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ただで付けなさいよね!弁当屋でパートをしている私にママ友が来店したら文句ばかりで辛すぎる

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家の近くにあるテイクアウトができるお店で働き始めた私。
今日も子供を幼稚園に送ってから、その足でパートに行く。
「だいぶ慣れてきたじゃない」先輩店員の敦子さんが、私の慣れた仕事を見て褒めてくれた。
「ありがとうございます!」褒められたことで嬉しい気持ちになった私は、もっとお店のために頑張ろうと思った。

その時、「あら、美味しそうなお弁当ね」ママ友の真弓さんが来店した。
「あ、真弓さん。どうも」
「お弁当なんてね、人が作ったものはほとんど食べないんだけど、今日は特別に買っちゃおうかしら。なにがおすすめなの?このお店では」
「はい、鮭か豚肉のお弁当がおすすめです」
「あっそ、じゃあこの牛肉弁当にするわ。3個ちょうだい。あ、美味しくないといけないから、2個にしておくわね」
「は、はい」

袋にお弁当を入れて、「牛肉弁当2個で1080円になります」と伝える。
「あら?なんだか高くなったわね。おかしいわよ、1個500円って書いてあるのに、80円も高くなってるじゃない」
「この80円は消費税になります」
「ママ友から消費税をとる気?!そんなことだから繁盛しないのよ、この店。私を困らせた罰として、箸とフォーク、スプーンをそれぞれ5個づつちょうだい」と催促してきた。
「あの、それだけ付けるとなると、別途150円頂くことになりますが…」
「はあ?!せっかく歩いてここまで買いに来てやったのに、別にとるですって?!おかしいんじゃないの?」
「でも、ただじゃないんですよ…これ」
「こっちは客よ?ただで付けなさいよね!付けないなら、もう2度と来ないわよ!こんな店!」

その時だった。
「ちょっと!さっきから聞いてればなんなの?あんた。嫌がらせに来たんでしょ?もう弁当代はいらないから、早く帰って!営業妨害よ!」
大柄の敦子さんが間に入って、太い腕で真弓さんの襟首を掴んで追い払ってくれた。
「助けてくれて、ありがとう御座いました」
「いいのよ」

あれから二度と真弓さんは店に来て、嫌がらせをしなくなった。
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