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第六章 Another Sky
第五話 電話の向こうは違う空
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帰宅した時には既に一時を回っていた。シャワーを済ませ、ベッドに潜り込む。
「まだアルバートは仕事中だ」と言い聞かせながらスマートフォンを見る。
期待を無理矢理殺した胸が飛び跳ねる。
「アル……」
飲みに行く前に返したメッセージに返信が来ていた。いつもなら翌日の朝に来ていればいい方だったのに。
嬉しくて直ぐに返信をする。するとまたすぐに返事が来た。そしてそれを受信した直後、春人のスマートフォンが震えだす。
ブー、ブー、ブー
ディスプレイには勿論恋人の名前。仕事中なのにどうして、と疑問を持つ前に春人は電話に出た。
「……」
声が出ない。すると先に『もしもし?』と聞こえ、喉から声ではなく想いが溢れ出そうになった。
『もしもし?』
「……アルバート?」
『そうだよ。ああ、久しぶりの春人の声だ。堪らないよ。さっきまで会議室で酷使した耳が癒されていくようだ』
「仕事中だったの?」
『大丈夫。もう終わった……全部片がついたよ。無事に契約を済ませた』
「おめでとう! アルバート大活躍だった?」
『それはどうかな。部下たちがしっかり動いてくれたおかげかな』
「部下?」
春人の中ではアルバートに似つかわしくない単語だった。それはどうしても彼は「研修生」だというイメージが強いから。
「アルバートってそっちで何をしているの?」
『入社当時は市場調査の担当だった。と言ってもあの時は東南アジアを主に担当していた。その後、税金関係の担当を経て、日本への進出を機に、東アジアの担当部署に移った。そこで日本語の能力を活かして日本チームの主任になったよ。あの頃は大変だった。しかし、そのおかげで、今は東アジアの部署から独立して日本用の部署までできた』
とんでもない経歴だった。
正直「研修生」などと呼べない。
「それってアルバートが日本の部署を立ち上げたに等しいよね?」
『そうなるのだろうか……だが、進出の案が出た時から携わってはいる』
「ちなみにその案は誰が出したの?」
『私だ』
「やっぱり! もう凄い人じゃんアルバート! 佐久間さんといいアルバートといい、どうして謙遜ばっかするのかな!」
『サクマさん?』
「ほら、前に化学事業部に来るって言われてた営業の人」
『……ああ、前に福岡空港支社に来た彼か。そうだったな佐久間という名前だった。若い青年だったね。君より少し上かな?』
「今年で29だって」
『思った以上に上だったようだ』
「今日、佐久間さんとご飯食べに行ったんだ」
『ど……どうだった?』
珍しくどもったアルバート。
やはり疲れているのかと心配になる。
「話しやすかったよ。僕ならいつの間にか契約しちゃいそう!」
『そうか……ふう』
「? 煙草吸ってるの?」
『ああ喫煙室にいる。仕事も片付いて、君の声も聴けて、至極の1本だ』
「赤いやつ?」
『いや、イギリスのを吸っているから違うよ』
無性に寂しくなる。しかし、今日嗅いだあの匂いがしてくるようだった。
(まただ……)
今度は実物もないのに下半身が疼きだす。
『春人?』
(こんなに沢山話したのだって久しぶりだから、声でも興奮しちゃう)
春人はスウェットのゴムを伸ばしたり縮めたりと遊ばせている手を中に滑り込ませた。
「?!」
完全に勃起している。
そこをゆっくり上に扱く。
「……ッ!」
『春人?』
声は聞こえないのにゴソゴソ言わせる春人にアルバートが怪訝そうな声を出した。
「な、何?」
『君の方こそ疲れているのでは?』
「そんなこと……ッ、ないよッ」
『それならいいのだが。』
「アルこそ、本当に……お疲れ様。これからは……少しは……楽になる?」
『それが次の仕事が舞い込んでいて、明日からまた忙しくなる。だから今日しかこんなにゆっくり電話をする機会がない』
「じゃ、大切にしなきゃね」
『君がいいならもう少しだけ。長めの休憩時間を貰っているから』
大切などいう男の手は先走りで濡れている。衣服を身に纏っていなければ卑猥な音が電話越しに伝わるほどだった。
