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UFOが飛んでる!空中に得体の知れない丸型の未知なる円盤が飛んでいた!ママ、本当にあれは未確認飛行物体なの?

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「ママ!あれを見て!もしかして、未確認飛行物体のUFOじゃない?!」
「え?!!まさか、飛行機か自衛隊のヘリコプターじゃない?」
「でも、凄い速さで飛んでるし、移動してるよ」
「んー、そうね」
今、私達が目にしているものは、空を物凄い速さでジグザグに飛ぶ円盤型のUFOらしきものが飛んでいた。

明らかにおかしいのは、それがパッと移動したかと思うと消えて、またパッと現れたかと思うとビュンッと移動するところだ。
「不思議な飛び方をするわ・・・」
そう思って見ていると、目の前にUFOが現れた!
家よりも大きいのではないかと思うほど大きなUFOが。
ドアがビーンと開くと、そこから異様に丸い頭と目の宇宙人が出てきて、私と子供の腕を掴み、UFOに乗せてしまった。
「キャッ!シゲル!お母さんの手を掴んで、離さないでね」
「うん!」
UFOの中に案内されると、さまざまな料理が並んでいる大きなテーブルがズラリと並んでいた。
宇宙人は「どうぞ、好きなところにお座りください。たらふく食べてください」と、流暢な人間語で話した。

「うわあ、お母さん!僕はハンバーガーを食べるよ」
「え、ええ。あの、どうしてこのような振る舞いをしてくれるのですか?」
と宇宙人に聞いてみれば、「あなたが私達の仲間を助けてくれたので、お礼をするために来たんですよ」
「お礼?誰か助けたかしら?は!もしかして、あの生き物が宇宙人だったの?」

1ヶ月前、私と息子はキャンプに行き、帰りに川で溺れていた生き物を助けた覚えがある。
異様に頭が膨れていて、目が大きい河童の子供のような生き物を。
妖怪かと思ったけど、あれが宇宙人だったの!??

でも、せっかくだからお言葉に甘えて、私達は料理を思い切り食べた。
「あの、もうそろそろ家に帰らないと、夫がお腹を空かせて待っていますので」
「ずっといてもらってもいいんですよ」
それでも帰りたいと言う私に、宇宙人は料理がいっぱい入った重箱を渡してくれた。
「あ、ありがとうございます」
「でも、家に帰るまで、けっして蓋を開けてはなりませんよ」
そう言うので、私は我慢して蓋を開けずに家まで持って行こうとした。

しかし、あまりにもいい匂いがしてくるものだから、私は重箱の蓋を開けてしまう。
すると・・・ボンッ!宇宙人のような顔になってしまったのだ。

その日から私は宇宙人ママとして、人目を避けるように、子供や夫と生活をするハメになってしまうのだった。

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