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第七章 Break Time
第五話 燃える背中
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幸せな時間はあっという間に過ぎ去る。
とうとうアルバートが帰国する日になってしまった。
「行ってきます」
盆休みも明け、出社する一日目の声はか細い。それは休日明けの憂鬱ではなく、今日の夜にはアルバートがいなくなってしまうから。
「行ってらっしゃい。見送りは無理をしなくていい。もし間に合わなければ、家の鍵は会社まで届けよう」
「お見送りする! だから家で待ってて」
最後の弁当が入った紙袋を引っ掴み、扉のノブに手をかける。
「こら。行ってきますのキスがまだだよ」
後ろから抱きしめられ、顎に回された手が無理矢理後ろを振り向かせる。
「んッ……行ってきます」
いつもより深いキスをして春人は出社した。
出社後、しばらくして腕時計を見ると、もう昼を回っていた。
(こんな時だけ時間が進むのが早い)
今日だけではない。ここ2週間は時間の流れが早かった。遠距離の時はあんなに長かった夜も一瞬で短い真夏の夜へと変わってしまっっていた。
——それも今日で終わり。
真っ白な白米に豪華なおかずたちをいつも以上に噛みしめ、仕事中も時折家にいるアルバートの事を思い、もう一度時計を見ると結構な時間になっていて、慌ててデスクの上の仕事を片付けた。
早めに進めておいて仕事たちは、ここ最近の定時ピッタリの退社のお陰で周りの社員と同じラインに立った。だが明日からはまた目にもとまらぬスタートダッシュをし、回りを引き離す勢いで仕事に打ち込む日々に戻る。
他の事に目が行かないように前だけを見て……
「お先に失礼します」
明日から始まる地獄に備え、なるべく仕事に集中できる環境にデスクを整え退社する。
駆け足で下りた1階ロビー。前から見知った先輩が手で顔を仰ぎながら春人に笑顔を向けていた。
「あれ? 帰るの?」
「佐久間さん、お疲れ様です。出張ですか?」
「うん。ちょっと営業関係で。まだミラーさんいるんだ」
「今日で最後なんですけどね」
「そっか。ちゃんと「寂しい」って伝えられた?」
首を横に振る春人。
「言いません。やっぱり駄目になりそうで。言っても仕方のない事だし、変に重荷になる事だけは避けます」
「月嶋君がそう決めたなら、いいんじゃないかな。あっ、最後なら早く帰らないとね。もしかすると、今度会えるのは数年先とかになるかもしれないんだから」
「数年先……」
「そんなに落ち込まないで。案外、早くて1年先かもよ? サマーバケーションは来年もあるんだし。日本人は海外旅行に行けるだけの休みは取りにくいけど、ミラーさんなら来てくれるよ」
必死に春人を励まそうとしてくれる佐久間の口角は上がるのを抑えている。それを月嶋から隠すようにして、耳に近づける。
「寂しくなったら、またご飯に行こう。今はほら、早く帰らないと!」
肩を2回叩き、腕時計を春人の前にかざす。
「やばい! 失礼します佐久間さん!」
「お疲れ様!」
手を振る佐久間に見送られ、春人は猛ダッシュで家まで帰った。
家路を行く間も、春人の脳内では言えない言葉達が錯綜し、反響していた。
「行かないで」「寂しい」「次はいつ会えるの」「僕の事嫌いにならないで」
どの言葉も、今から遠距離恋愛に戻る恋人には重すぎる。そしてそれを受け止められなくなった時、異国の地なら逃げるのは簡単だ。
もし、アルバートが自分に愛想を尽かせてしまったら、もう日本には来てくれないのではないか。
春人自身は仕事があり、イギリスに行くほどの時間が取れない。電話やメールでは関係の修復は望めない。一番便利なツールは相手の心情を確実につかめず、拒否をする事も出来る、便利なようで一方通行の手段だ。
だから、顔を合わせている今こそ何かを言わなければならないのに……
——最後の言葉が見つからない。
そのまま帰宅し、勢いよく玄関を開けた春人。その様子に驚いたアルバートはリビングで読書をしていて、横には大きなトランク。
分かりきっていた光景に足元が崩れ落ちる感覚に見舞われる。ヨタヨタと覚束ない足取りで近寄ると、アルバートは半分腰を上げ、春人を抱きしめた。
そして春人は全体重をかけアルバートをベッドに押し倒す。
(僕は、何がしたいんだ)
