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第5章 三日目の午後、そして再び事件は起こる
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「あなた、こ、これを」
竜二さんが敦子さんが持ってきた救急箱を受け取り、その中からガーゼや包帯を出そうとするが、震えてうまくいかない。
「せ、先生は、先生に連絡は?」
誰かが震える声で聞く。
「そうだ先生だ。敦子、牧場先生に連絡を」
「そうね。そうだわ。すぐに電話をします」
敦子さんが、大急ぎで建物の方へと戻って行った。あまりの事態に、誰もが冷静に判断し、的確に動くことができなくなっている。
風雨は以前、非常に強い状態だったが、まだ街から車で来るのに問題はないだろう。そこへレスキューキットを持った三輪さんも駆けつけ、竜二さんと一緒にガーゼで止血をしようとしている。しかし残念ながら、それは不毛な作業であり、状況は絶望的だ。
「なに、一体何が起こっているの?」
飯畑さんが空な声で呟いたそのとき、敦子さんが大声で叫びながら駆けてきた。
「あ、あなた大変」
「どうした、道が崩れたのか?」
「電話が、電話が壊されているの」
「ええ」
反射的に僕は尻のポケットからスマホを取り出す。画面を操作し受信を確認するが、wifiの接続が確かに切れている。
「スマホの接続が切れてます」
「俺もだ」
「電話がどうなってるって?」
竜二さんが叫ぶように問いただす。
「誰かが、壊したのよ。コードが全部切れてて、電源も入らないの」
水戸さんの胸の傷をガーゼで圧迫していた三輪さんが、僕に目顔で行けと言った。僕は一つ頷き、建物へ向け駆け出す。後ろから竜二さんや敦子さんも走ってくる気配があった。もう誰も雨など気にしていない。体が濡れて風邪をひくなどと言ってはいられなかった。
電話は一階の受付カウンターと、厨房からドアを通って石田さんの自宅エリアへ抜けるところにあったが、どちらも刃物で電源コードと電話線が切断されており、同じ場所にあるwifi装置は床に叩きつけられていた。
「こんな、一体誰が?」
「犯人よ、水戸さんを殺した犯人に決まってるじゃない」
後ろから追いついた高遠さんが、僕の持つwifi装置を見てポツリと呟く。
「この建物に電話は二つでしたよね?」
「そうです。受付と自宅用と二つです」
最初に竜二さんが説明してくれた通りだ。
「そのことは僕たちは来た時に聞きましたが、他にこのことを知っているのは?」
「私たち夫婦と、親戚や親しい友人、あとはそう、海洋大の皆さんはご存知のはずです」
「なぜ?」
「二年前の事故の時、あちこちへ連絡が大変で、その時に自宅の電話もお貸ししました」
「では、ここにいる皆さんが知っていると」
「何を……、何を、言いたいの向井くん」
冷たい声でそう問うと、高遠さんが僕を睨みつけた。その顔は今までに無く恐ろしい。僕はそれに何も答えることができなかった。
竜二さんが敦子さんが持ってきた救急箱を受け取り、その中からガーゼや包帯を出そうとするが、震えてうまくいかない。
「せ、先生は、先生に連絡は?」
誰かが震える声で聞く。
「そうだ先生だ。敦子、牧場先生に連絡を」
「そうね。そうだわ。すぐに電話をします」
敦子さんが、大急ぎで建物の方へと戻って行った。あまりの事態に、誰もが冷静に判断し、的確に動くことができなくなっている。
風雨は以前、非常に強い状態だったが、まだ街から車で来るのに問題はないだろう。そこへレスキューキットを持った三輪さんも駆けつけ、竜二さんと一緒にガーゼで止血をしようとしている。しかし残念ながら、それは不毛な作業であり、状況は絶望的だ。
「なに、一体何が起こっているの?」
飯畑さんが空な声で呟いたそのとき、敦子さんが大声で叫びながら駆けてきた。
「あ、あなた大変」
「どうした、道が崩れたのか?」
「電話が、電話が壊されているの」
「ええ」
反射的に僕は尻のポケットからスマホを取り出す。画面を操作し受信を確認するが、wifiの接続が確かに切れている。
「スマホの接続が切れてます」
「俺もだ」
「電話がどうなってるって?」
竜二さんが叫ぶように問いただす。
「誰かが、壊したのよ。コードが全部切れてて、電源も入らないの」
水戸さんの胸の傷をガーゼで圧迫していた三輪さんが、僕に目顔で行けと言った。僕は一つ頷き、建物へ向け駆け出す。後ろから竜二さんや敦子さんも走ってくる気配があった。もう誰も雨など気にしていない。体が濡れて風邪をひくなどと言ってはいられなかった。
電話は一階の受付カウンターと、厨房からドアを通って石田さんの自宅エリアへ抜けるところにあったが、どちらも刃物で電源コードと電話線が切断されており、同じ場所にあるwifi装置は床に叩きつけられていた。
「こんな、一体誰が?」
「犯人よ、水戸さんを殺した犯人に決まってるじゃない」
後ろから追いついた高遠さんが、僕の持つwifi装置を見てポツリと呟く。
「この建物に電話は二つでしたよね?」
「そうです。受付と自宅用と二つです」
最初に竜二さんが説明してくれた通りだ。
「そのことは僕たちは来た時に聞きましたが、他にこのことを知っているのは?」
「私たち夫婦と、親戚や親しい友人、あとはそう、海洋大の皆さんはご存知のはずです」
「なぜ?」
「二年前の事故の時、あちこちへ連絡が大変で、その時に自宅の電話もお貸ししました」
「では、ここにいる皆さんが知っていると」
「何を……、何を、言いたいの向井くん」
冷たい声でそう問うと、高遠さんが僕を睨みつけた。その顔は今までに無く恐ろしい。僕はそれに何も答えることができなかった。
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