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1話 ご飯作ってあげます
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今日も学校はしんどかった。いつも通り生活したのでしんどいはずがないんだけど。陰の者には陽の者の光は強すぎるらしい。ちなみに俺は陰の者だ。
「あ、」
信号が赤になってしまった。
「またそんな陰鬱な顔でかえってるんですか。拓斗君?」
「うげ。」
今、サラッと可愛い笑顔で毒を吐いたなこいつ……黙っとけば可愛いのに。
こいつはクラスメイトの紗霧 花奈。去年から同じクラスで才色兼備の毒舌女子だ。学校一の人気者で超絶可愛い。てか、なんで俺にだけこんなに毒舌なのだろうか?
「信号、青になったよ~。どうしてぼ~っとしてるの~?」
「ちょっと考えごとだ。てか、急な猫なで声は気持ち悪い」
「あ~わかった~。私の悪口言っていたな~。私に言ってみなさぁーい!」
「人の話し聞いていたか?」
「少なくともあなたよりは聞いていますよ。」
「いや、落差ヤバいな。でも、やっぱりそっちの方が落ち着くな。」
「そうでしたか。M 気質がありましたか。」
そんなことは無いんだけどな。てか、なんでそうなるんだよ。あー、さっきの質問に答えてやらないとな。
「さっきの質問の『私に言ってみなさーい』のやつなんだけど」
「ん?あぁ。いいですよ?別にそんなことどうでもいいですし。」
「口を開くと毒しか吐かないやつ」
「ほら、やっぱり悪口じゃないですか」
「才色兼備で、黙っとけば可愛い」
紗霧さんの顔が真っ赤になっていく。トマトみたいだ。
「私が才色兼備で可愛い......私......可愛い……ヤバい……うれしいんだけど……」
「おーい! 大丈夫かー」
都合の良いように切りぬかれている。ほんとに大丈夫か?ちょっとトリップしすぎではないか?まぁそれが面白いのがいいのだが。
と、そんな(阿呆な)事考えてたら、
「おだてても何も出ませんよ……?」
ちょっと目線をそらし気味して言ってきた。顔は赤いまんまだ。
いや、待て。なんなんだこの生き物は。超可愛いじゃねーか。
こっちのキャパがオーバーしてしまいそうだったので話題を変えることにする。
「なぁ、また信号赤になったぞ?」
「そうですね。どうしてくれるんですか? 貴方のせいですよ?」
「俺のせいかよ!」
「まぁ、そうなりますね。」
「理不尽な……」
何がともあれ腹減ったなぁ。コンビニでもよって帰ろうかな。どーせ帰っても一人だし。
「なぁ、」
「ダメです。」
「いや、否定が早いよ」
「『なぁ、コンビニによってなんか買ってきてもいいか?』ですよね?許されるとでも思ってるのですか?」
一語一句間違ってないな……すごいを通り越して怖いな。てか、なんでダメなんだ?
「コンビニでホットスナックを買って食べたら夜ご飯が食べれなくなるじゃないですか。」
「ん?その言い方だとお前が夜ご飯でも作ってくれるのか?」
ん。信号が青になった。ここの信号は歩車分離式だから長いんだよな……
青になったことを伝えようとして横を見ると、そこには手帳とにらめっこをしている紗霧さんがいた。
「え~っと……ここは今日じゃなくていいですね……この課題は昨日しましたね……よし!」
「ど、どうしたんだ?」
「今日は貴方のところで、夜ご飯を作ってあげます。」
マジか……聞く人が聞いたら俺、殺される可能性がおおいにあるな……まだ死にたくないのだが、紗霧さんのご飯を食べてみたい気持ちもある。
「どうするんですか? 答えが遅いですね。それだからテストも最後まで解けないのですよ」
「うるさいやい。余計なお世話だ」
「事実なんですけど……」
まぁ、最近、自炊してないし作ってもらおうかな。作ってもらっても自炊ではないのだが。
「そうだな……今日は作ってもらおうかな」
「そうですか! 冷蔵庫に何があるか教えて下さい」
心なしか少し嬉しそうなのだが……まぁ、いいや。何かあったっけ?うーん……あっ!
