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第四章
第八話 命の宿る水-2
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「うんこ出るっ。あん。うんこっ。うんこ。あん」
「大丈夫ですよ。栓をしているので漏れません」
「出るっ。気持ち悪いっ。あん。やめてくれっ。うう。あん」
どうやら喘ぎ声は、快感からではなく内臓を圧迫される衝撃と不快感で漏らしているようだった。その証拠に、男の陰茎は萎んだまま皮を被っている。
「安心しました。気に入られてしまったのならさっさと殺そうかと思いましたが。これだと楽しめそうですね」
肛門から抜かれたディルドには、大便がべったりと付着していた。鶴井はそれの匂いを嗅ぎ、「わーお」と目を瞬く。そしてそれを男の口に突っ込んだ。
「ふごー! ふごふご! ふごーーー!」
「なんですか。たかが自分の排泄物ですよ。なにをそんな大げさに」
根元まで押し込むと、口蓋垂に当たったのか男が大袈裟にえずいた。鶴井はそのままガムテープでディルドを固定し、段ボールからもう一本のディルドを取り出した。
「こっちはね、先ほどのものより良いものですよ。なんたって射精機能が付いているんです。しかも仕込める液体の量が多いんです。冴木さんイチオシ商品なので、まあ信頼できるかと」
鶴井はそれに、先ほど入手したバケツの水を注入した。便所掃除用具から染み出した雑菌が放つカビ臭と、腐った水独特の硫黄臭が入り混じる水と共に、活きの良いボウフラが全身をくねらせてディルドの中に入っていく。
試しにディルドの竿を圧迫すると、水とボウフラが勢いよく飛び出した。
「おお。我ながら上等な疑似精液を用意できたんじゃないでしょうか。白濁していたら尚良かったのですが……。まあ、仕方ないですねえ。これで我慢してもらいましょう」
鶴井の独り言が聞こえていたのか、男は喚きながら肛門をひくつらせていた。鶴井がディルドを肛門に当てると必死に尻を振って抵抗したので、大人しくさせるために尻に煙草を押し付けた。
「んぐぐぐんんっ!」
「大人しくしてくださいよお。挿れ辛くてかないません」
一息に奥まで道具を突っ込まれた男は、肛門を締め付けまたえずく。
鶴井は適当に何度か出し入れしてから、疑似精液を男の大腸に流し込んだ。
「ふぐあああああっ。ふが。ふんぐあ」
「どうです? あなたの内臓の中でボウフラが泳いでいるの、分かりますか?」
大容量が入ると言っても、たった百ミリリットル程度しか入らないディルドでは、バケツ一杯の水を注入するには少々時間がかかりすぎる。何度かはディルドを使って流し込んでいた鶴井もさすがに飽きてきたので、最終的には灯油ポンプを使った。
全てを注ぎ終えたあとは、ディルドで肛門に栓をした。
「嬉しいですか? 命の宿る液体を、内臓の中に注ぎ込まれるのは」
「ふぐううう。うううう。う。う」
体内で踊り狂うボウフラが恐ろしいのか、男は情けない泣き声を漏らしている。
「さきほど、ボウフラはヤモリの死体を食べていたんです。もしかしたらあなたの内臓も食べられてしまうかもしれませんね」
鶴井は男の目隠しを外し、顔を覗き込む。
「そして、たっぷり栄養を取ったボウフラは、あなたの中で成長し、立派な成虫となるのでしょう」
息を荒げ、屹立したものを体に押し付ける鶴井に、男は女のような悲鳴を上げた。
鶴井は男の頬を撫で、愛おしむように目尻を下げる。
「妊娠、おめでとうございます」
鶴井は男の体を気遣い、口で処理させた。噛みちぎられないよう、男の瞳に赤い光を放つ煙草を近づけ、丁寧に、丁寧に、処理させた。
あれほど愛してやったのに、男の陰茎は萎んだままだった。
鶴井はそれを握り勃起させ、射精する手前で手を離す。
「おもちゃだけでは物足りないでしょう。あなたにも、本物の良さを教えてあげますよ」
「へっ」
愛用のナイフを取り出し、男の陰茎に刃を添える鶴井。彼が何をしようとしているのか察した男がまた暴れ出した。煙草の火を押し付けてられても、こればかりは手放したくないと暴れることを止めない。
「まじでっ! 頼むっ。それだけはっ。やめろっ。俺のっ。俺のちんこおああああ」
「へえ。ペニスの断面ってこうなっているんですね。初めて見ました」
睾丸ごと切り落とした陰茎は、まだ勃起したままだった。鶴井は手際よくそれを肛門に差し込み、出し入れした。
「どうです? 本物のペニスはやっぱりシリコンとは感覚が違いますか?」
「ぎゃああああああ。ぎえああう。あ。あ。あ。う」
鶴井の問いに男は答えられなかった。性器を切断された激痛でのたうち回ることに忙しい。
股間から大量の血を噴き出させ痙攣している男の姿は、今までに感じたことのない絶頂を迎え、悦んでいるように見えた。
そこで鶴井は片目を瞑り、頭を掻いた。
「あ。茶を振舞うのを忘れてしまった」
男が腹上死しつつある様子を眺めながら、鶴井は湯を沸かし、紅茶を淹れる。
肛門に差し込まれた男の陰茎は徐々に萎み、床にボウフラが泳ぐ水と糞尿が零れるが、血の海の中で一緒くたになり区別がつかない。
