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第五章 Japanese Culture
第五話 晴れ時々飛行機雲
しおりを挟む部屋の扉を後ろ手で閉め、アルバートが春人を強く抱きしめた。
「ありがとう」
何度もそういいながら、全てから解放された声を出す。
春人はその背中を優しくさすった。
「僕の方こそありがとう。認められて本当に嬉しかった」
世間の同性愛に対する風当たりの強さも家族の力で跳ね返してしまえる気がした。
「じゃ、温泉にでも行こうよ! 貸切あったしゆっくり入れるよ!」
ずっとこのままよりいつもの春人らしさ全開でアルバートをお風呂へと誘う。
それに救われたように「ああ、行こうか」と2人は再び部屋を出た。
「大浴場にする?」
「いや、貸切にしよう。君の裸を他人に見られるのは精神的にくるものがある」
「外国って裸で温泉に入らないんだっけ?」
「何かしら身に纏っている。不思議な文化だが、貸切なら私一人で堪能できるから悪くないかもね」
「へへ、いつものアルだ!」
「それは心外だな」
フロントで貸切の受付を済ませる。2つあるうち、1つしかあいておらず、檜風呂の方になった。
籠に着替えを投げ入れ鼻歌交じりに服を脱ぎいざ湯船へと向かう。
「ふいい」
と蕩けた顔で肩まで浸かる春人。身体の芯から癒され目を閉じてしまう。ゆっくり開くと、白い綺麗な身体がオレンジの照明に照らされている。立ち昇る湯気はその色気を吸い取ろうと肌に吸い付いていくようだ。
(すごい)
春人はその光景を盗み見ていたが前髪をかき上げたアルバートと目が合ってしまった。
「見たいなら見ていいよ」
「ブクッ?! ゴホッ、ゴホッ!」
慌てて咳き込む。
「な、なにが?!」
「ははは、大丈夫かい?」
白人の裸体がお湯を割き、更に湯気が上がる。近づいて来る均等のとれた肩や胸に春人の脳内も沸騰しかける。
「よく考えると、お互いの身体をこんなに見たのは初めてだね」
湯に視線を落とすと、揺らめく白い腕が春人の腰に回される。そのまま意図も簡単に身体を持ち上げられ、アルバートに跨る格好になった。
「いつも暗いし、アルは服を脱がないからね」
「脱ぐ時間を勿体なくさせているのは誰かな?」
アルバートが春人の胸の突起を口に含む。
「あっ! やんっ!」
「こんな声を出すからすぐに抱きたくなる」
舌先でザラリと刺激すれば蕾が膨らみ始める。
「あっ、はあっ」
「段々感度も良くなってきたんじゃないか?」
「そんな……こと、ない」
「そうかな? こんなに喘いで、ここもぷっくりと美味しそうだ。こっちも試していいかい?」
春人の性器の周りの流れが代わり、太くなり始めたそこへ白く細い魚が優雅に纏わりつく。
「ひうッ!」
性器を扱かれ、目の前の逞しい肩にしがみつく。湿り気を帯びたプラチナブロンドの髪が顔をくすぐる。
手に力を込め、もっと欲しいと強請るがアルバートの動きは止まってしまった。
「お願い……じらさないで」
腰をくねらせるもアルバートは微動だにしない。
「どうしたの?」
「しー」
口に指をあてて、静かにと春人にジェスチャーをおくる。
「?」
「……」
「アル? ……あっ」
思わず小さく叫んでしまった春人。手で口を覆い、水面を揺らす音すら止めて耳を澄ませた。
隣のもう1つの貸切風呂から声がする。それはよく聞けば英語で艶めかしい。
「やれやれ」
ため息をついたアルバートが春人の火照った腕を引き湯船からあがる。
「あああああ、あれって?!」
「だから、部屋は別々なのだ。仲がよろしくてね」
「両親っていくつだっけ?」
「それは気にしたら負けだと思っている」
「なるほど、納得しました。」
「では、致し方ないが撤収するとしようか」
着替えとして持ってきた部屋の浴衣を着る。早々にお風呂から撤収したが、そのわずかなタイミングを見計らって部屋には布団が敷かれていた。
「凄いな。忍者か」
「そんなのいません!」
アルバートの夢を壊し、春人はボフッと布団にダイブした。
「お風呂もいいけど、布団も最高だあ」
フニャと笑い零した言葉と共に、1日の疲れがスーッと抜けていく。背中でも感じたいと寝返りを打つ。
「極楽、極楽」
