こいじまい。 -Ep.the British-

ベンジャミン・スミス

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第六章 Another Sky

第一話 最後の仕事

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 春人とジェームズが朝日の中で語らっている時間帯にその電話は来た。
 手探りでスマートフォンを探し、画面の名前に顔を引きしめる。
部屋を見渡すが春人の姿はなくその場で電話に出た。

「もしもし」
『アルバート、久しぶりだな、元気か?』
「元気だ。そっちは今、夜の9時か?」

電話の主はイギリスでの同期ビクトールだった。基本彼が電話をしてくる時は仕事の話だ。アルバート不在を賄ってくれている。

『仕事が終わんなくてね、まだ会社だよ』
「こんな時間まで珍しいな。何か不測の事態が?」
『それがさ、ちょっと今デカイ話が来ていて。日本のある工場と新たに提携が結べそうなんだ。で、日本語堪能な奴がいるらしくてよ』
「では、私が日本から商談を」
『いや、会社全体で動くらしい。成功すれば複数の工業関係チームと提携を結ぶ』
「そんな大きな話が来ているのか。資料をいつものアドレスに送ってもらえるかい? 離れているとはいえきちんと頭に入れておきたい。何かあれば私も動けるようにしておく」
『ああ。動いてもらう事になりそうだ。とりあえず、イギリスに帰って来い』

呼吸が止まりかけた。
しかし望みはある。それさえ済ませられれば……そんな淡い期待を抱いた。
『この件は上で話がもうついた。アルバート・ミラーは今週末で研修終了だ。来週までに研修報告書を仕上げイギリスへ戻ってくるように……だとよ。僕はきちんと伝えたぜ?』

言い方で上司からの命令をそのまま伝えたのが分かる。そしてもう決定事項で抗えない事も。
沈黙に対し、ビクトールが憐れんだ声を出す。

『研修に行っているから無理だと伝えたんだけど、上が既に研修切り上げの採決とってきちまったんだよ。「僕じゃ力不足ですかね?」って噛みついてみたが、上はアルバートに任せたいそうだ。愛されていて羨ましいよ』

必死のフォローも、アルバートには聞こえない。
 四回目の受話器越しのため息でようやく我に返った。

「そうか。わざわざ連絡ありがとう。」
『おう! じゃ、お前とまた仕事ができるのを楽しみにしているぜ!』

電話を切り、絶望で項垂れる。必死に頭で整理するも浮かんでくるのは「急な帰国」と「春人」の文字だけ。どうにか春人が部屋へ戻ってくるまでに平常心を取り戻さねばとペットボトルの水を一気に流し込む。
 そして整理がつかぬまま春人が戻ってきた。
髪の毛が濡れていて、今の表情を見られたくないと拭く事を建前に己を隠す。
 タオル越しに伝わる体温は心地が良い。

(こうやって触れるのもあと何回できるか……)

──結局急な帰国を伝えるまでに半日以上要した。

 滑走路を走る轟音にも負けず、心臓が爆音を短いリズムで慣らしている。それはとても重く、身体に圧をかけてくる。
 その重圧の中、春人からの返事を待った。
必死に笑顔になろうとするが、小さな身体は横に揺れ、頬は引きつっている。

「大丈夫だよ! 僕は、アルバートがいなくても大丈夫だから! ちょっと帰国が早くなっただけ」

春人から返ってきた答えは、別の寂しさを覚えるものだった。強がっているのが分かる。しかしそれに対してアルバートは慰める事ができる立場ではない。
今日何度目かの「すまない」を発する事しかできない。

「帰国手配をしなければならない。研修報告書も最終のものが必要だ。たしか私の要項に挟まっている。指導員欄には君からの研修経過の記載が必要だ」
「どこにあるの?」
「会社だ」
「今から取りに行く? 一緒に行くよ」
「いや、私が夜に君の所に持っていく。行ってもいいかい? 残り少ない時間を一緒に過ごしたい」
「……ごめん、夜は車を松田さんの所に持っていった後、飲みに行くんだ」
「そうか。では一緒に会社へ来てもらってもいいだろうか?」
「うん」

後日という単語は出ない。それはアルバートの帰国が本当に急を要している証拠。
そして春人が松田と用事があるのも嘘だった。この急な帰国に納得が行かず、今2人きりになれば何を言ってしまうか分からないから距離をとったのだ。

 最終の報告書を受け取り、春人は一人門司へと帰った。アルバートは「片付けるものがあるから」と会社に残り、2人の初めての旅行は終わった。

◇         ◇      ◇

 アルバートの帰国が決まり、福岡空港支社は張りつめていた。
朝は違和感程度だったが、夕方になるにつれそれは息苦しさを出し始める。緊張は伝染し、それを発する赤澤に近づくものはいない。

