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An angel who has descended of Starry Night
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「・・・後はここの色を調整して____っ!?」
一人の少年が自室に備え付けてある、液晶ペンタブレットの画面をペンでタッチする。無数のレイヤーを彷徨い求めたゴール地点を探していた。何度も何度も編集をしては消して編集をしては消しての繰り返しがいつの間にか作業になり果てていた。光を宿らせていた瞳は生きながらに死んでいて、何の感情も現さない。
目の前の画面に向かって、黒い曲線を《何千線》も描き続け一つの線にする。それだけをただ繰り返し、終止符を告つげる様に色彩を盤面に踊らせる。自分にはこれしかないのだと____。
そして、左右を行き交う右手は日々の酷使でスピードを落とし、身体的にも精神的にも酷く疲れていた。
「あと少し・・・あ・・と・・・・・・少____」
気づけば少年の体は優に限界を超えていた。一日のほぼ全てをイラストのために費やし、一枚の完璧を生み出すためだけに生きてきた。自分の事なんて二の次とした代償がこれなのだろう。
右手に力が入らない、それに体にも・・・まるで生気を奪われていくように。
「あぁ、死ぬのかな・・・?それでも別にいいんだけど・・・・・・」
少年は少し微笑ましそうな顔でそう言った。この道でしか生きられない自分にとって他の事をして生きていくのはまずできないだろう。ある程度の歳月を重ねれば自分はひとりで生きていかなくてはならない。それすら、できないと確信していた少年にとってこの《死》はある意味、救済に近かったのかもしれない。薄れゆく意識の中、瞳に外の景色が映る。窓から見える空はあいにくの闇でカーテンのレースがより一層に黒くしていた。それでも、窓から見える木だけは風に吹かれながら静かに揺ゆらめいていた。
「俺もあんな風にゆっくりと安らぎを迎えたいな____」
そこで意識はシャットダウンされた。
____________________
疲労ですね
しばらく休んでいれば疲労の面はすぐ直るでしょう
ですが________
____________________
「うんっ?____はっ!」
覚醒した意識はすぐに状況を理解することができず、ただ心臓の鼓動を早くする。
辺り一面、真っ白な壁で、いつの間にか横たわっていたベッドも白く、レイヤーの様な壁とベッドに過呼吸になる。
「こんな所にいる場合じゃ・・・・ない・・・!」
脳裏によぎったのは描きかけのイラストの事だった。命を削ってでもなしえたかった夢。それをなしえないまま終わるのは嫌だ。意識が途切れる前は満足そうな思いを抱いていたのに、ふと、意識をイラストに向けるとそんな感情までも忘れてしまう。呪いなのか《使名》なのか、今の自分にはどちらにもとれた。
「こんなところで時間を使うのは____」
だけど、そんな感情はもう一つの心の揺らぎで消え失せた。
(でも、死ねた方がまだよかったのかもな。イラストを描くのは好きだったけど、逆に言えばそれしか好きじゃなかった____人として生きるのは辛くて苦しくて悲しくて・・・・・・・・そんな感情をただ消すために描いていたとこもろもある)
そんなことを思い始めると徐々に脈と喉を乾かわかす過呼吸が激しくなり、どうにかしようと部屋を出た。
しかし、外も先ほどの部屋と同等で無限の白が広がっていた。
それから先の事は記憶になく、少しずつ景色が薄れ再びあの時の様な感覚に襲われる。
「また・・・この感覚、あっ今度こそ本当に死ぬのかな?それじゃあ・・・・・・?」
(結局、俺は夢を叶えられず、何も生み出さず、死んでしまったのか・・・・)
頬を涙が伝う。それを拭ぐおうとした左手を途中で止め元の位置に戻す。
どうしようもならない後悔と変えることのできない運命に壊れ始める心を必死に保とうと左手を胸を握る様にして、走った。
走って 走って 走って
走って 走って 走って
走った
そうして、いつの間にか空には蒼い月が出て_その月の光が、着せられていた無表情な白色の服を蒼く染めていた。