不安の昇華の仕方が分からずとった行動は逆に不自然で、アルバートの不安も煽る。
「何か言われた?」
ビクッと震える春人の肩に、アルバートは出かけた溜息を押し殺し、心の中でまいったなと呟いた。
(佐久間さんだな……)
休暇明け初日に彼が何もして来ないわけがない。それを危惧して送り出し、帰宅すれば予想通り、酷い顔をした春人のおかしな行動。
腰に手を回し、春人をベッドに沈める。固まっていた身体は、まだ硬直していて、アルバートが春人のシャツの釦に手をかけた事で、ようやく息を吹き返す。
「待って。飛行機の時間が……」
「まだ、大丈夫だ」
「やってる時間ないよ?」
「やるわけじゃない」
肩からするりとシャツが下ろされ、一日の疲れを纏った生地に更に皺ができる。それは腰辺りで止まり、中途半端に露わになった上半身。
全てを脱ぐ時間も勿体ないとでも言いたげに晒された裸体にアルバートの舌が這う。
「んんっ!」
仰け反った春人をうつ伏せにし、今度は背中を襲う。
「背中、よわ……ああんッ! 弱いから、だ……めッ!」
昨夜の情事の形跡が消えたシーツの上で身をよじる春人。
アルバートはそんな春人を押さえつける様に腰から下半分を隠しているシャツの襟を掴み無理矢理下ろす。
その際、突き立てた人差し指の腹を背筋に這わせ「ああッ」と抵抗していた身体を脱力させる。
まだ触れられていない腰下から臀部の割れ目辺りに何度も吸い付く。
「動け……ないッ、あんッ! ひうう……だめ……そこは……キスしないで……」
袖に通されたままの腕は白い布の手錠によって動かすことができない。
「愛しているよ」
キスばかりしていたそこが愛を紡ぎ出す。
何度も、何度も……そして吐息が混ざり始め、キスと愛の言霊と熱で春人の脳内は溶けだす。
「ふあ……ッああ、ん、んん……ああぁんッ」
性感帯を襲う刺激は治まる気配がない。それなのに下半身には全く手が伸びてこない。
身体の交わりを望んでいるようで、時間のせいで望めない行為。
心に押し寄せる寂しさのように何度も春人を襲った。
背中に伝わる熱が存在を示してくれているのに、アルバートの表情は見えない。それが顔も熱も感じる事の出来ない遠距離の前触れに捉えられ、春人を悲しみのどん底へと落としていく。
それでも「愛している」という言葉にほだされ、唇の愛撫を拒むことが出来ない。これを拒めば、嫌われるかもしれない。春人は愛と不安を交互に受け入れ続けた。
(どこにも行かないでアルバート)
……そう願いながら。
——チュッ。
「君だけを愛している。これだけは絶対に忘れないでほしい」
今までで一番強く背中と首の境目に吸い付き、アルバートの愛撫は終わった。
そしてすばやく春人の服を整え、玄関まで手を繋いで歩く。外へ出れば名残惜しそうに離れていき、まだ明るい空の下、2人は別れの場所まで向かった。
空港に着いた時には搭乗手続きの締め切り間際だった。急いで済ませ、この前と同じく、外国風の挨拶をしていると見せかけ、アルバートは春人の唇を掠める。
そして……
「行ってらっしゃい!」
「行ってきます」
と前と同じ挨拶をした。
保安検査場の奥へ消えるまでその場に立ち尽くす。
(行っちゃった……)
結局春人は本音を言えず、あのテラスで空を見上げ、時間を逆走する恋人を見送った。
*
機体がゆっくりと動き出す。幸いにも建物に面した窓側で、テラスが見える。
闇が迫る空の元でははっきりと誰がいるかまでは見えない。しかし、白いシャツだけが浮かび上がっていて、誰かいる事だけは分かる。
(春人だろうか)
そう信じずっと見つめていると、機体が速度を増し、あっという間に前を通りすぎた。浮遊感が身体を不思議な感覚にし、自分から夜の空へと飛びこむ。
福岡の夜景が雲で見えなくなり、ようやく帰国の現実が沸き、座席に身を沈める。
(やられた……)
目頭を押さえる。
春人が誰に何を言われたのか、彼は最後まで言わなかった。
聞いたとしても帰国が迫るこの短時間で、それを解消するだけの余裕もなかった。
だからせめて春人には……
——声と身体で、どれほど愛しているかを伝えた。
そして春人の背後から迫りくるもう一人の男には……
——春人が誰の者か背中に刻み込んだ。
(いつのまにか独占欲の強い人間になってしまったものだ)
捕られたくない気持ちと、年上が故のプライドが引き起こした空回りな——独占欲の不器用な表現方法。
アルバートにとってこのような気持ちは初めてで、自分のしている事に正当性と効果が明確に見えていない。
