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第十二章 Major Strategy
第三話 尾行大作戦
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朝晩は冷え、昼間の温もりが心地よいとある秋の休日。空は快晴で雲一つない秋晴れが広がっている。その下でプラチナブロンドが濃いススキの様にそよいでいる。
「久しぶりの休日だ。秋風が気持ちいい」
新人の各支社への配属の話も落ち着き一段落。門司支社はインテリア事業部に女性社員が入社し、恋人の春人が教育係として奮闘している。だが、アルバートの本来の仕事はそれではない。
——会社のグローバル化
これを本格化する為に赤澤に呼ばれている。
そしてそれも一応の終わりはみせたが、成功とはいかなかった。
本社からは「来年度、数名の外国人の採用が決定したのは君たちのお陰だ。本当によくやってくれた」と褒めて貰えたが、向上心が強い赤澤とアルバートはもう来年度の採用試験を見据えている。
(改善点はいくつもある。しかし、改善する為に何をどうすればいいのか……そこに限界が生じている)
折角の休日にも関わらず、脳内は仕事に埋め尽くされている。
(入社を断った理由……それさえわかれば……)
最大の問題はここだった。
外国人採用者の入社拒否。それが予想よりはるかに多く、希望するだけの人数が集まらなかったのだ。
(福利厚生? 社内の雰囲気? それとも他社にはもっといい制度が? 職種の問題? それとも本人が本気で採用を希望していなかった?)
初めて取り組んだ外国人の雇用だから仕方ないとはいえ、何となく〈ミス〉の二文字が頭をよぎり、いい気分ではなかった。来年度こそはと赤澤と意気込んでいた時に、まさかの松田の謎の出向。人事・広報部としては見過ごせない事態だが全く見当がつかない今、何も出来ない。そうこうしているうちに本人は出向してしまい、ほぼ手元から離れたと言っていいだろう。
(解決しない仕事が山積みだ)
この終わらない仕事と出向に関する不完全燃焼が続く日常。
それを吹っ飛ばすだけの恋人のあの卑猥な格好。
(うむ。ある意味、充実していると言ってもいいかもしれない)
そんな恋人は、今日は用事があるらしく、春人の手が空く夕方から、アルバートの家で晩御飯を食べて泊まる約束をしている。約束までの間、家に籠るのも良くないと身体を動かすつもりで外に出たアルバートは近くのショッピングモールに入っている大きな書店を覗こうと、目的地へ向かう。
ショッピングモールは休日ということもあり、家族連れや友達同士、カップルで賑わっていた。書店のある2階フロアへ向かうためエスカレーターに乗る。書店へと向かい、ビジネス本が並ぶ棚へ行く。しばらく眺めた後、別の棚へと足を向け、たまには小説でも読もうかと気になるものを手に取ってみた。
フランスの作家、スタンダールの『赤と黒』の下巻をまだ買っていないことに気が付き、外国人作家の棚へ行く。
そして、たまたま……本当にたまたま横をふと見た時、通路を挟んで向こう側の料理本コーナーにいた異様な男と目が合ってしまった。その男はマスクをしていて、黒のニット帽を被っており、ジーパンにグレーのパーカーだった。ラフな格好で書店に来た風邪をひいている若者のようにも見え、その格好だけならきっとアルバートもそんなに気にしなかった。
しかしアルバートと目が合った瞬間その男は瞬時に視線を逸らし、挙動不審になった。
急に手近にあった本を手に取る。題名は『今夜のオカズ百選』しかも逆さまだ。
どう考えてもおかしい。
(万引きだろうか?)
