいなんて誰も思わねえ。当然、俺もそうだ。
俺、この世界の奴らが嫌いって事だけじゃなかった。
アンタがイヤだと感じる部分が、もう一つある。
俺は、アンタと重なる事があるんだ。
それは、ゼドケフラーの幼獣と同じ様に仲良くしてたって事だ。
だから、アンタは俺に力を貸してくれたんじゃないのか?
俺とパルンガの結末は知っているだろう?
そして、アンタも。
アンタが俺に過去の記憶を見せてくれた時、最後の方で、ゼドケフラーと決裂しただろう?
その後、アンタが仲の良かったゼドケフラーの幼獣に何をしたのかはわからない。
だけど、重ねてしまうんだよ。
俺が、パルンガにした事。
ああするしかないって、思えた。だから、俺はその様にした。
だけど、それが正解かだなんてわからない。
いや、きっと。
間違いだと思う。
だって、パルンガは死に際で、俺の事を気にしてたんだから。
俺の名前を…。
言える様になるように、って。
アンタがゼドケフラーの幼獣と仲良くしてたってだけでも、無意識に嫌がっていたんだ。
まるで、自分の心の傷を広げようとしている様で。
でも、アンタはきっといい奴だ。
俺なんかより、遥かに。
そう思えたから…。
俺も覚悟を何とか示さないといけないと思った。
ついさっき、アンタは俺に自分の過去の記憶に飛ばしてくれた…。
それで、俺の覚悟が完全に決まったんだ。
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