こいじまい。 -Ep.the British-

ベンジャミン・スミス

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第十一章 Past

第四話 二人で並ぶ未来

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 アルバートは焦っていた。ほぼ駆け足で、生温い風を割く様に自宅へ向かった。

(スティーブンの男グセの悪さは想像をはるかに超えている)

相手もどんな人物だろうがお構い無しの恋人との思い出が走馬灯のように蘇る。2人が和気あいあいと会話をしている姿など想像出来ない。もしかすると既にスティーブンが春人に何かしているかもしれない。
 気持ちだけが不安で焦っていく。アパートの階段を駆け上がりドアレバーに手をかけると鍵は開いていた。勢いよく開けると、やはり春人の靴がある。

 リビングからは何か口論するような声が聞こえる。

急いで靴を脱ぐ。リビングまでの廊下は賃貸特有の狭く短い廊下なのに長く感じる。
ただの口論であってくれと願う。しかしアルバートの願いは脆くも崩れ去った。

「何をしている」

聞かなくても分かるのに、目の前で性器を晒す二人が信じられなくてこの言葉しか出なかった。
悪い意味で予想通りの展開に、頭が殴られた衝撃を受け、眩暈がして倒れそうになった。
 しかし、ある一点を水色の瞳が捉え、今度は脳内が沸騰する。

スティーブンに捕らわれた春人の両腕だった。

「アル、助けて」

助けを求める震えた瞳、床に散乱する釦、この行為が春人の同意ではない——つまりスティーブンの強要である事が分かり、アルバートは口より先に手が出ていた。

——パンッ‼

スティーブンの腕を払い、春人を奪い返す。震える身体を腕の中に閉じ込め、アルバートはありったけの怒りをぶつけた。
それを胸の中で聞いている春人は、アルバートが何を言っているか分からなかった。
英語で、しかも所謂スラングと呼ばれる汚い言葉。ただ、アルバートの怒りはひしひしと伝わり、どうする事も出来ずに、顔を胸に押し付けた。
心臓がドクドクしている、息を吸い込む度に逞しい胸が膨らむ。その鼓動の激しさに急に不安に駆られ、春人は「アル‼」と恋人の名を呼んだ。

それでもアルバートは止まらない。

「アルバート‼」
「?!」

二回目でようやく止まり、「すまない」と小さな声で日本語が降ってきた。

「すまない春人。完璧に我を忘れていた。ありがとう」
「よかった。いつものアルバートだ」

二人の世界に浸り、温もりを分かち合う。
それが面白くないスティーブンは鼻を鳴らしたが、どこか覇気がなくなっていた。
それもそのはず、春人が怒髪天のアルバートを初めてみたのと同様に、スティーブンにとってもアルバートに怒鳴られるなど初めての事だった。

「ははは……アルバート、英国紳士が聞いて呆れるよ。なんて汚い言葉だ」
「……」

アルバートの目が伏し目がちになる。その悲しげな瞳は春人を見据えていた。
その頬に春人は手を伸ばした。

「大丈夫。何を言っているのか分からなかったよ。本当に」

春人の手にアルバートは自分の手を重ねて、落ち着きを払おうと擦った。

「ありがとう。やはり君は優しいね」

なかなか崩れない二人の関係に、スティーブンの苛立ちはアルバートに向かう。

「アルバート、何で春人の方へ行くんだ?」
「なぜそんなことを聞く必要がある。春人は私の恋人なのだ当然だろ」
「君と俺だって恋人だった。あんなに愛し合っていたじゃないか。春人より親密で長く、それでいて甘い時間を過ごしていた。ここで話そうか? 君がどんな人だったか。俺達がどんな付き合いをしていたか」
「やめろ」

アルバートが苦しそうな声を出す。それだけ春人に聞かれたくない過去があるのだろうか。
だがスティーブンに残された駒はつきかけていた。二人を別れさせ、自分がアルバートと再び恋人になる為には手段は選んでいられなかった。

「君はとても優しかった。そんな優しい君に甘えて俺は何度も浮気を繰り返した。でも君は許してくれた。それだけ俺を愛していたんだろ?」
「しかし君はまた裏切った。そして私の元を去った」
「でも気づいたんだ。俺にはアルバートが一番だって」
「さしずめ、その相手と付き合っている間に、また不貞を働いて捨てられたのだろう?」