肛門から、男に憑いていた生霊がぽとりと落ちた。鶴井はそれを抱き上げ、温かい紅茶を飲ませた。
「大丈夫ですよ。栓をしているので漏れません」
「出るっ。気持ち悪いっ。あん。やめてくれっ。うう。あん」
どうやら喘ぎ声は、快感からではなく内臓を圧迫される衝撃と不快感で漏らしているようだった。その証拠に、男の陰茎は萎んだまま皮を被っている。
「安心しました。気に入られてしまったのならさっさと殺そうかと思いましたが。これだと楽しめそうですね」
肛門から抜かれたディルドには、大便がべったりと付着していた。鶴井はそれの匂いを嗅ぎ、「わーお」と目を瞬く。そしてそれを男の口に突っ込んだ。
「ふごー! ふごふご! ふごーーー!」
「なんですか。たかが自分の排泄物ですよ。なにをそんな大げさに」
根元まで押し込むと、口蓋垂に当たったのか男が大袈裟にえずいた。鶴井はそのままガムテープでディルドを固定し、段ボールからもう一本のディルドを取り出した。
「こっちはね、先ほどのものより良いものですよ。なんたって射精機能が付いているんです。しかも仕込める液体の量が多いんです。冴木さんイチオシ商品なので、まあ信頼できるかと」
鶴井はそれに、先ほど入手したバケツの水を注入した。便所掃除用具から染み出した雑菌が放つカビ臭と、腐った水独特の硫黄臭が入り混じる水と共に、活きの良いボウフラが全身をくねらせてディルドの中に入っていく。
試しにディルドの竿を圧迫すると、水とボウフラが勢いよく飛び出した。
「おお。我ながら上等な疑似精液を用意できたんじゃないでしょうか。白濁していたら尚良かったのですが……。まあ、仕方ないですねえ。これで我慢してもらいましょう」
鶴井の独り言が聞こえていたのか、男は喚きながら肛門をひくつらせていた。鶴井がディルドを肛門に当てると必死に尻を振って抵抗したので、大人しくさせるために尻に煙草を押し付けた。
「んぐぐぐんんっ!」
「大人しくしてくださいよお。挿れ辛くてかないません」
一息に奥まで道具を突っ込まれた男は、肛門を締め付けまたえずく。
鶴井は適当に何度か出し入れしてから、疑似精液を男の大腸に流し込んだ。
「ふぐあああああっ。ふが。ふんぐあ」
「どうです? あなたの内臓の中でボウフラが泳いでいるの、分かりますか?」
大容量が入ると言っても、たった百ミリリットル程度しか入らないディルドでは、バケツ一杯の水を注入するには少々時間がかかりすぎる。何度かはディルドを使って流し込んでいた鶴井もさすがに飽きてきたので、最終的には灯油ポンプを使った。
全てを注ぎ終えたあとは、ディルドで肛門に栓をした。
「嬉しいですか? 命の宿る液体を、内臓の中に注ぎ込まれるのは」
「ふぐううう。うううう。う。う」
体内で踊り狂うボウフラが恐ろしいのか、男は情けない泣き声を漏らしている。
「さきほど、ボウフラはヤモリの死体を食べていたんです。もしかしたらあなたの内臓も食べられてしまうかもしれませんね」
鶴井は男の目隠しを外し、顔を覗き込む。
「そして、たっぷり栄養を取ったボウフラは、あなたの中で成長し、立派な成虫となるのでしょう」
息を荒げ、屹立したものを体に押し付ける鶴井に、男は女のような悲鳴を上げた。
鶴井は男の頬を撫で、愛おしむように目尻を下げる。
「妊娠、おめでとうございます」
鶴井は男の体を気遣い、口で処理させた。噛みちぎられないよう、男の瞳に赤い光を放つ煙草を近づけ、丁寧に、丁寧に、処理させた。
あれほど愛してやったのに、男の陰茎は萎んだままだった。
鶴井はそれを握り勃起させ、射精する手前で手を離す。
「おもちゃだけでは物足りないでしょう。あなたにも、本物の良さを教えてあげますよ」
「へっ」
愛用のナイフを取り出し、男の陰茎に刃を添える鶴井。彼が何をしようとしているのか察した男がまた暴れ出した。煙草の火を押し付けてられても、こればかりは手放したくないと暴れることを止めない。
「まじでっ! 頼むっ。それだけはっ。やめろっ。俺のっ。俺のちんこおああああ」
「へえ。ペニスの断面ってこうなっているんですね。初めて見ました」
睾丸ごと切り落とした陰茎は、まだ勃起したままだった。鶴井は手際よくそれを肛門に差し込み、出し入れした。
「どうです? 本物のペニスはやっぱりシリコンとは感覚が違いますか?」
「ぎゃああああああ。ぎえああう。あ。あ。あ。う」
鶴井の問いに男は答えられなかった。性器を切断された激痛でのたうち回ることに忙しい。
股間から大量の血を噴き出させ痙攣している男の姿は、今までに感じたことのない絶頂を迎え、悦んでいるように見えた。
そこで鶴井は片目を瞑り、頭を掻いた。
「あ。茶を振舞うのを忘れてしまった」
男が腹上死しつつある様子を眺めながら、鶴井は湯を沸かし、紅茶を淹れる。
肛門に差し込まれた男の陰茎は徐々に萎み、床にボウフラが泳ぐ水と糞尿が零れるが、血の海の中で一緒くたになり区別がつかない。
肛門から、男に憑いていた生霊がぽとりと落ちた。鶴井はそれを抱き上げ、温かい紅茶を飲ませた。
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