「……」
『大丈夫かい? 体調が悪いのか?』
「えっ?あっ、いや。違う! 大丈夫!」
『それならいいが』
「う、うん、んふッ」
返事をするだけで話題の提供は出来ない。
この状態が長く続けば確実に怪しまれる。
春人は手の動きを速めた。
『……もし私が君に会いに行ったら何がしたい?』
「へっ? えーと……えッ、と……」
『Make love?』
「?!」
低い声で性行為のお誘い。
春人の背筋がピンと張り、ゾクゾクさせながら力が抜けていく。しかし射精は持ちこたえる。
「英語……分かんない」
『嘘はいけないな。知っているだろ?』
知っているどころの話ではない。
春人は、アルバートの行為中に漏れる英語にいつも興奮していた。「愛している」でさえ淫語に聞こえてしまう甘い彼の声、それは日本語が出ない程、余裕がない表れで堪らなくなる。
『したい?』
「……したい」
『やっぱり伝わっているじゃないか。嘘つきにはあった時にたっぷりお仕置しないといけないな』
悪戯な声と煙草の煙を吐き出す音すら耽美だ。
『君が嫌というまで激しく気持ちのいいところを刺激しようか? それとも、自分で腰を振る?』
アルバートのお仕置を想像して、春人の性器が震えだす。
『その溶けた顔にキスをして、胸の蕾まで舌を這わそうか? いや、その前に首筋に寄り道をしよう。焦らずじっくりとね』
「……んふッ」
『感じている時の君の締まり具合は最高だ。私のを離したくないのかとても締めつけてくる。ヒクヒクと求めてきて、春人の中も欲しがりさんになったものだ。もちろん最後は中に私のを注いであげるよ』
興奮している春人の性器がドクンッと脈打つ。
(やばい、で、でちゃうッ)
「……」
『……』
「……ンッ!」
『……春人』
「?!」
囁く様に名前を呼ばれ、その瞬間全てが溢れ出た。
「……ッ」
『……本当に大丈夫かい?』
心配するアルバートの声に達したばかりの春人は必死に言葉を探した。
「アルの変態……」
自分の事は棚に上げてアルバートのお仕置を咎める。
『嫌だった?』
「……嫌じゃない。日本に来たら、してほしいかも」
『君もよっぽどだな』
「アルほどじゃないよ」
『どうかな。おっと、すまないそろそろ戻るよ』
「……うん」
幸せな時間が終わる。
切り難い、だが切らねば仕事に支障が出る。
「また電話しようね」と約束をして久しぶりの声は聞こえなくなった。
電話を切った瞬間、先ほどまで温かかった下着の中で放たれた欲が冷たく感じる。
「着替えなきゃ」
下着を洗う時、いつも以上の虚しさが春人を襲った。
*
電話を切り、最後に深く煙草をふかして煙を吐き出す。
「変態ね……君には負けるよ。あえてバレているのを伝えて恥ずかしがる声を聞くのもありだったかな」
頬を掻きながら、苦笑いをする。
受話器越しの春人が何をしていたかは完璧に伝わっていた。
想像のお仕置は、上手く彼の自慰を手伝った。しかし、その姿を直接見たいのも事実。
嬉しそうに細くなっていた目、その間に皺ができる。
「……佐久間さん」
アルバートは最初、それが誰か分からなかったが、春人の会話で思い出した。
まだ、帰国が決まる前に福岡空港支社にやって来た化学事業部の営業だ。
春人より少し背が高く、身なりをきちんと整えた彼の仕事に向ける姿勢には賛辞を送りたくなった。
だが、それは他人だからだ。
(仕事のよくできる人間だろう。だが、部下にはしたくないタイプだ。私には扱いづらい部類の人だった)
直感でそう感じた。
『今日、佐久間さんとご飯を食べに行ったんだ』
春人の声がこだまする。
あの時、アルバートが返した言葉は「どうだった?」だった。
しかし本当は……
(どうして……彼と食事に……)
春人のプライベートに干渉をするつもりはない。だが、しばらくインテリア事業部に在籍していたから分かる。他部署同士で食事をすることはほとんどない、ましてや歳も近いとは言えない——なのに、どうして。
不安が拭えないアルバートが灰皿に煙草を押し付ける。
吸い殻の擦れる音が不吉に聞こえる。
(もし、期待の新人と呼ばれた春人を調べるために誘ったなら問題ない。あの仕事熱心な佐久間さんなら十分あり得る。だが、もし別の目的なら……)
先端が黒くなった吸い殻に下ろしていた視線を上げる。
