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第9話 緑の丘の銀の星
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しおりを挟むトモミが帰ってから、わたしはずっと月を眺めていた。
小さく光る星が長い尾を引き、月から一直線に飛び出す。それはぴたりと急停止したかと思うと、かくんと直角に曲がり、また長い尾を引く流れ星になった。流れ星はジグザグに夜空を走りながら、しだいにその姿を大きくして近づいてくる。
今夜、迎えが来るのはわかっていた。銀河連合はずっと待っていた。そして確認したのだ。わたしがあの洞窟へ入ったことを――。
小型宇宙船が、わたしの目の前に音もなく着陸し扉を開ける。中から黒く細長い棒が何本も折れ曲がりながら出てきたかと思うと、最後にバスケットボールほどの黒く丸い物体が出てきて、わたしの頭上高く移動して止まった。
細長い棒に見えたのは、その丸い物体からのびていた足だった。
左右で四本づつ、三メートルほどの長さの足が、なかほどでかくんと折れ曲がり、黒く丸い物体が、わたしの目の前に降りてくる。
その物体には八つの赤いビー玉のような目がついていた。その目は、じっとわたしをとらえていたが、まったく表情がなく、何を考えているかわからない目だった。
「隊長……いえ博士。お待たせしました。お迎えです」
不気味な姿からは想像もできない、甲高くて、かわいらしい声だった。しかも聞き覚えがある。
「きみはもしや、あのときの隊員か?」
「そうです博士。あのときはわたしのバイオロイドが脳波受信障害を起こしてしまい、大変失礼しました。今度はそんなことがないよう、生身の体でまいりました」
わたしは、ふんっと鼻を鳴らした。
「受信障害だって? いくらわたしが機械にうといからといって、そんな話を信用すると思うのか? 銀河連合はわざとこの場所へ、わたしを不時着させたのではないかね?」
隊員は八つの赤い目をぱちぱちとまばたきさせると、
「ととと、とんでもない! 小型宇宙船がとっさに見つけたのが、この人気のまったくない草原だった……。それだけです!」
そう言って、いぶかしげに睨むわたしから、八つの目をついっとそらした。
「……きみたちは、ずっとわたしを見張っていたね?」
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