「水があるぞ!」
「買い出しに行きましょうか」
「ソウデスヨネー」
まぁ、丁度良かった。また赤になったからな。最寄りのスーパーマーケットはここを渡らなくていい。
しばらく歩いたら、スーパーマーケットに着いた。最寄りのスーパーマーケットまでは徒歩十分で着く。近いかどうかの判断は任せるが、遠くはないと思っている。
「ほら、誰にも見られないようにさっさと買いにいますよ。いいですか?」
「おう、わかった」
「ところで、何かリクエストありますか?」
「リクエストしたら作ってくれるのか?」
「いいですよ。特別サービスです」
「じゃあ、オムライスが食いたい」
「珍しく即決でしたね」
「おう。食いたかったからな。」
そうなのだ。食いたかったのだ。コンビニで買うと少ないからあまり買わないようにしているから、最近食べてない。だから食いたかったのだ!
紗霧さんはテキパキと買い物を済ませていく。肩にかかるくらいの髪が心なしか楽しそうに揺れている。
ん?オムライスにじゃがいもとか、人参とか必要だっけ?まぁ、いっか。考えるのめんどくさいや。
「さすがに米はありますよね……?」
「あるぞ。なんでそんなに不安そうなんだよ?」
「ない可能性があるからです。自炊出来ない拓斗君の事ですから全部買って済ましているのではないかと思いまして。」
酷いな。そんなことないぞ。ここ最近は自炊してないけど、前は自炊してたぞ。ご飯炊いて、ふりかけかけて、食べる。卵かけて、食べる。
紗霧さんが会計を終わらした。とても早い。余程見られたくないらしい。(多分)
「ほら、いきますよ」
「レシートくれ。代金はだすから」
「はい、レシートです」
「おう」
な、なに! あんなに買っていたのに四千円くらいだと……。あいつ、いい嫁になれるぞ。毒舌をなおせたらな。
「お腹すいたんでしょう?早く行きますよ」
「わかった。にしても珍しいな。お前が夜ご飯を作ってくれるなんて、初めてじゃないか?」
「え、そうですね。ちょっと私のことをよく言ってくれたのが嬉しかった訳ではありませんよ。気まぐれです。はい。気まぐれです」
自爆したね。あえて言わないけど、自爆してたよね。ちょっと褒めただけだけど余程嬉しかったんだろうね。
「あ、」
信号が赤になってしまった。
「またそんな陰鬱な顔でかえってるんですか。拓斗君?」
「うげ。」
今、サラッと可愛い笑顔で毒を吐いたなこいつ……黙っとけば可愛いのに。
こいつはクラスメイトの紗霧 花奈。去年から同じクラスで才色兼備の毒舌女子だ。学校一の人気者で超絶可愛い。てか、なんで俺にだけこんなに毒舌なのだろうか?
「信号、青になったよ~。どうしてぼ~っとしてるの~?」
「ちょっと考えごとだ。てか、急な猫なで声は気持ち悪い」
「あ~わかった~。私の悪口言っていたな~。私に言ってみなさぁーい!」
「人の話し聞いていたか?」
「少なくともあなたよりは聞いていますよ。」
「いや、落差ヤバいな。でも、やっぱりそっちの方が落ち着くな。」
「そうでしたか。M 気質がありましたか。」
そんなことは無いんだけどな。てか、なんでそうなるんだよ。あー、さっきの質問に答えてやらないとな。
「さっきの質問の『私に言ってみなさーい』のやつなんだけど」
「ん?あぁ。いいですよ?別にそんなことどうでもいいですし。」
「口を開くと毒しか吐かないやつ」
「ほら、やっぱり悪口じゃないですか」
「才色兼備で、黙っとけば可愛い」
紗霧さんの顔が真っ赤になっていく。トマトみたいだ。
「私が才色兼備で可愛い......私......可愛い……ヤバい……うれしいんだけど……」
「おーい! 大丈夫かー」
都合の良いように切りぬかれている。ほんとに大丈夫か?ちょっとトリップしすぎではないか?まぁそれが面白いのがいいのだが。
と、そんな(阿呆な)事考えてたら、
「おだてても何も出ませんよ……?」
ちょっと目線をそらし気味して言ってきた。顔は赤いまんまだ。
いや、待て。なんなんだこの生き物は。超可愛いじゃねーか。
こっちのキャパがオーバーしてしまいそうだったので話題を変えることにする。
「なぁ、また信号赤になったぞ?」
「そうですね。どうしてくれるんですか? 貴方のせいですよ?」
「俺のせいかよ!」
「まぁ、そうなりますね。」
「理不尽な……」
何がともあれ腹減ったなぁ。コンビニでもよって帰ろうかな。どーせ帰っても一人だし。
「なぁ、」
「ダメです。」
「いや、否定が早いよ」
「『なぁ、コンビニによってなんか買ってきてもいいか?』ですよね?許されるとでも思ってるのですか?」
一語一句間違ってないな……すごいを通り越して怖いな。てか、なんでダメなんだ?