あの背格好、目、そしてニット帽からはみ出る髪の毛の色……アルバートは『赤と黒』を棚に戻し何食わぬ顔で男に近づく。
ビクッと肩を震わせた男は相変わらず逆さまの本に顔を隠した。
「……村崎さん?」
「ち、ちがいます」
知っている声が自分の存在を否定する。
「その返答は、無理があるだろう」
「……やっぱりバレたか」
村崎は観念したのか、本を棚に直し、周りをキョロキョロ見渡してアルバートを書店から連れ出した。
「ぷはッ」
ずらしたマスクからは知っている顔が現れた。
やはり彼はインテリア事業部部長村崎和也だった。
「はぁ、暑いな、マスク」
「風邪か?」
「いや、違う」
「なんというか……休日のあなたはとても若々しい」
「……好きでこんな格好してるんじゃない。あっ!」
外したばかりのマスクを慌ててつけ直し、村崎はアルバートの大きな背中に隠れた。
「何だろうか?」
「あれ」
こそっとアルバートの後ろから伸びた指の先には1人の女性がいた。
春人より若く、正真正銘の幼さがある。だが、少し人工的な大人っぽさもあり、誰かに似ている。
「ご息女か?」
「うん。娘の桜」
二人の視線の先、本屋から出てきたのは村崎の娘・村崎桜だった。
「まさかあとをつけているのか?」
「……うん」
娘から自分を隠している逞しい肩が下がるのを見て村崎は慌てて弁明した。
「わかってる。みなまでいうな。でも……でもさ俺だって好きでこんなことをしている訳じゃないんだよ。最近桜の様子がおかしいんだ。心配になるだろ?」
「学校生活で悩んでいるとか、人間関係の揉め事だろうか?」
「違う。俺を変な目で見てくる」
とうとうアルバートは大きな溜息を零してしまった。
「やはり君は赤澤さんの同期で間違いないな」
「あいつと一緒にするなよ」
「で? どう変なのだ」
「軽蔑? 険悪? なんというか気持ちのいい視線ではないし、しかも何だかここ数日ソワソワしているんだ。それに……それに……」
村崎が苦しそうに喉を締め付ける。本当はこの単語を口にしたくないが、必死に発した。
「最近、彼氏ができたらしい」
眉間の皺が仕事でも見た事がないほど深い。どれほど村崎を苦しめているかが分かるが、だからと言ってストーカーをする理由にはつながらない。
「彼氏と変なことしてるんじゃないかと」
「少し想像が行き過ぎているのでは?」
妄想だろと言わないあたりアルバートの優しさを感じる。これが赤澤なら手をたたいて「今の高校生なんてそんなものだ!」と大爆笑を生んでいる。
「第一、その年頃の女性なら父親を嫌がるのは当然では?」
「でも中学生の頃はあんなんじゃなかったんだ。だから若い男といすぎて俺が気持ち悪く見えるんじゃないかと」
「捕まらない程度にしておくことをオススメする。今の君はかなり挙動不審だ」
アルバートが店内に足を向ける。その背中に縋る様に村崎の手が伸びる。
「アルバート!」
「なんだろうか」
「行くぞ」
「はっ?」
「いや、ついてきてください」
村崎は桜が去った方へアルバートを引っ張る。
「何故私も?」
「確かに俺1人だと怪しいけど、アルバートいたらまだマシだろ?」
「いや、不審な男と外国人というのもなかなか目立つのでは?」
「サングラスする?」
「それは余計だ。それに、いくらご息女とはいえ、年頃の女性のあとをつけるのは落ち着かない」
「今は英国紳士を捨てるんだ、アルバート」
「それは無理だ」
桜がエスカレーターを降り始める。半分下りたところで、中年二人も乗り込んだ。先に下がっていく娘を見つめながら村崎がマスクの中で口をモゴモゴさせる。
「月嶋可愛いだろ?」
「それはもちろん」
「女と会っていたら気にならないか?」
「別に。春人のプライベートにまで干渉する気はない」
と嫉妬など一度もしたことがないという風にアルバートが言う。あまりの棒読みに村崎は「部下が愛されているようでよかった」と目を細めた。
「それと同じだよ」
気にならないと言ったアルバートがため息を吐いて、一階フロアに降り立った桜を見ながら「気にはなるが……」と前言撤回した。
「しかし、恋人とお子さんではそもそも比べる対象としてどうなのだろうか」
「でも気になって心配で尾行したくなるだろ?」
「気になるのと心配は大いに賛同できるが後半は少し理解しがたい」
「そういう場面になればきっと尾行せずにはいられなくなるよ」
「その時が来たら考えるとしよう」
二人も一階に降り立ち、本屋の紙袋片手に出口の方へ向かう桜を追いかけた。
「外で待ち合わせか? あー、もし変な男だったらどうしよう」
「その時は直ぐに君を羽交い絞めにするよ」
「そうしてくれ、多分俺叫ぶ」
「口も塞いでおく」
桜は外には出なかった。その代わり、入り口直ぐのカフェの前で可愛らしくちょこんと立っている。
「可愛いなぁ」
「……」
「そう思わないか?」
「そこの可愛い熊殿に隠れよう」
「そっちじゃなくてさ……」
「君はストーカーの素質がないな。声が聞こえるぞ」
二軒となりのマッサージ屋の大きな熊のぬいぐるみの陰に二人は隠れる。
「ここが待ち合わせ場所か。あっ、きたぞ」
パッと桜の顔が笑顔になり、誰かに手を振っている。アルバートは一応村崎のパーカーを掴んだ。だが、その手は直ぐに離れて行く。
「あれは……」
男が桜の前までやって来た。
「あれが桜の彼氏……ん? どこかで……あっ」
ジーパンに、男性にしては低身長。黒髪に無邪気な笑顔。
その持ち主は……
「月嶋?!」「春人……」
悲しげなイギリス人の声がぬいぐるみに吸い込まれていく。
「久しぶりの休日だ。秋風が気持ちいい」
新人の各支社への配属の話も落ち着き一段落。門司支社はインテリア事業部に女性社員が入社し、恋人の春人が教育係として奮闘している。だが、アルバートの本来の仕事はそれではない。
——会社のグローバル化
これを本格化する為に赤澤に呼ばれている。
そしてそれも一応の終わりはみせたが、成功とはいかなかった。
本社からは「来年度、数名の外国人の採用が決定したのは君たちのお陰だ。本当によくやってくれた」と褒めて貰えたが、向上心が強い赤澤とアルバートはもう来年度の採用試験を見据えている。
(改善点はいくつもある。しかし、改善する為に何をどうすればいいのか……そこに限界が生じている)
折角の休日にも関わらず、脳内は仕事に埋め尽くされている。
(入社を断った理由……それさえわかれば……)
最大の問題はここだった。
外国人採用者の入社拒否。それが予想よりはるかに多く、希望するだけの人数が集まらなかったのだ。
(福利厚生? 社内の雰囲気? それとも他社にはもっといい制度が? 職種の問題? それとも本人が本気で採用を希望していなかった?)
