魔gic Operation Girl! HARUKA

sayure

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第1章 怨讐に女童

誕生

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後15分で、夜の7時…夕ご飯、まだかな。

チクタク…

チクタク…



氷柱は、闇に紛れて動く手足の生えた2メートル程度の大きさの掛け時計に刺さり、その時計は野太い声を上げた。

【…ゴォォォヴゥオオオおお…お!】

『急激に心の闇が薄れていく様に感じる』

明花は、周囲の空間が闇と光に交互に繰り返される事に、眩暈を覚える。

徐々に化け物の掛け時計は、体を縮小させ、手足は透き通り、消えていく。

【我が思い出、その家族に染まりし…】

建物全体が揺れ動きながら、元の家の構造に戻っていく。

【それが、カノン】

2階の押し入れに仕舞っていた古い文字盤の掛け時計。

2階の通路にパタンと倒れ、そして動かなくなった。

明花は、その場にしゃがみ込み、自分の置かれた状況に困惑しながらも、見覚えのあったその掛け時計に触れてみた。

今は時間を刻まない。

『思い入れのある物には、魂が宿る場合があるわ。その時計、以前はとても大切にされていたんじゃないかしら?』

「これは、ママのひいおじいちゃんの形見なの。だから、捨てないでいたみたいだけど。どうして…」

明花は、その掛け時計を胸に持っていき、抱きしめた。

魔法戦闘服の効果が解除され、明花は元の姿に戻っていく。

そして、彼女から抜けた魔法戦闘服のエネルギー体が右手の薬指に集まり、黄金色の指輪へと変化する。

『最初に家で待ち構えていた魔人が、恐らくこの掛け時計の、役割を果たせず、眠らせ続けた無念さという負のエネルギーを増大させ、暴走させたのね。素直に去る事をせず、要らない置き土産だわ』

「え、魔人?」

『この家に入った時に、最初に待ち構えていた魔物よ』

『…珍しいの?』

「め、珍しい…」

『まぁ、いいわ。それでも、貴女はよく戦ったわ。その戦闘服にうまく適合して、思った以上にやれている。危うく相手に心を支配されそうにはなったけど』

「…私」

『魔女ね。…いや、魔法少女なのよ、貴女…。どう?素敵でしょ』

明花は、恥ずかしそうにしながら、垂れた髪を撫でた。

「ティンカーとかも、できるのかな…」

『何それ、おいしいの?』

「何でも、ないです…」

『明花…今日会った頭巾の被った男は、また貴女の元にやってくるわ』

「…襲われるんですか、私…?」

『理由がはっきりしないけど、多分…。ガーディアンワールドに関係があるのかも。それか単純に、貴女が奴に攻撃を食らわせたから?』

「ガーディアンワールドって??攻撃って、誰を??さっきのこの時計の事?他の人?」

明花は、胸に抱いていた時計を見て、首を振る。

『他の…人というか、魔人。ちなみに、ガーディアンワールドは、私のいた惑星よ。そこから来たの』

「うそ…」

『知っていた?そうよね、だって貴女も…』

「知らない…」

『あら、残念』

「…気になっていたんだけど、どうして、私の中から、声が…?」

『さあ?私にも、わからないわ。ただ』

『…私の心と、負傷した体は、貴女の中にある事は、間違いないわね』

「ええ!?」

『どうしてこうなったか、わからないけど。私の体はミクロサイズにまで小さくなって、貴女の代謝の影響を受けながら、少しずつ回復しているみたい』

「…え…?」

『あ、いや、そうねぇ…。魔法少女に、力を与える妖精は、付き物なのよ(違ったかしら)?』

「私は…」

『幸運を手に入れたのよ(私がだけど)!』

「そう…なの?」


---

「ただいま!」

戸を開け、玄関で笑顔を見せて、手を振る母親。

「遅くなって、ゴメンね」

明花は、全ての不安が消えた様にほっと胸を撫で下ろして、笑顔で返した。

『そうそう、明花。変形型戦闘服は適合した貴女のものになり、戦闘モードにならない時は、貴女の右手の薬指に指輪として収まっているからね』

「…!?」

『ちなみに、今の貴女は、変身前の服装に戻っているから…』

明花は、下を向き、自分の下着姿に驚いて、声を漏らす。そして、急いで辺りを見回した。

その明花の慌て様に、メデナリンジェは笑いを抑えながら、伝える。

『階段に脱ぎ捨てているわよ』
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