スティーブンの頬が痙攣する。図星だった。
アルバートの元を去って付き合った恋人はアルバートの様に優しくはなかったのだ。

「だったら捨てられた俺を慰めてよ」
「自業自得だ。それに君は春人に酷い事をした」
「それも許してくれるだろ? 君を夢中にさせる男にちょっとした挨拶じゃないか」

と冗談めかしていうあたり、彼の自由な性格がどんどん浮き彫りになる。

「挨拶だろうとなんだろうと、春人に手を出す人間は許さない」

春人を強く抱き締める。春人もアルバートの背中を擦った。その手に後押しされるように、アルバートは息を吸い込み、全て話す事を決意した。

「もうこの際だ。全て告白する」

突然のアルバートの言葉に部屋が静まり返る。アルバートの一挙一動に全てが集中する。

「私は君を愛していなかった」

アルバートの無慈悲な言葉にスティーブンも春人でさえも驚きを隠せなかった。

「浮気を許していたのは優しいからではない、愛しているからではない。私は君に興味がさほどなかったのだ」
「じゃ、じゃあ、何で俺と付き合っていたんだ!」

スティーブンが声を張り上げる。

「……肉体の快楽に溺れていた。理由はそれだけだ。君の内面には興味がなかった、だから許せたのだ。去る時も何も言わなかった。それは一緒にいたいと思うだけの想いがなかったのだ」
「でも、君は俺に優しかった!」

受け入れられないスティーブンが焦っているのが分かる。

「優しかった……だけだろ? それは他人には当然なんだ。本当に愛していたなら私はきっと浮気した君に怒りを感じて今日のように怒鳴っていたはずだ」
「そんな……じゃ、なんでヨリを戻したの」
「特定の相手もいなかったし、どこかで君を好きだと勘違いしていたのだ」
「なんでも話してくれたじゃないか! 前の恋人のことだって! 俺たちは確かな信頼関係で結ばれていた!」
「好きでもない人には隠す必要が無いだろ? 格好つける必要もないし、嫉妬されてもどうも思わないのだから。でも春人にだけは知られたくなかった」

アルバートが春人の頬を撫でる。その目の前でスティーブンは口をパクパクさせている。

「君は私の優しさに依存しているだけだ。私をどうにかしたいだけなのだ。昔付き合っていた恋人が思い通りにならなくて躍起になっている——それだけなのだよ」
「それは……」

今の言葉にどこかしら心当たりがあるのだろう。見透かされて何も言えなくなっている。

「私たちは愛し合っているようで愛し合えていなかったんだ。私にも君にも非がある。あの頃は若かった。それだけの事だ」

全て言い終わり深く息を吐く。

(やっと言えた)

本当は春人には隠しておきたかった過去。

「私がこんな適当な恋愛をしていたなど春人には知られたくなかった。だから自分でも気がついていたのにスティーブンを愛していたと嘘をついていた」

アルバートの心配をよそに春人はにっこり微笑みながら、元恋人の前だというのに大胆にもキスをした。

「しかしやはり君に向けていたのは偽りの愛だった。春人と私の関係が本当の愛し合う人同士の関係なのだと気付かされた。」

とても愛おしくて、不安にもなり、嫉妬もする。年上なのに気がつくと冷静ではいられなくなっている。

「そんな相手こそが本当の恋人なのだと。春人のためならイギリスでの地位や功績を投げうってでも日本に来られた。しかし……君のために春人や今の仕事を捨てることはできないのだ」

そう春人のためならば

「私をここまで動かす事ができるのは春人だけだ」

——これが本当の愛なのだ。

「分かったらイギリスへ帰る事だ。君の入る隙は一ミリも開いていない」

アルバートの鋭い水色の瞳に射抜かれ、ブラウンの瞳は逃げ出す。

「わ、分かったよ」

そして溜息をついた。

「俺には君をそこまでさせられないって事だね」
「ああ」

最初から分かっていた。
アルバートが春人に向ける視線で、二人の関係がどれほど深いのか。

「俺は無茶な駆け引きは嫌いだ。それをしている暇があるなら別の男に行くよ」
「それが君らしいと思う」
「この期に及んでも、やっぱり君は俺を叱らないんだね」
「そうだな。君がどうなろうと知った事ではない」

