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第15話 石碑
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お互いに相手の発言を聞いて目を丸くする。
「ライアスはずっとここで暮らしているのでは? ここがどこだか知らないのですか?」
「いや、俺がここで暮らすようになったのは今から二ヵ月前だ。そっちこそここに住んでいたんじゃないのか?」
俺はキキョウに聞き返した。
「私は、いつの間にかここに飛ばされていたんですよ」
「それは俺もだ。もしかして転移させられる前、モノリスに触れなかったか?」
どうやら俺と同じ境遇のようだ。俺は彼女に質問をする。
「モノリス? それは何ですか?」
俺は彼女を手招きすると、小屋へと案内する。
「この黒い板みたいなものに触れたんじゃない?」
「ああ、石碑のことですか。確かに私は飛ばされる前、これに触れましたよ」
地域によって呼び方が変わるのか?
俺たちの世界ではモノリスで統一されていたかと思うのだが……。
そもそも、獣人など物語にしか出てこない存在が目の前にいる時点で考えるだけ無駄な気がする。
「いずれにせよ、どうやらこれが原因というのははっきりしたな……」
これまでは自分ひとりだったので、確証を得ることをできなかったが、キキョウの証言がある以上、転移にはモノリスが関係しているらしい。
「キキョウはいつからこっちに?」
「一昨日からですけど?」
「ということは、そこに干してあった干物を食った?」
「ええ……、食べるものに困ってましたので……」
ここに至って、干物は俺が作っていたものだと気付いたのか、彼女は気まずそうな顔をした。
「まあいいさ、俺の方が先に来ている分教えられることもある。このモノリスではポイントを利用することで色んなものを購入することができる。水や食料なんかもあるから、キキョウも利用するといい」
モノリスに触れ、画面を開きながら説明して見せるのだが……。
「文字が良く読めません……」
彼女は目を凝らして難しい表情をした。
「これが『買い取り』でこっちが『購入』だな。それぞれ選択して決定の文字に触れるとそこの箱から品物が出てくる」
「なるほど、ちょっとやってみるので見ていてもらっても構いませんか?」
キキョウは真剣な顔をすると横に並んだ。そしておそるおそるモノリスに触れてみる。
「あれ? 画面が切り替わりましたね……あっ、読めます!」
キキョウは顔を近付けると目を左右に動かし始めた。
今度は俺が読めなくなっている。
「なるほど、この石碑を通して買い物をすれば、様々な道具が手に入るのですね?」
そう言うと、キキョウは文字に触れてみるのだが……。
「駄目ですね、ポイントとやらが足りないみたいです」
「どうやら、俺が溜めているポイントは引き継げないようだな?」
それぞれが別扱いとなっているらしい。
「ポイントは迷宮にいるモンスターを倒した際に得られるドロップ品を売ることで手に入るぞ」
俺が教えてやると、彼女は口元に手を当て考え込んだ。
「モンスターと……戦闘ですか?」
途端に耳がペタリと伏せ、尻尾が震えはじめる。
「ああでも、金を入れるとポイントにしてくれるかもしれない。俺も最初はそうだったからさ」
あまり乗り気ではない様子だったので、別な提案をしてみた。
「お金……」
彼女は手を差し出してきた。俺は握手をする。
「いえ、そうではなくて……。貸していただけないかなと?」
「もう全部入れてしまったからないよ」
「そ……そんな……」
絶望した表情を浮かべる。先程、俺に斬りかかってきた時の勇ましさはどこにも残っていなかった。
「はぁ、仕方ない。俺もちょうど狩りに行こうと思ってたから一緒に行くか?」
キキョウ一人でも問題ないとは思うが、こうも不安そうな顔をされては仕方ない。
「いいのですか? ライアスは良い人ですね」
耳をぴくぴく動かし、尻尾を揺らしながら抱き着いてくる。
キキョウの服装は胸元が開きやすくなっており、抱き着かれた腕に柔らかい感触を感じてドキドキする。
俺は無防備な彼女を連れると、迷宮に入って行くのだった。
「ライアスはずっとここで暮らしているのでは? ここがどこだか知らないのですか?」
「いや、俺がここで暮らすようになったのは今から二ヵ月前だ。そっちこそここに住んでいたんじゃないのか?」
俺はキキョウに聞き返した。
「私は、いつの間にかここに飛ばされていたんですよ」
「それは俺もだ。もしかして転移させられる前、モノリスに触れなかったか?」
どうやら俺と同じ境遇のようだ。俺は彼女に質問をする。
「モノリス? それは何ですか?」
俺は彼女を手招きすると、小屋へと案内する。
「この黒い板みたいなものに触れたんじゃない?」
「ああ、石碑のことですか。確かに私は飛ばされる前、これに触れましたよ」
地域によって呼び方が変わるのか?