「コンビニでホットスナックを買って食べたら夜ご飯が食べれなくなるじゃないですか。」
「ん?その言い方だとお前が夜ご飯でも作ってくれるのか?」
ん。信号が青になった。ここの信号は歩車分離式だから長いんだよな……
青になったことを伝えようとして横を見ると、そこには手帳とにらめっこをしている紗霧さんがいた。
「え~っと……ここは今日じゃなくていいですね……この課題は昨日しましたね……よし!」
「ど、どうしたんだ?」
「今日は貴方のところで、夜ご飯を作ってあげます。」
マジか……聞く人が聞いたら俺、殺される可能性がおおいにあるな……まだ死にたくないのだが、紗霧さんのご飯を食べてみたい気持ちもある。
「どうするんですか? 答えが遅いですね。それだからテストも最後まで解けないのですよ」
「うるさいやい。余計なお世話だ」
「事実なんですけど……」
まぁ、最近、自炊してないし作ってもらおうかな。作ってもらっても自炊ではないのだが。
「そうだな……今日は作ってもらおうかな」
「そうですか! 冷蔵庫に何があるか教えて下さい」
心なしか少し嬉しそうなのだが……まぁ、いいや。何かあったっけ?うーん……あっ!
「水があるぞ!」
「買い出しに行きましょうか」
「ソウデスヨネー」
まぁ、丁度良かった。また赤になったからな。最寄りのスーパーマーケットはここを渡らなくていい。
しばらく歩いたら、スーパーマーケットに着いた。最寄りのスーパーマーケットまでは徒歩十分で着く。近いかどうかの判断は任せるが、遠くはないと思っている。
「ほら、誰にも見られないようにさっさと買いにいますよ。いいですか?」
「おう、わかった」
「ところで、何かリクエストありますか?」
「リクエストしたら作ってくれるのか?」
「いいですよ。特別サービスです」
「じゃあ、オムライスが食いたい」
「珍しく即決でしたね」
「おう。食いたかったからな。」
そうなのだ。食いたかったのだ。コンビニで買うと少ないからあまり買わないようにしているから、最近食べてない。だから食いたかったのだ!
紗霧さんはテキパキと買い物を済ませていく。肩にかかるくらいの髪が心なしか楽しそうに揺れている。
ん?オムライスにじゃがいもとか、人参とか必要だっけ?まぁ、いっか。考えるのめんどくさいや。
「さすがに米はありますよね……?」
「あるぞ。なんでそんなに不安そうなんだよ?」
「ない可能性があるからです。自炊出来ない拓斗君の事ですから全部買って済ましているのではないかと思いまして。」
酷いな。そんなことないぞ。ここ最近は自炊してないけど、前は自炊してたぞ。ご飯炊いて、ふりかけかけて、食べる。卵かけて、食べる。
紗霧さんが会計を終わらした。とても早い。余程見られたくないらしい。(多分)
「ほら、いきますよ」
「レシートくれ。代金はだすから」
「はい、レシートです」
「おう」
な、なに! あんなに買っていたのに四千円くらいだと……。あいつ、いい嫁になれるぞ。毒舌をなおせたらな。
「お腹すいたんでしょう?早く行きますよ」
「わかった。にしても珍しいな。お前が夜ご飯を作ってくれるなんて、初めてじゃないか?」
「え、そうですね。ちょっと私のことをよく言ってくれたのが嬉しかった訳ではありませんよ。気まぐれです。はい。気まぐれです」
自爆したね。あえて言わないけど、自爆してたよね。ちょっと褒めただけだけど余程嬉しかったんだろうね。
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