初めて取り組んだ外国人の雇用だから仕方ないとはいえ、何となく〈ミス〉の二文字が頭をよぎり、いい気分ではなかった。来年度こそはと赤澤と意気込んでいた時に、まさかの松田の謎の出向。人事・広報部としては見過ごせない事態だが全く見当がつかない今、何も出来ない。そうこうしているうちに本人は出向してしまい、ほぼ手元から離れたと言っていいだろう。
(解決しない仕事が山積みだ)
この終わらない仕事と出向に関する不完全燃焼が続く日常。
それを吹っ飛ばすだけの恋人のあの卑猥な格好。
(うむ。ある意味、充実していると言ってもいいかもしれない)
そんな恋人は、今日は用事があるらしく、春人の手が空く夕方から、アルバートの家で晩御飯を食べて泊まる約束をしている。約束までの間、家に籠るのも良くないと身体を動かすつもりで外に出たアルバートは近くのショッピングモールに入っている大きな書店を覗こうと、目的地へ向かう。
ショッピングモールは休日ということもあり、家族連れや友達同士、カップルで賑わっていた。書店のある2階フロアへ向かうためエスカレーターに乗る。書店へと向かい、ビジネス本が並ぶ棚へ行く。しばらく眺めた後、別の棚へと足を向け、たまには小説でも読もうかと気になるものを手に取ってみた。
フランスの作家、スタンダールの『赤と黒』の下巻をまだ買っていないことに気が付き、外国人作家の棚へ行く。
そして、たまたま……本当にたまたま横をふと見た時、通路を挟んで向こう側の料理本コーナーにいた異様な男と目が合ってしまった。その男はマスクをしていて、黒のニット帽を被っており、ジーパンにグレーのパーカーだった。ラフな格好で書店に来た風邪をひいている若者のようにも見え、その格好だけならきっとアルバートもそんなに気にしなかった。
しかしアルバートと目が合った瞬間その男は瞬時に視線を逸らし、挙動不審になった。
急に手近にあった本を手に取る。題名は『今夜のオカズ百選』しかも逆さまだ。
どう考えてもおかしい。
(万引きだろうか?)