それはされた本人も同じ。
(きっと、春人には伝わっていないだろう)
春人がアルバートの背中の愛撫の意味に気が付くのは、既に遠い異国の地に降り立った時だった。
とうとうアルバートが帰国する日になってしまった。
「行ってきます」
盆休みも明け、出社する一日目の声はか細い。それは休日明けの憂鬱ではなく、今日の夜にはアルバートがいなくなってしまうから。
「行ってらっしゃい。見送りは無理をしなくていい。もし間に合わなければ、家の鍵は会社まで届けよう」
「お見送りする! だから家で待ってて」
最後の弁当が入った紙袋を引っ掴み、扉のノブに手をかける。
「こら。行ってきますのキスがまだだよ」
後ろから抱きしめられ、顎に回された手が無理矢理後ろを振り向かせる。
「んッ……行ってきます」
いつもより深いキスをして春人は出社した。
出社後、しばらくして腕時計を見ると、もう昼を回っていた。
(こんな時だけ時間が進むのが早い)
今日だけではない。ここ2週間は時間の流れが早かった。遠距離の時はあんなに長かった夜も一瞬で短い真夏の夜へと変わってしまっっていた。
——それも今日で終わり。
真っ白な白米に豪華なおかずたちをいつも以上に噛みしめ、仕事中も時折家にいるアルバートの事を思い、もう一度時計を見ると結構な時間になっていて、慌ててデスクの上の仕事を片付けた。
早めに進めておいて仕事たちは、ここ最近の定時ピッタリの退社のお陰で周りの社員と同じラインに立った。だが明日からはまた目にもとまらぬスタートダッシュをし、回りを引き離す勢いで仕事に打ち込む日々に戻る。
他の事に目が行かないように前だけを見て……
「お先に失礼します」
明日から始まる地獄に備え、なるべく仕事に集中できる環境にデスクを整え退社する。
駆け足で下りた1階ロビー。前から見知った先輩が手で顔を仰ぎながら春人に笑顔を向けていた。
「あれ? 帰るの?」
「佐久間さん、お疲れ様です。出張ですか?」
「うん。ちょっと営業関係で。まだミラーさんいるんだ」
「今日で最後なんですけどね」
「そっか。ちゃんと「寂しい」って伝えられた?」
首を横に振る春人。
「言いません。やっぱり駄目になりそうで。言っても仕方のない事だし、変に重荷になる事だけは避けます」
「月嶋君がそう決めたなら、いいんじゃないかな。あっ、最後なら早く帰らないとね。もしかすると、今度会えるのは数年先とかになるかもしれないんだから」
「数年先……」
「そんなに落ち込まないで。案外、早くて1年先かもよ? サマーバケーションは来年もあるんだし。日本人は海外旅行に行けるだけの休みは取りにくいけど、ミラーさんなら来てくれるよ」
必死に春人を励まそうとしてくれる佐久間の口角は上がるのを抑えている。それを月嶋から隠すようにして、耳に近づける。
「寂しくなったら、またご飯に行こう。今はほら、早く帰らないと!」
肩を2回叩き、腕時計を春人の前にかざす。
「やばい! 失礼します佐久間さん!」
「お疲れ様!」
手を振る佐久間に見送られ、春人は猛ダッシュで家まで帰った。
家路を行く間も、春人の脳内では言えない言葉達が錯綜し、反響していた。
「行かないで」「寂しい」「次はいつ会えるの」「僕の事嫌いにならないで」
どの言葉も、今から遠距離恋愛に戻る恋人には重すぎる。そしてそれを受け止められなくなった時、異国の地なら逃げるのは簡単だ。
もし、アルバートが自分に愛想を尽かせてしまったら、もう日本には来てくれないのではないか。
春人自身は仕事があり、イギリスに行くほどの時間が取れない。電話やメールでは関係の修復は望めない。一番便利なツールは相手の心情を確実につかめず、拒否をする事も出来る、便利なようで一方通行の手段だ。
だから、顔を合わせている今こそ何かを言わなければならないのに……
——最後の言葉が見つからない。
そのまま帰宅し、勢いよく玄関を開けた春人。その様子に驚いたアルバートはリビングで読書をしていて、横には大きなトランク。
分かりきっていた光景に足元が崩れ落ちる感覚に見舞われる。ヨタヨタと覚束ない足取りで近寄ると、アルバートは半分腰を上げ、春人を抱きしめた。
そして春人は全体重をかけアルバートをベッドに押し倒す。
(僕は、何がしたいんだ)
不安の昇華の仕方が分からずとった行動は逆に不自然で、アルバートの不安も煽る。
「何か言われた?」
ビクッと震える春人の肩に、アルバートは出かけた溜息を押し殺し、心の中でまいったなと呟いた。