「ふう」

赤澤が深呼吸をしたことで皆身構える。
腕時計に視線を下ろし「そろそろイギリス人も目が覚めたか?」と言って受話器を上げた。
 そしてそこからは英語と日本語が入り混じった主義主張の応戦だった。それを遠くで見つめる社員は口々に話し出す。

「朝から凄かった原因ってあれ? 一体どうしたの?」
「なんか、イギリスの会社と人事の件で揉めているんだって」
「どうして?」
「研修満期じゃないのに、ミラーさんを本国に戻せって。しかも、こっちの相談なしに勝手に採決取ってきたんだって」
「それで赤澤さん、あんなに怒ってるの?」

女性社員の話の的になっている赤澤修一は受話器を握り直し、目元を痙攣させる。もう何度同じ言い訳を聞かされたか分からない。

「そっちの都合もあるかもしれないが、こちらにだって都合がある。勝手に採決をとられちゃ困る!」

相手側も、そこまで東亜日本貿易会社がアルバートに拘っているのかが理解できないでいた。たかが研修で、アルバートが帰国すれば業務は軽減される。
しかし赤澤は食いついた。「ミラーは戻せない!」「他に雇えないのか?!」と格闘すること30分、「分かった。帰国させる」と言って受話器を置いた。

「ちっ」

その態度から今回の研修切り上げを覆すことが出来なかったと皆悟る。それは隣で最終報告書を仕上げていたアルバートにも伝わった。
 そこへ何も知らない総務課の社員が近づく。

「赤澤さん、イギリスの会社から書類が来ています」

ピリピリしている赤澤と目が合い、恐る恐る封筒を渡す。
それをペーパーナイフで鋭利な刃物の様に開け、中の書類に目を通した。

「アルバート」

今回のもう1人の的であるアルバートが赤澤から書類を渡される。

「お前にだ。律儀に辞令まがいのもの送ってきやがって。消印いつだ? せめてその時に連絡してこいってんだ」

赤澤は同じく同封されていた研修切り上げの為の必要書類の一覧を見て「知ってるつーの。こんなところで丁寧さ出すんじゃねーよ」と悪態をつく。
そして、また受話器を握る。
再びイギリスの会社とのバトルが始まるのかと社員は身構えた。

「もしもし、福岡空港支社の赤澤だが……ちょうど良かった、村崎か。アルバートが急遽帰国することになった。……あっ? お前何で知ってんだ。……おう。分かった、そういう事ならまた連絡するわ」

今度はすんなりと終わった。
そして言いにくそうに赤澤がアルバートに声をかける。

「お前の指導員はついさっき最終報告書を出したそうだ。今、村崎が目を通してる」

小さく「そうか。彼は仕事が早いね」と他人事のようにアルバートは言う。その姿にやるせなさを感じた赤澤は、背中をたたいてやることしか出来なかった。

 もう誰もアルバートの帰国を止められない。

◇        ◇       ◇

 村崎は各部署、支社長の確認印を貰って戻ってきた書類を見てため息をついた。
この資料が最初手元に来たのは昨日の夕方。酷く目元を腫らした春人が「最終報告書です」と差し出した時には首を傾げてしまった。だが、事情を知り開いた口が塞がらなかった。そして同時に鳴る電話。
今度は怒りに満ちた声を放つ同期赤澤からだった。

(よくできた書類だ)

素直に部下をそう褒めることが出来なかった。
 それを皺が付かない力加減で握りしめ春人に声をかける。

「月嶋、今から第3会議室」
「はい!」

元気よく返事をする春人。目元はいつも通りで、元気もよい。だが事情を知っているからこそ分かる。
 春人の笑顔はこんなに弱くはない。

2人で第3会議室へ向かう。
扉を開けると、既に客が来ていた。

「すまない、待たせて」

そこには赤澤とアルバートがいた。
2人の目の前の長机には数枚の書類が並んでいる。

「こんにちは!」

いつもの倍、元気に挨拶をした春人に2人は怪訝な顔をしながら返事をした。
そして春人は並ぶ書類に目を落とし、アルバートとは目を合わせない。
 1枚、長机の上に書類が追加される。
それは春人が残業までして片付けた物。
手が何度止まりかけたかは覚えていない。恋人と離れる書類を一生懸命作成するという苦行は、目から雫を溢れさ翌日まで悲しみの熱は目に留まった。