喫煙室の窓から見える空は明るい。しかし日本は真っ暗。
この埋められない距離がどんどんアルバートの不安を仰ぐ。
「気にし過ぎか。遠距離というのは本当にいけないな」
遠距離の辛さ、寂しさを残し喫煙室をあとにした。
「まだアルバートは仕事中だ」と言い聞かせながらスマートフォンを見る。
期待を無理矢理殺した胸が飛び跳ねる。
「アル……」
飲みに行く前に返したメッセージに返信が来ていた。いつもなら翌日の朝に来ていればいい方だったのに。
嬉しくて直ぐに返信をする。するとまたすぐに返事が来た。そしてそれを受信した直後、春人のスマートフォンが震えだす。
ブー、ブー、ブー
ディスプレイには勿論恋人の名前。仕事中なのにどうして、と疑問を持つ前に春人は電話に出た。
「……」
声が出ない。すると先に『もしもし?』と聞こえ、喉から声ではなく想いが溢れ出そうになった。
『もしもし?』
「……アルバート?」
『そうだよ。ああ、久しぶりの春人の声だ。堪らないよ。さっきまで会議室で酷使した耳が癒されていくようだ』
「仕事中だったの?」
『大丈夫。もう終わった……全部片がついたよ。無事に契約を済ませた』
「おめでとう! アルバート大活躍だった?」
『それはどうかな。部下たちがしっかり動いてくれたおかげかな』
「部下?」
春人の中ではアルバートに似つかわしくない単語だった。それはどうしても彼は「研修生」だというイメージが強いから。
「アルバートってそっちで何をしているの?」
『入社当時は市場調査の担当だった。と言ってもあの時は東南アジアを主に担当していた。その後、税金関係の担当を経て、日本への進出を機に、東アジアの担当部署に移った。そこで日本語の能力を活かして日本チームの主任になったよ。あの頃は大変だった。しかし、そのおかげで、今は東アジアの部署から独立して日本用の部署までできた』
とんでもない経歴だった。
正直「研修生」などと呼べない。
「それってアルバートが日本の部署を立ち上げたに等しいよね?」
『そうなるのだろうか……だが、進出の案が出た時から携わってはいる』
「ちなみにその案は誰が出したの?」
『私だ』
「やっぱり! もう凄い人じゃんアルバート! 佐久間さんといいアルバートといい、どうして謙遜ばっかするのかな!」
『サクマさん?』
「ほら、前に化学事業部に来るって言われてた営業の人」
『……ああ、前に福岡空港支社に来た彼か。そうだったな佐久間という名前だった。若い青年だったね。君より少し上かな?』
「今年で29だって」
『思った以上に上だったようだ』
「今日、佐久間さんとご飯食べに行ったんだ」
『ど……どうだった?』
珍しくどもったアルバート。
やはり疲れているのかと心配になる。
「話しやすかったよ。僕ならいつの間にか契約しちゃいそう!」
『そうか……ふう』
「? 煙草吸ってるの?」
『ああ喫煙室にいる。仕事も片付いて、君の声も聴けて、至極の1本だ』
「赤いやつ?」
『いや、イギリスのを吸っているから違うよ』
無性に寂しくなる。しかし、今日嗅いだあの匂いがしてくるようだった。
(まただ……)
今度は実物もないのに下半身が疼きだす。
『春人?』
(こんなに沢山話したのだって久しぶりだから、声でも興奮しちゃう)
春人はスウェットのゴムを伸ばしたり縮めたりと遊ばせている手を中に滑り込ませた。
「?!」
完全に勃起している。
そこをゆっくり上に扱く。
「……ッ!」
『春人?』
声は聞こえないのにゴソゴソ言わせる春人にアルバートが怪訝そうな声を出した。
「な、何?」
『君の方こそ疲れているのでは?』
「そんなこと……ッ、ないよッ」
『それならいいのだが。』
「アルこそ、本当に……お疲れ様。これからは……少しは……楽になる?」
『それが次の仕事が舞い込んでいて、明日からまた忙しくなる。だから今日しかこんなにゆっくり電話をする機会がない』
「じゃ、大切にしなきゃね」
『君がいいならもう少しだけ。長めの休憩時間を貰っているから』
大切などいう男の手は先走りで濡れている。衣服を身に纏っていなければ卑猥な音が電話越しに伝わるほどだった。
「……」
『大丈夫かい? 体調が悪いのか?』
「えっ?あっ、いや。違う! 大丈夫!」
『それならいいが』
「う、うん、んふッ」
