愛なんて恋なんて魔法をかけてお菓子みたいに食べましょう

sayure

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第三の扉

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愛衣奈めいなは夕食を終えると、大きな欠伸をする。



それを見て、父・フェルマーはコーヒーをすすりながら、肩で笑っていた。




「今日は疲れているのだろう。我が娘、愛衣奈よ。ベッドでゆっくりと休むが良い」






「何でかな、今日疲れる事したかな?」






首を傾げる愛衣奈に、フェルマーは白い目を向けながら、再びコーヒーをすする。





「…お前は疲れてないよ。私は疲労困憊だがね。お前の恋人発言によって、パパは心労が絶えないよ。お前の学校ごと、地獄の炎で焼き尽くしてやろうと思うくらいなんだよ…」







フェルマーの呟きに、愛衣奈はナプキンで口を拭きながら、今度は彼女が彼に白い目を向ける。






「今、何か不吉な事言わなかった…?」








「我が愛しの娘である愛衣奈よ、お前に何を言う事があるというのだ?何もない。お前は完璧だよ」






そう言い、フェルマーは椅子を引いて立ち上がり、高揚した気持ちを体現するかの様に、クルクルと回って踊り始めた。






「下手くそ…」








愛衣奈はそう呟くと、ナプキンを机に置き、目障りな父の姿から目を背ける様に、席を離れていった。








自分の部屋に戻ると、大人三人は寝れるほどのキングサイズのベッドに飛び込み、白い枕に顔を埋める。






「今日は眠いから、このまま寝てしまおう…」





「ママは彼氏に振られた時に、パパに言い寄られて、淋しさのあまり、付き合って、そしてそのまま結婚したのよね。だけど、今は家を飛び出して、未だに帰ってこないわ」







「もっと、しっかり前もって彼氏を選んでおけば、失敗はしないはず。私は同じ過ちはしたくはないから、今のうちから将来の王子様は選ぶべきだと思うの」







「あはは…」







愛衣奈は、自分で結婚相手を王子様に例えたかと思うと、不思議とおかしくなって、笑い出した。彼女はまだ恋愛をした事がない。本当の恋心と呼べるものすら、抱いた事がないのだ。









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