「じゃ、今からチェックして入れてくわ」

並ぶ資料はアルバートの研修終了を完全なものにするもの。赤澤が端から順に確認しながら封筒に資料を入れていく。封筒の住所欄にはイギリスの住所が既に書いてあった。

赤澤が最後の資料——春人がアルバートの研修中の様子についてまとめた資料に手をつける。
封筒に資料が入っていく。
春人とアルバートにはその瞬間が視覚を共有しているかの様にスローモーションで映っていた。

——まるで、思い出が閉じ込めらているかのように見えた。

「よし、これで全部完了だ。月嶋もありがとうな」
「いえ、間に合ってよかったです!」

お礼を言う赤澤と、それに元気よく答える春人。その横では村崎とアルバートとが最後の挨拶を交わしていた。

「アルバートも、お疲れ様」
「短い間だったが、世話になった」

アルバートと村崎が握手をしている。
そしてその手が春人に伸びてくる。

「月嶋さんも、ありがとう」

意を決して春人はアルバートを見た。
その顔はいつもの彼。
クールな甘いマスクに誠実さを孕んだ端正な顔で、春人を指導員として見ていた。

(僕だけが好きみたいじゃん)

これが社会人として当然の対応なのに、余裕な表情は別離においても歳と経験の差を感じさせる。

(子どもだと思われたくない)

不器用に笑顔を作り、「こちらこそありがとうございました」と声を振り絞った。そして差し出された手を握る。
 それでも押し寄せる悲しみは、容量を超え、涙が渋滞して涙腺から溢れる事はなかった。

しかし傍から見れば唇を噛みしめている春人の姿に赤澤が髪をガシガシと掻く。

「月嶋、資料の同封に立ち会ってもらっただけだから、仕事に戻っていいぞ」

離れて行く恋人たちの肌。
意図も簡単に解放された握手に春人の心は再び亀裂を生じさせる。

「はい! お疲れ様でした!」

来た時より元気に挨拶をして、春人は会議室をあとにした。
扉を閉めた瞬間、我慢していたものが一気に溢れ出る。顔を伏せ慌ててトイレに駆け込み、間髪入れずに目から大粒の涙が零れる。
今度は塞ぐものは何もない。
もうこのまま身体の水分を全て出しきって楽になりたいとすら思った。

涙が止まらない。

「うっ……うっ、ひっく。」

個室で蹲り、必死に嗚咽を我慢しようとする。
 そして痺れ始めた脳が個室にいる子どもに囁く。

(寂しさを隠さなきゃ……きっと離れているのに迷惑をかけたら駄目になってしまう気がする)

本音を閉ざし、「仕事しよ」と呟きながら立ち上がる。
 トイレをでた春人は生気のない目をしながら仕事への情熱を燃やした。
この矛盾が何をもたらすかも分からずに。

 一方、春人が出て行った第3会議室では、赤澤がドカッと大股を開いて椅子に座っていた。
 そこに同期の困惑した声が振りかかる。

「どうにかならなかったのか?」
「お前、俺がどんだけ粘ったと思ってる」

目じりを吊り上げて村崎を見上げるその表情は顔色が悪い。

「悪かったよ」

頬杖をつく赤澤の肩を叩き、アルバートに視線を移す。

「アルバートは、いいのか?」
「納得はできないが、採決を既に取られていてはね」

肩を竦める大きな身体は、話を逸らすための動作に見える。そのせいで「つ」と開いた口を村崎は閉じた。
そしてそれに被せる様に赤澤の疲弊した声が愚痴をまき散らす。

「お前の会社はどうなってるんだよ。日本語できるやつ増やしとけ。今回のだって通訳でもなんでも雇えばいいだろ」
「今回の商談は急を要する。一分一秒を争う中、社員を増やす時間も、そしてその人物と信頼関係を築く時間も無かったのだろう。」

団結力とスピードが求められる大きな仕事。一朝一夕のチームワークでは意味をなさない。それに納得してしまった赤澤は天を仰いだ。

「確かに、お前を帰国させた方が早いな。確実なものになるだろ。俺でもそうする」
「その割に電話で渋っていたな。気を使わせて申し訳ない」
「うるせー。あれは俺のキャリアに傷をつけられたくないからだよ。さてさて帰るとするか。まだ仕事が残っているからな」

だるそうに立ち上がる赤澤。村崎が「下まで送るよ」と言い、3人で会社のロビーへ向かう。

村崎はアルバートと再びそして最後の握手をする。

「元気でな。日本を発つのはいつだ?」
「木曜日の昼だ」
「平日か、見送りに行ってやれなくて残念だ」
「ありがとう。気持ちだけで十分だ」
「それと……」
「ん?」

春人の事で何か言おうと思ったが、言いたい事が出てこない。

「いや、何もない。気を付けて。」
「ああ、ありがとう。」

もう見る事もないであろう彼の背中が見えなくなるまで村崎は見送った。
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