と堪能する春人の浴衣ははだけ、生足が露わになる。それを布団に擦りつけ、布から伝わる冷たさで何度もため息を漏らした。
「今日はエミリーさんと沢山話せたから、明日はジェームズさんと話したいな。あっ、明日朝風呂行こうかな。アルも行く? 朝なら人も少ないよ?」
フフフと笑いながら、旅行気分を満喫している春人は足をバタバタさせて今度は枕に突っ伏した。
そこへ影が落ちる。
「?」
枕から視線を上げると、眉間に皺を寄せたアルバートがいた。重力で垂れさがる浴衣のせいで41歳とは思えない胸筋がチラチラ見え隠れしている。
「誘ってるの?」
と、強気に聞けば眉間の皺が深くなり、首筋に吐息をかけられる。
「ひゃんッ!」
「誘っているのはそっちでは?」
「僕、誘ってなん、て……あっ、首は駄目……ッ!」
何度も首筋にキスをし、見えるか見えないかのもどかしくめくれている浴衣に目をやる。我慢ができずに足を撫でながら春人の局部をまさぐった。
首への刺激でもう勃起しかけているそこは、蜜をじんわり出し、ボクサーパンツが湿り気を帯びていた。
「誘ったのは君だよ、春人。生足を露わにして、誘う様に動かしたりなんかして。まるで「この帯を解いてめちゃくちゃにしてくれ」と言っているようだった」
「勝手な解釈しないでよ! ……ああっ、んあッ」
「君が悪い」
そして成敗でもするかのようにシュルッと布の摩擦音を響かせる。
「風呂での続きだ。どこまでしたかな? 言ってごらん」
耳元で囁くと先ほどまで抵抗していたのにすんなりと仰向けになった春人。
潤んだ瞳、半開きになった口がパクパクと三回動き、帯が外れてあられもない姿になった上半身を自ら開放する。
「自分で脱いで、いやらしいね」
興奮を抑えきれない唇が、熱を持った胸の突起を包み込む。
「ふあ、ああんッ……あ、あ」
春人の腰が浮く。そこへアルバートが抜いた帯を巻き付け、下に引っ張る。
「やっ! 動けない!」
快楽を腰から逃がそうとしたことがバレ、押さえつけられてしまう。それでもわずかな力を振り絞り曲線を腰が描く。
「そんなに腰を振って。帯がちぎれてしまうよ」
アルバートの力が強くなり、気が付けば腰ではなく、性器を上に突き立てて臀部を振っていた。
「アル……もう、欲しい」
「まだここだけだろ?」
そう言って唾液でヌルリとしている乳首を見下ろすその顔も、実際は余裕など纏っていない。
「やだ、お願い、お願い、アルバートの頂戴」
開かれた足の間では、ひくつく秘部がアレを欲しがっている。自分で割れ目までも広げ、「早く」と懇願する。
「いつも以上に興奮しているね。どうしたんだい?」
「アルが……」
「ん?」
「浴衣姿のアルがエロくて、あと裸も」
顔は真っ赤になっている。その頬にキスをして「それはこっちのセリフだよ」と告白する。
そして白い肌を浴衣が滑り落ち、天井から和紙を通して振ってくる白色光の逆光で神秘的な世界が広がる。
それに目を細めながら手を伸ばし、アルバートを抱きしめる。そこからは身体で愛を語る時間だ。
隠す布も、闇もない空間で、見えぬ愛を確かめ合う。
「んんッ、んッ!」
隣に聞こえては大変だと、アルバートはキスで口を塞ぐ。しかし、与えられる快楽はいつもより激しい。
「んーーー!!」
塞がれているため、声にならない声をだす春人。クチュと時折舌を激しく絡められ、酸素を吸ったのも束の間。
その間にも下から大きな性器が春人を突き上げる。
「んっ、んっ、んっ」
耐える春人に興奮してどんどんアルバートの腰遣いは激しくなる。
込み上げる射精感、絡まる唾液、膨れ上がる愛はすぐに全てを放った。
その後、事後の春人に興奮し、気が付けばもう一度彼を抱き、電気は消される事がなかった。
そのせいで春人が目を覚ました時、まだ夜だと思っていた。だが時計は朝の4時を指している。もうひと眠りとも思ったが、こっそりと部屋を抜け出す。
「朝風呂、朝風呂!」
とルンルン気分で大浴場へと向かう。
やはり、ほとんど人はいない。大きなお風呂を1人で貸切状態にし、浸かる。
「……」
腰に手を滑らせる。
(昨日も激しかったなあ)
そして、浴衣姿のアルバートを思い出す。
(写真でも撮っておけばよかった)
そんな心の中の独り言を楽しみ、ひとしきりお風呂を堪能した。
