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第24話 ガーゴイル
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心臓の音が激しくなる。
俺は剣を片手に石像に近付く。近くで見ると妖しく光る目が俺の動きに合わせて動いているように錯覚する。
俺が見ている限り石像の瞳は動いておらず、本物の彫像のように見える。
もう片方のコマイヌも特に動く様子はなく、もしかすると両方ともただの石像なのではないかと俺は推測した。
「いや、油断できない」
これまでも、ガーゴイルと戦った経験があるのだが、普段はトーリが前に出て最初に一撃を受け止めていた。
ガーゴイルと対峙する時は最初の一撃は覚悟しなければいけない。トーリは持ち前の反射神経と、天性ともいえる勘のお蔭でいなしていたが、あのような動きは俺には無理だ。
ダメージ軽減装備があるので幾分ましだろうが、初手は必ず受けてしまうだろう。
俺は装備を信じて二体の石像の間を通り過ぎると……。
「ライアスっ⁉」
—―ガイーーンッ!—―
キキョウの声に咄嗟に剣を掲げる。
手に衝撃を受け見てみると、ガーゴイルの爪と俺の火属性剣が接触していた。
「キキョウ、コマイヌから視線をきらないでくれっ!」
「わかりましたっ!」
目の前のガーゴイルと押し合っている。現在の俺はコマイヌに背を向けている状態なので、もし万が一に動き出した場合不意打ちを食らうことになるだろう。
「このっ!」
火属性剣から火が上がり、ガーゴイルの爪を焼く。石でできた身体は硬いのだが、火で燃やすと脆く爪の先がボロボロと崩れた。
「悪いけど、特攻武器があるからな。初撃さえ凌げば脅威じゃない」
俺は剣を振るい、ガーゴイルの身体を少しずつ燃やし、削っていく。
—―ヒュッ! ヒュッ! ヒュッ!—―
ときおり、別な方向から風の刃が飛んできてはガーゴイルの翼を傷つける。お蔭でガーゴイルは宙に浮かぶことが出来ず、大きなアドバンテージを早々に失っている。
「助かる、キキョウ」
俺は彼女に礼を言うと、一気に距離を詰めた。
ガーゴイルがくちばしを開き中に何やら力が収束している、攻撃を仕掛けようとしてきているようだ。
「させるかっ!」
俺はガーゴイルのくちばしの射線から逃れると懐に飛び込み、身体を白いオーラで纏い身体能力を強化する。
「これで終わりだっ!」
これまでよりも数倍に膨れ上がった身体能力を生かし、火属性剣を振るい、ガーゴイルの首を切り飛ばした。
ガーゴイルの首がコマイヌの近くへと落ちる。
「御見事です、ライアス」
称賛の言葉を口にしながら、キキョウが合流してきた。
「キキョウこそ、助かった。ガーゴイルの飛行機能を上手く封じてくれたな」
空中から仕掛けられたらもう少し苦労したはずだ。彼女が風の刃で牽制してくれたお蔭であっさり倒せたというのもある。
「とりあえず、ガーゴイル対策はこんなところで大丈夫か、これなら二階もなんとか――」
—―ドンッ!—―
キキョウに話していると爆発音がする。
「ライアス、あれは……」
キキョウに告げられ、後ろを振り向くとコマイヌの石像が壊れていた。そしてその残骸の中に俺はある物を発見する。
『ビービービービーッ!』
「な、なんですかこの音はっ!」
周囲の気配が変わった。何者かが近寄ってくる気配を感じる。
「キキョウ、決して油断するなっ!」
俺はそう叫ぶと彼女を見る。
「敵が来るっ!」
コマイヌの方に仕掛けられていた警報装置を忌々しく見ると彼女に注意をするのだった。
俺は剣を片手に石像に近付く。近くで見ると妖しく光る目が俺の動きに合わせて動いているように錯覚する。
俺が見ている限り石像の瞳は動いておらず、本物の彫像のように見える。
もう片方のコマイヌも特に動く様子はなく、もしかすると両方ともただの石像なのではないかと俺は推測した。
「いや、油断できない」
これまでも、ガーゴイルと戦った経験があるのだが、普段はトーリが前に出て最初に一撃を受け止めていた。
ガーゴイルと対峙する時は最初の一撃は覚悟しなければいけない。トーリは持ち前の反射神経と、天性ともいえる勘のお蔭でいなしていたが、あのような動きは俺には無理だ。
ダメージ軽減装備があるので幾分ましだろうが、初手は必ず受けてしまうだろう。
俺は装備を信じて二体の石像の間を通り過ぎると……。
「ライアスっ⁉」
—―ガイーーンッ!—―
キキョウの声に咄嗟に剣を掲げる。
手に衝撃を受け見てみると、ガーゴイルの爪と俺の火属性剣が接触していた。
「キキョウ、コマイヌから視線をきらないでくれっ!」
「わかりましたっ!」
目の前のガーゴイルと押し合っている。現在の俺はコマイヌに背を向けている状態なので、もし万が一に動き出した場合不意打ちを食らうことになるだろう。
「このっ!」
火属性剣から火が上がり、ガーゴイルの爪を焼く。石でできた身体は硬いのだが、火で燃やすと脆く爪の先がボロボロと崩れた。
「悪いけど、特攻武器があるからな。初撃さえ凌げば脅威じゃない」
俺は剣を振るい、ガーゴイルの身体を少しずつ燃やし、削っていく。
—―ヒュッ! ヒュッ! ヒュッ!—―
ときおり、別な方向から風の刃が飛んできてはガーゴイルの翼を傷つける。お蔭でガーゴイルは宙に浮かぶことが出来ず、大きなアドバンテージを早々に失っている。
「助かる、キキョウ」
俺は彼女に礼を言うと、一気に距離を詰めた。
ガーゴイルがくちばしを開き中に何やら力が収束している、攻撃を仕掛けようとしてきているようだ。
「させるかっ!」
俺はガーゴイルのくちばしの射線から逃れると懐に飛び込み、身体を白いオーラで纏い身体能力を強化する。
「これで終わりだっ!」
これまでよりも数倍に膨れ上がった身体能力を生かし、火属性剣を振るい、ガーゴイルの首を切り飛ばした。
ガーゴイルの首がコマイヌの近くへと落ちる。
「御見事です、ライアス」
称賛の言葉を口にしながら、キキョウが合流してきた。
「キキョウこそ、助かった。ガーゴイルの飛行機能を上手く封じてくれたな」
空中から仕掛けられたらもう少し苦労したはずだ。彼女が風の刃で牽制してくれたお蔭であっさり倒せたというのもある。
「とりあえず、ガーゴイル対策はこんなところで大丈夫か、これなら二階もなんとか――」
—―ドンッ!—―
キキョウに話していると爆発音がする。
「ライアス、あれは……」
キキョウに告げられ、後ろを振り向くとコマイヌの石像が壊れていた。そしてその残骸の中に俺はある物を発見する。
『ビービービービーッ!』
「な、なんですかこの音はっ!」
周囲の気配が変わった。何者かが近寄ってくる気配を感じる。
「キキョウ、決して油断するなっ!」
俺はそう叫ぶと彼女を見る。
「敵が来るっ!」
コマイヌの方に仕掛けられていた警報装置を忌々しく見ると彼女に注意をするのだった。
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