冷たいアルバートの言葉に、もうなす術はなくなった。
そして春人に英語で謝った後、突如現れた嵐は去っていった。

「残りの期間で素敵な日本人の恋人でも探すよ」

という台詞付きで。

それに「相変わらずだな」と呆れたアルバートだったが、スティーブンがいなくなった途端、春人を抱きしめたままその場に倒れた。

「アル?」
「嫌いになったかい?」
「まさか。逆に愛が凄く伝わったよ。正直、何であんな人と付き合ってたんだろって不思議だったから妙に納得しちゃった」
「優しすぎるのは悪い事ではないと思っている。しかし、それで沢山嫌な経験もしてきた。優しすぎるのは刺激が足りないのだ」
「そうかな?」
「それで何度も辛い別れを経験してきた。みな刺激のある方へと言ってしまう。退屈を嫌うのだ」
「僕は退屈してないよ?」
「ありがとう。その辛い別れの端々で何度かスティーブンと付き合ったり別れたりを繰り返していたのだ」

あとは、全て聞いた通りだった。
そこに愛などなく、アルバートは今とは想像もつかないような付き合い方をしていた。

「自分が嫌になって、変えたくて、そんな時に研修の話が舞い込んだ。気分転換とキャリアアップの為に日本へ逃げたのだ。その時には恋愛における自分が嫌で、知らない土地で忙しく研修に励もうと思っていたのに……」

——そこで出会った日本人に恋をしてしまった。

「僕?」
「ああ。そして私は燃えるような恋をした。嫉妬で苦しみ、何が何でも君を手に入れたいと思った」

アルバートの最後の恋は最初の恋でもあったのだ。

「恋と言うレベルではなかったかもしれない。もはや愛だった。どんな苦楽も君と共に分かちあいたかった」

だから全てを投げて今ここにいる。

「言っておくが、もし君が浮気でもしようものなら覚悟しておくことだ」
「しないから大丈夫だもん!」

強く言う春人だったが、まだ気になる事が幾つかあった。

「本当にスティーブンのこともういいの?」
「もとから心から愛してはいなかった。多分友達の延長線上だったのだろう」
「本当に?」
「若い時の恋人だったからね。初めて男同士の行為も経験して盛っていただけだ」
「ふーん」
「やはり嫌か? 私がそういう人間だったと分かって」
「それはないってさっきも言ったでしょ!そうじゃなくて……だったらどうして家に入れたのかなって」
「ああそれはだな、あのまま追い返して君のあとをつけていかれたら困るからだ」
「それが何で困るの?」
「見ての通りスティーブンの男癖の悪さは最悪だ。きっと君に変なちょっかいをかけるだろうと思って。だからとりあえず私の家に泊まらせて、私は春人の家に泊まるつもりだったのだ」
「えっ? でもスティーヴンは、アルバートがエッチの準備する為に買い物に行ったみたいな事言ってたような……あれ? 違うっけ?」
「それはスティーブンの妄想だ。君の家に行ったが不在だし、会社にもいないから慌てて戻ってきたのだ」

あの時の全てが失われたような足元が崩れ落ちるような感覚はもう二度としたくない。

「あとさ……」
「ん?」
「スティーブンとは中に出してエッチしてたの?」
「あの男、どこまで君にいい加減な事を……どういう言い方をされたのかは知らないが、少し語弊がある」
「出してないの?」
「経験はある。しかしあれは事故だ」
「事故?」

まだ腑に落ちていない様子の春人。

「破れてしまったのだ。避妊具が」
「それで気が付かずに出したんだ」
「ああ。そしてその後スティーブンが体調を崩した」
「熱でも出したの?」
「いや、半日ほど腹痛に苦しんでいた」
「な、なるほど」

あの日、大学の講義を終えてセックスを覚えたてのアルバートはスティーブンと一人暮らしの家で盛っていた。若い男同士の行為は激しさを増し、気付かぬ間に破損を招いていた。

「その後はスティーヴンがお腹を壊して大変なことになったのだ。それからはずっとしていない。さすがに可哀想だからね」
「ずっと?」
「そうだ。だから2回目があるとすれば、きっとその相手は君だよ、春人」

春人がアルバートの首に腕を回す。

「中に出して」
「ダメだ。私は君を大切にしたい」
「……でも欲しい」
「参ったな」

アルバートは困ったように目じりを下げた。

「春人、お願いだ。君を大切にしたい。だから我慢してくれないか? 君が苦しむのは見たくない」
「でも……」
「お願い」
「……分かった。でも、いつかしてほしいな」
「君との付き合いは長くなる。もしかしたらその日が来るかもしれないね。でも私からはしないよ」

頑なに拒むアルバート。だが、そこからは本心で春人を大切にしようとしているのが伝わる。その腕の中で、今、セックスを覚えて真っ盛りの青年はどうにかして中出しをしてもらおうと模索していた。

そしてそれはアルバートが43歳の誕生日を迎えた日にやってくる。
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