そして部屋へ向かう廊下を足早に歩いていると声をかけられる。
「春人!」
「アルバー……あっ、すみません、ジェームズさん! おはようございます!」
「声が似ているから間違ったね?」
カラカラと笑うジェームズが近寄ってくる。声だけでなく見た目も本当にそっくりだ。
「君もお風呂かい?」
「いえ、僕はもうあがったんです」
「そうか……今少しいいかな?」
神妙な面持ちで言われ、「はい」と春人も同じ表情で答えた。
「綺麗な庭を見つけたんだ。松の木が綺麗でね。でもとんだ跳ねっ返りだったよ、眠気も吹っ飛ぶほどの痛さだった」
今の張りつめた空気を吹き飛ばそうとする話に、春人は笑顔で返す事しかできない。
そしてジェームズが見つけたという庭へ彼の後ろをついていった。昨日はほとんど会話が出来なかった男と、急に2人きりになり春人はスリッパの中で大量の汗をかく。
庭からは、半分顔を出した朝日で照らされる温泉街がみえる。そして所々から湯気が立ち上っていた。
この地域の名物的風景なのに、何の話をされるのだろうとビクビクする春人には入って来ない。
「素敵な眺めだね」
「そうですね!」
実際は視界に入れているだけで興味のない絵画を見ている気分だった。
それは横のジェームズも同じで、絵画よりも笑顔が美しい日本人に用があった。
「年寄りの長話に付き合ってくれるかい?」
「まだ若いですよ!」
「はははありがとう。……アルバートはね、私とエミリーが若い時に産まれた子なんだ。私たちはアルバートを必死に育てた。深く愛情をかけながら。おかげで優しい子に育ったよ。でも、1つだけ気がかりな事があってね」
後頭部を掻き苦笑いしながら「ガールフレンドが出来ないんだよ。ハンサムなのに何故だろうね?」と言うジェームズに春人は千切れんばかりに首を縦に振った。
春人が親でもあの美貌と性格の息子に恋人が出来なければ気になるだろう。
「それで同性愛者って気が付いたんですか?」
「いや、16歳の時にアルバートがこれまたハンサムな男性と手を繋いでいるのをエミリーが見てしまったんだ。さすが私の息子だ……とは、あの時は思えなかった。その頃からだったよ。私たちがアルバートが同性愛者ではないのかと疑い出したのは」
——結果、アルバートは同性愛者だった
俯いて影を落とすジェームズの苦悶の表情は怒りにも見える。
昨日まで、自由な家族と思っていたミラー家のイメージが崩れる。それが当然の反応なのに、春人はなかなか受け入れられなかった。
そして嫌な予感がした。
やはりこの人たちは春人を受け入れてないのではと。
「あの……」
「ん?」
交差した恋人と同じ目からは否定の色は浮いていなかった。春人は開いた口を閉じた。
「続けてもいいかい? 最初、エミリーは落ち込んでね。彼がこの先どんな苦労に見舞われるか分からないと」
「苦労って例えば?」
きっとそれは春人も抱えている「社会的なもの」
しかし、異文化の家族は違った。
「自身との葛藤だ。子を成せない事にあの子が私たちに負い目を感じるのではと思っていた。そんな時だった、エミリーがラクサスを妊娠したのは。私は怖かった。子を成せない葛藤に苦しんでいるかもしれないアルバートに追い打ちをかけてしまったのではないかと。ずっとアルバートに怨まれていると思っていた」
あの苦悶の表情は同性愛者であるアルバートや、恋人の春人を受け入れられないことから出た物ではなかった。夫婦には夫婦の別の葛藤があったのだ。
その顔をどうにかしたくて春人は叫んでいた。
「そんなことないです!」
朝日が昇り始めた雄大な景色に声が吸い込まれていく。
「アルは、家族が大好きです! 2人の来日を知って今日まで本当に幸せそうな顔をしていました! だから、だから……」
見切り発射してしまった言葉は次の言葉を見つけることができずに繋がらない。
「だから……えっと、その……あっ! それに、アルバートには僕がいます! 子どもなんて問題ないくらい、僕らは愛し合ってますから! あああ、ごめんなさい! 僕何を言ってるんだ」
年配の人に向かって、しかも恋人の親に向かって何を言っているんだと我に返る。
いつもの様に猪突猛進で、「愛している」なんて豪語した事にも気が付き、一気に顔が朝日に朱色を重ねる。
