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墓荒らしの俺達が王様の墓を狙ったら壁がギギギギイイッ

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墓荒らしをして稼ぐ俺達。
今日も夕方から墓を荒らしに行くための準備をする。
「な、今日はどの墓にする?」
「そうだな。思い切って、王様の墓でも荒らすか?」
「金品ザックザックってな」
笑いながら俺等は狙う墓に向かった。

「でっかい墓だな」
「ああ、これが王様の権力ってやつよ。じゃ、とりかかりますか」
墓の中に入るには、ドアを壊して入ることになる。
ロウソクに火を灯し、そろりそろりとお目当ての部屋を目指す。

部屋に入ると、大きなお棺が3つあった。
「おや?3つもあるんだな。情報によると2つってあったけど」
「ま、3つの方がそれだけ金品が多くあるってことじゃないの?」
「そうだな」

さっそく墓の蓋を開けて、中の金品を袋の中に入れていく。
「すっげえな」
もう俺らは頭がおかしくなりそうなくらい、たくさんのお宝に笑いが止まらない。

その時だった。
ギギギギギギイイッッ
「ん?なんだ?この音」
「なにが?」
ギギギギギギギイイイイッツ
「擦るような音がしてくるぞ」
「なんだろうな?この音?あっ、壁が、壁が迫ってくる」
「ヤバい、ヤバいっ!早く逃げないと!」
「あ、ああ」
「な、お棺の中に入ったらいいんじゃないか?」
「そうだな」

俺達は2つあるお棺にそれぞれ入って、蓋を閉めた。
こんなしっかりした石のお棺なんだから、壊れないだろう。

ガタンガタダッッッダダダッツ
ものすごい音がしたと思ったら、お棺はこっぱ微塵にぶっ壊れてしまった。

だが、たった1つだけ壊れなかったお棺があった。
それは、俺らが入っていないお棺だった。
そのお棺から、ギイギイギギッという不気味な笑い声が墓中に鳴り響く。
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