俺たちの世界ではモノリスで統一されていたかと思うのだが……。
そもそも、獣人など物語にしか出てこない存在が目の前にいる時点で考えるだけ無駄な気がする。
「いずれにせよ、どうやらこれが原因というのははっきりしたな……」
これまでは自分ひとりだったので、確証を得ることをできなかったが、キキョウの証言がある以上、転移にはモノリスが関係しているらしい。
「キキョウはいつからこっちに?」
「一昨日からですけど?」
「ということは、そこに干してあった干物を食った?」
「ええ……、食べるものに困ってましたので……」
ここに至って、干物は俺が作っていたものだと気付いたのか、彼女は気まずそうな顔をした。
「まあいいさ、俺の方が先に来ている分教えられることもある。このモノリスではポイントを利用することで色んなものを購入することができる。水や食料なんかもあるから、キキョウも利用するといい」
モノリスに触れ、画面を開きながら説明して見せるのだが……。
「文字が良く読めません……」
彼女は目を凝らして難しい表情をした。
「これが『買い取り』でこっちが『購入』だな。それぞれ選択して決定の文字に触れるとそこの箱から品物が出てくる」
「なるほど、ちょっとやってみるので見ていてもらっても構いませんか?」
キキョウは真剣な顔をすると横に並んだ。そしておそるおそるモノリスに触れてみる。
「あれ? 画面が切り替わりましたね……あっ、読めます!」
キキョウは顔を近付けると目を左右に動かし始めた。
今度は俺が読めなくなっている。
「なるほど、この石碑を通して買い物をすれば、様々な道具が手に入るのですね?」
そう言うと、キキョウは文字に触れてみるのだが……。
「駄目ですね、ポイントとやらが足りないみたいです」
「どうやら、俺が溜めているポイントは引き継げないようだな?」
それぞれが別扱いとなっているらしい。
「ポイントは迷宮にいるモンスターを倒した際に得られるドロップ品を売ることで手に入るぞ」
俺が教えてやると、彼女は口元に手を当て考え込んだ。
「モンスターと……戦闘ですか?」
途端に耳がペタリと伏せ、尻尾が震えはじめる。
「ああでも、金を入れるとポイントにしてくれるかもしれない。俺も最初はそうだったからさ」
あまり乗り気ではない様子だったので、別な提案をしてみた。
「お金……」
彼女は手を差し出してきた。俺は握手をする。
「いえ、そうではなくて……。貸していただけないかなと?」
「もう全部入れてしまったからないよ」
「そ……そんな……」
絶望した表情を浮かべる。先程、俺に斬りかかってきた時の勇ましさはどこにも残っていなかった。
「はぁ、仕方ない。俺もちょうど狩りに行こうと思ってたから一緒に行くか?」
キキョウ一人でも問題ないとは思うが、こうも不安そうな顔をされては仕方ない。
「いいのですか? ライアスは良い人ですね」
耳をぴくぴく動かし、尻尾を揺らしながら抱き着いてくる。
キキョウの服装は胸元が開きやすくなっており、抱き着かれた腕に柔らかい感触を感じてドキドキする。
俺は無防備な彼女を連れると、迷宮に入って行くのだった。
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