「君は……」
偉そうなことを言って怒られるかもしれないと覚悟した。しかし……
「君は太陽みたいだね」
「え?」
いつかアルバートにも言われた単語に春人は無意識に自分の頬に触れた。
とても熱い。
「笑顔もだけど、性格も。君の全ては太陽のようだ」
太陽が街並みの奥から顔を全部出す。
それを見つめ、そしてそれに照らされたもう1つの太陽とジェームズは向き合った。
「昨日は夫婦揃って嬉しくてほとんど何も言えなかった。だから今言わせてほしい」
——春人、アルバートをよろしく頼むよ。
太陽は何度も燃え、そして笑う。
「はい!」
「ありがとう。ああ、すまないね。長々と昔話に付き合わせて。風邪をひいてはいけない、そろそろ戻ろうか。君が風邪をひいたら、アルバートに叱られてしまいそうだ。そうだ春人、もしアルバートがクリスマスをすっぽかす様な事があったら言ってくれ、その時は日本まで叱りに行こう!」
最後まで照れを隠すジョーク。だが、最初より柔らかくなったその顔は、さらにアルバートに近くなっていた。
館内に戻り、朝風呂に行くジェームズと廊下で別れる。しばらくその背中を見つめ春人も踵を返した。
部屋へ戻ると、アルバートは起きていた。
「おはよう」
「あっ、おはよう! お風呂行ってた!」
乾ききっていない春人の髪を撫でる。
「冷えているじゃないか」
「少し散歩しちゃったからね!」
「風邪をひくといけない、おいで」
アルバートがタオルで丁寧に拭く。その感触が心地よくて、春人は彼にもたれかかり身を任せていた。
「アル、好きだよ」
残念ながらその言葉は小さすぎて彼の耳に届くことはなかった。
そしてアルバートが「春人、実は……」と言って口を噤んだのにも、遮るタオルのせいで気づかなかった。
その後、阿蘇山の雄大な自然を満喫し、4人は福岡へ戻った。
「今度は大阪に行くんですか?」
「そうよ! 串カツを食べるの! 春人も連れて行きたいわ!」
保安検査場の前で別れを惜しむ様にエミリーに抱きしめられる。ジェームズとは硬く握手をし「頼むね」と囁かれた。
そして2人の飛行機が飛び立つのをテラスから眺めて本当にお別れが来る。
大きな機体が米粒より小さくなるまで見送る。
「行っちゃったね」
「元気そうでよかったよ」
「いい両親だね」
「尊敬する自慢の両親だよ」
(確かに、尊敬に値する人物だった。)
「ありがとう、紹介してくれて!」
「春人こそ、両親にあってくれてありがとう。それだけ君は私にとって特別なのだ……この先、何があっても君だけを愛していると誓えるくらい。私にとってこれは最後の恋だ。」
「もぉー、アルは大げさだなぁ! あっ、あの飛行機の模様可愛い!」
イギリス人のお得意の口説き文句だと思った。しかし違っていた。春人が「最後の恋」の意味を知るのはまだ半年以上も先。それを知らない男はフェンスに近寄り滑走路を見て羞恥心を分散させる。
——ガシャン
アルバートがフェンスを握りしめ、春人を閉じ込める。
「春人、本当に私は君を愛している」
フェンスよりも冷たく悲しい声。
「急にどうしたの?」
見上げた瞳に映るアルバートは逆さま。
その右からやってきた飛行機が飛行機雲を作っている。
プラチナブロンドの海に潜っていくそれは縁起が良い。なのに、胸騒ぎがする。
「アルバート?」
アルバートの様子がおかしい。「すまない」と何かに耐えるように言葉を発している。そして……
「私は、イギリスに帰らなければならない」
当然の事だ。アルバートは8月末に帰国する。それ以降の話からは今まで逃げていた。
「分かっているよ。あと3か月、もっとアルバートと思い出作るんだ。離れても寂しくないくらい!」
心配させないように笑顔を向ける。それでもアルバートの顔は晴れない。
しばらくの沈黙の後、潜った飛行機がプラチナブロンドから顔を出す。
「イギリスに帰らなければならないのだ」
「だから、知ってるよ!」
「……来週」
──えっ?
見開かれた漆黒の瞳にはアルバートが映っていたはずなのに、尾の切れた飛行機しか見えていなかった。
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