「もう何も思い出せない」
二度にわたる意識の喪失と体の異常で心は決壊し、そうして少年は悟った。
死んだんだ______
一人の少年が自室に備え付けてある、液晶ペンタブレットの画面をペンでタッチする。無数のレイヤーを彷徨い求めたゴール地点を探していた。何度も何度も編集をしては消して編集をしては消しての繰り返しがいつの間にか作業になり果てていた。光を宿らせていた瞳は生きながらに死んでいて、何の感情も現さない。
目の前の画面に向かって、黒い曲線を《何千線》も描き続け一つの線にする。それだけをただ繰り返し、終止符を告つげる様に色彩を盤面に踊らせる。自分にはこれしかないのだと____。
そして、左右を行き交う右手は日々の酷使でスピードを落とし、身体的にも精神的にも酷く疲れていた。
「あと少し・・・あ・・と・・・・・・少____」
気づけば少年の体は優に限界を超えていた。一日のほぼ全てをイラストのために費やし、一枚の完璧を生み出すためだけに生きてきた。自分の事なんて二の次とした代償がこれなのだろう。
右手に力が入らない、それに体にも・・・まるで生気を奪われていくように。
「あぁ、死ぬのかな・・・?それでも別にいいんだけど・・・・・・」
少年は少し微笑ましそうな顔でそう言った。この道でしか生きられない自分にとって他の事をして生きていくのはまずできないだろう。ある程度の歳月を重ねれば自分はひとりで生きていかなくてはならない。それすら、できないと確信していた少年にとってこの《死》はある意味、救済に近かったのかもしれない。薄れゆく意識の中、瞳に外の景色が映る。窓から見える空はあいにくの闇でカーテンのレースがより一層に黒くしていた。それでも、窓から見える木だけは風に吹かれながら静かに揺ゆらめいていた。
「俺もあんな風にゆっくりと安らぎを迎えたいな____」
そこで意識はシャットダウンされた。
____________________
疲労ですね
しばらく休んでいれば疲労の面はすぐ直るでしょう
ですが________
____________________
「うんっ?____はっ!」
覚醒した意識はすぐに状況を理解することができず、ただ心臓の鼓動を早くする。
辺り一面、真っ白な壁で、いつの間にか横たわっていたベッドも白く、レイヤーの様な壁とベッドに過呼吸になる。
「こんな所にいる場合じゃ・・・・ない・・・!」
脳裏によぎったのは描きかけのイラストの事だった。命を削ってでもなしえたかった夢。それをなしえないまま終わるのは嫌だ。意識が途切れる前は満足そうな思いを抱いていたのに、ふと、意識をイラストに向けるとそんな感情までも忘れてしまう。呪いなのか《使名》なのか、今の自分にはどちらにもとれた。
「こんなところで時間を使うのは____」
だけど、そんな感情はもう一つの心の揺らぎで消え失せた。
(でも、死ねた方がまだよかったのかもな。イラストを描くのは好きだったけど、逆に言えばそれしか好きじゃなかった____人として生きるのは辛くて苦しくて悲しくて・・・・・・・・そんな感情をただ消すために描いていたとこもろもある)
そんなことを思い始めると徐々に脈と喉を乾かわかす過呼吸が激しくなり、どうにかしようと部屋を出た。
しかし、外も先ほどの部屋と同等で無限の白が広がっていた。
それから先の事は記憶になく、少しずつ景色が薄れ再びあの時の様な感覚に襲われる。
「また・・・この感覚、あっ今度こそ本当に死ぬのかな?それじゃあ・・・・・・?」
(結局、俺は夢を叶えられず、何も生み出さず、死んでしまったのか・・・・)
頬を涙が伝う。それを拭ぐおうとした左手を途中で止め元の位置に戻す。
どうしようもならない後悔と変えることのできない運命に壊れ始める心を必死に保とうと左手を胸を握る様にして、走った。
走って 走って 走って
走って 走って 走って
走った
そうして、いつの間にか空には蒼い月が出て_その月の光が、着せられていた無表情な白色の服を蒼く染めていた。
「もう何も思い出せない」
二度にわたる意識の喪失と体の異常で心は決壊し、そうして少年は悟った。
死んだんだ______
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