(佐久間さんだな……)
休暇明け初日に彼が何もして来ないわけがない。それを危惧して送り出し、帰宅すれば予想通り、酷い顔をした春人のおかしな行動。
腰に手を回し、春人をベッドに沈める。固まっていた身体は、まだ硬直していて、アルバートが春人のシャツの釦に手をかけた事で、ようやく息を吹き返す。
「待って。飛行機の時間が……」
「まだ、大丈夫だ」
「やってる時間ないよ?」
「やるわけじゃない」
肩からするりとシャツが下ろされ、一日の疲れを纏った生地に更に皺ができる。それは腰辺りで止まり、中途半端に露わになった上半身。
全てを脱ぐ時間も勿体ないとでも言いたげに晒された裸体にアルバートの舌が這う。
「んんっ!」
仰け反った春人をうつ伏せにし、今度は背中を襲う。
「背中、よわ……ああんッ! 弱いから、だ……めッ!」
昨夜の情事の形跡が消えたシーツの上で身をよじる春人。
アルバートはそんな春人を押さえつける様に腰から下半分を隠しているシャツの襟を掴み無理矢理下ろす。
その際、突き立てた人差し指の腹を背筋に這わせ「ああッ」と抵抗していた身体を脱力させる。
まだ触れられていない腰下から臀部の割れ目辺りに何度も吸い付く。
「動け……ないッ、あんッ! ひうう……だめ……そこは……キスしないで……」
袖に通されたままの腕は白い布の手錠によって動かすことができない。
「愛しているよ」
キスばかりしていたそこが愛を紡ぎ出す。
何度も、何度も……そして吐息が混ざり始め、キスと愛の言霊と熱で春人の脳内は溶けだす。
「ふあ……ッああ、ん、んん……ああぁんッ」
性感帯を襲う刺激は治まる気配がない。それなのに下半身には全く手が伸びてこない。
身体の交わりを望んでいるようで、時間のせいで望めない行為。
心に押し寄せる寂しさのように何度も春人を襲った。
背中に伝わる熱が存在を示してくれているのに、アルバートの表情は見えない。それが顔も熱も感じる事の出来ない遠距離の前触れに捉えられ、春人を悲しみのどん底へと落としていく。
それでも「愛している」という言葉にほだされ、唇の愛撫を拒むことが出来ない。これを拒めば、嫌われるかもしれない。春人は愛と不安を交互に受け入れ続けた。
(どこにも行かないでアルバート)
……そう願いながら。
——チュッ。
「君だけを愛している。これだけは絶対に忘れないでほしい」
今までで一番強く背中と首の境目に吸い付き、アルバートの愛撫は終わった。
そしてすばやく春人の服を整え、玄関まで手を繋いで歩く。外へ出れば名残惜しそうに離れていき、まだ明るい空の下、2人は別れの場所まで向かった。
空港に着いた時には搭乗手続きの締め切り間際だった。急いで済ませ、この前と同じく、外国風の挨拶をしていると見せかけ、アルバートは春人の唇を掠める。
そして……
「行ってらっしゃい!」
「行ってきます」
と前と同じ挨拶をした。
保安検査場の奥へ消えるまでその場に立ち尽くす。
(行っちゃった……)
結局春人は本音を言えず、あのテラスで空を見上げ、時間を逆走する恋人を見送った。
*
機体がゆっくりと動き出す。幸いにも建物に面した窓側で、テラスが見える。
闇が迫る空の元でははっきりと誰がいるかまでは見えない。しかし、白いシャツだけが浮かび上がっていて、誰かいる事だけは分かる。
(春人だろうか)
そう信じずっと見つめていると、機体が速度を増し、あっという間に前を通りすぎた。浮遊感が身体を不思議な感覚にし、自分から夜の空へと飛びこむ。
福岡の夜景が雲で見えなくなり、ようやく帰国の現実が沸き、座席に身を沈める。
(やられた……)
目頭を押さえる。
春人が誰に何を言われたのか、彼は最後まで言わなかった。
聞いたとしても帰国が迫るこの短時間で、それを解消するだけの余裕もなかった。
だからせめて春人には……
——声と身体で、どれほど愛しているかを伝えた。
そして春人の背後から迫りくるもう一人の男には……
——春人が誰の者か背中に刻み込んだ。
(いつのまにか独占欲の強い人間になってしまったものだ)
捕られたくない気持ちと、年上が故のプライドが引き起こした空回りな——独占欲の不器用な表現方法。
アルバートにとってこのような気持ちは初めてで、自分のしている事に正当性と効果が明確に見えていない。
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