返事をするだけで話題の提供は出来ない。
この状態が長く続けば確実に怪しまれる。
春人は手の動きを速めた。
『……もし私が君に会いに行ったら何がしたい?』
「へっ? えーと……えッ、と……」
『Make love?』
「?!」
低い声で性行為のお誘い。
春人の背筋がピンと張り、ゾクゾクさせながら力が抜けていく。しかし射精は持ちこたえる。
「英語……分かんない」
『嘘はいけないな。知っているだろ?』
知っているどころの話ではない。
春人は、アルバートの行為中に漏れる英語にいつも興奮していた。「愛している」でさえ淫語に聞こえてしまう甘い彼の声、それは日本語が出ない程、余裕がない表れで堪らなくなる。
『したい?』
「……したい」
『やっぱり伝わっているじゃないか。嘘つきにはあった時にたっぷりお仕置しないといけないな』
悪戯な声と煙草の煙を吐き出す音すら耽美だ。
『君が嫌というまで激しく気持ちのいいところを刺激しようか? それとも、自分で腰を振る?』
アルバートのお仕置を想像して、春人の性器が震えだす。
『その溶けた顔にキスをして、胸の蕾まで舌を這わそうか? いや、その前に首筋に寄り道をしよう。焦らずじっくりとね』
「……んふッ」
『感じている時の君の締まり具合は最高だ。私のを離したくないのかとても締めつけてくる。ヒクヒクと求めてきて、春人の中も欲しがりさんになったものだ。もちろん最後は中に私のを注いであげるよ』
興奮している春人の性器がドクンッと脈打つ。
(やばい、で、でちゃうッ)
「……」
『……』
「……ンッ!」
『……春人』
「?!」
囁く様に名前を呼ばれ、その瞬間全てが溢れ出た。
「……ッ」
『……本当に大丈夫かい?』
心配するアルバートの声に達したばかりの春人は必死に言葉を探した。
「アルの変態……」
自分の事は棚に上げてアルバートのお仕置を咎める。
『嫌だった?』
「……嫌じゃない。日本に来たら、してほしいかも」
『君もよっぽどだな』
「アルほどじゃないよ」
『どうかな。おっと、すまないそろそろ戻るよ』
「……うん」
幸せな時間が終わる。
切り難い、だが切らねば仕事に支障が出る。
「また電話しようね」と約束をして久しぶりの声は聞こえなくなった。
電話を切った瞬間、先ほどまで温かかった下着の中で放たれた欲が冷たく感じる。
「着替えなきゃ」
下着を洗う時、いつも以上の虚しさが春人を襲った。
*
電話を切り、最後に深く煙草をふかして煙を吐き出す。
「変態ね……君には負けるよ。あえてバレているのを伝えて恥ずかしがる声を聞くのもありだったかな」
頬を掻きながら、苦笑いをする。
受話器越しの春人が何をしていたかは完璧に伝わっていた。
想像のお仕置は、上手く彼の自慰を手伝った。しかし、その姿を直接見たいのも事実。
嬉しそうに細くなっていた目、その間に皺ができる。
「……佐久間さん」
アルバートは最初、それが誰か分からなかったが、春人の会話で思い出した。
まだ、帰国が決まる前に福岡空港支社にやって来た化学事業部の営業だ。
春人より少し背が高く、身なりをきちんと整えた彼の仕事に向ける姿勢には賛辞を送りたくなった。
だが、それは他人だからだ。
(仕事のよくできる人間だろう。だが、部下にはしたくないタイプだ。私には扱いづらい部類の人だった)
直感でそう感じた。
『今日、佐久間さんとご飯を食べに行ったんだ』
春人の声がこだまする。
あの時、アルバートが返した言葉は「どうだった?」だった。
しかし本当は……
(どうして……彼と食事に……)
春人のプライベートに干渉をするつもりはない。だが、しばらくインテリア事業部に在籍していたから分かる。他部署同士で食事をすることはほとんどない、ましてや歳も近いとは言えない——なのに、どうして。
不安が拭えないアルバートが灰皿に煙草を押し付ける。
吸い殻の擦れる音が不吉に聞こえる。
(もし、期待の新人と呼ばれた春人を調べるために誘ったなら問題ない。あの仕事熱心な佐久間さんなら十分あり得る。だが、もし別の目的なら……)
先端が黒くなった吸い殻に下ろしていた視線を上げる。
喫煙室の窓から見える空は明るい。しかし日本は真っ暗。
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