あの背格好、目、そしてニット帽からはみ出る髪の毛の色……アルバートは『赤と黒』を棚に戻し何食わぬ顔で男に近づく。
ビクッと肩を震わせた男は相変わらず逆さまの本に顔を隠した。
「……村崎さん?」
「ち、ちがいます」
知っている声が自分の存在を否定する。
「その返答は、無理があるだろう」
「……やっぱりバレたか」
村崎は観念したのか、本を棚に直し、周りをキョロキョロ見渡してアルバートを書店から連れ出した。
「ぷはッ」
ずらしたマスクからは知っている顔が現れた。
やはり彼はインテリア事業部部長村崎和也だった。
「はぁ、暑いな、マスク」
「風邪か?」
「いや、違う」
「なんというか……休日のあなたはとても若々しい」
「……好きでこんな格好してるんじゃない。あっ!」
外したばかりのマスクを慌ててつけ直し、村崎はアルバートの大きな背中に隠れた。
「何だろうか?」
「あれ」
こそっとアルバートの後ろから伸びた指の先には1人の女性がいた。
春人より若く、正真正銘の幼さがある。だが、少し人工的な大人っぽさもあり、誰かに似ている。
「ご息女か?」
「うん。娘の桜」
二人の視線の先、本屋から出てきたのは村崎の娘・村崎桜だった。
「まさかあとをつけているのか?」
「……うん」
娘から自分を隠している逞しい肩が下がるのを見て村崎は慌てて弁明した。
「わかってる。みなまでいうな。でも……でもさ俺だって好きでこんなことをしている訳じゃないんだよ。最近桜の様子がおかしいんだ。心配になるだろ?」
「学校生活で悩んでいるとか、人間関係の揉め事だろうか?」
「違う。俺を変な目で見てくる」
とうとうアルバートは大きな溜息を零してしまった。
「やはり君は赤澤さんの同期で間違いないな」
「あいつと一緒にするなよ」
「で? どう変なのだ」
「軽蔑? 険悪? なんというか気持ちのいい視線ではないし、しかも何だかここ数日ソワソワしているんだ。それに……それに……」
村崎が苦しそうに喉を締め付ける。本当はこの単語を口にしたくないが、必死に発した。
「最近、彼氏ができたらしい」
眉間の皺が仕事でも見た事がないほど深い。どれほど村崎を苦しめているかが分かるが、だからと言ってストーカーをする理由にはつながらない。
「彼氏と変なことしてるんじゃないかと」
「少し想像が行き過ぎているのでは?」
妄想だろと言わないあたりアルバートの優しさを感じる。これが赤澤なら手をたたいて「今の高校生なんてそんなものだ!」と大爆笑を生んでいる。
「第一、その年頃の女性なら父親を嫌がるのは当然では?」
「でも中学生の頃はあんなんじゃなかったんだ。だから若い男といすぎて俺が気持ち悪く見えるんじゃないかと」
「捕まらない程度にしておくことをオススメする。今の君はかなり挙動不審だ」
アルバートが店内に足を向ける。その背中に縋る様に村崎の手が伸びる。
「アルバート!」
「なんだろうか」
「行くぞ」
「はっ?」
「いや、ついてきてください」
村崎は桜が去った方へアルバートを引っ張る。
「何故私も?」
「確かに俺1人だと怪しいけど、アルバートいたらまだマシだろ?」
「いや、不審な男と外国人というのもなかなか目立つのでは?」
「サングラスする?」
「それは余計だ。それに、いくらご息女とはいえ、年頃の女性のあとをつけるのは落ち着かない」
「今は英国紳士を捨てるんだ、アルバート」
「それは無理だ」
桜がエスカレーターを降り始める。半分下りたところで、中年二人も乗り込んだ。先に下がっていく娘を見つめながら村崎がマスクの中で口をモゴモゴさせる。
「月嶋可愛いだろ?」
「それはもちろん」
「女と会っていたら気にならないか?」
「別に。春人のプライベートにまで干渉する気はない」
と嫉妬など一度もしたことがないという風にアルバートが言う。あまりの棒読みに村崎は「部下が愛されているようでよかった」と目を細めた。
「それと同じだよ」
気にならないと言ったアルバートがため息を吐いて、一階フロアに降り立った桜を見ながら「気にはなるが……」と前言撤回した。
「しかし、恋人とお子さんではそもそも比べる対象としてどうなのだろうか」
「でも気になって心配で尾行したくなるだろ?」
「気になるのと心配は大いに賛同できるが後半は少し理解しがたい」
「そういう場面になればきっと尾行せずにはいられなくなるよ」
「その時が来たら考えるとしよう」
二人も一階に降り立ち、本屋の紙袋片手に出口の方へ向かう桜を追いかけた。
「外で待ち合わせか? あー、もし変な男だったらどうしよう」
「その時は直ぐに君を羽交い絞めにするよ」
「そうしてくれ、多分俺叫ぶ」
「口も塞いでおく」
桜は外には出なかった。その代わり、入り口直ぐのカフェの前で可愛らしくちょこんと立っている。
「可愛いなぁ」
「……」
「そう思わないか?」
「そこの可愛い熊殿に隠れよう」
「そっちじゃなくてさ……」
「君はストーカーの素質がないな。声が聞こえるぞ」
二軒となりのマッサージ屋の大きな熊のぬいぐるみの陰に二人は隠れる。
「ここが待ち合わせ場所か。あっ、きたぞ」
パッと桜の顔が笑顔になり、誰かに手を振っている。アルバートは一応村崎のパーカーを掴んだ。だが、その手は直ぐに離れて行く。
「あれは……」
男が桜の前までやって来た。
「あれが桜の彼氏……ん? どこかで……あっ」
ジーパンに、男性にしては低身長。黒髪に無邪気な笑顔。
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「月嶋?!」「春人……」
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