空舞う乙女は異国で羽を休める

【第一章】異国の地へ

4.穏やかな生活

まず、狩りについて説明を聞いた。
悩む私に、上手い人も初めはできないところから始めるのだと言う。
結果、まずはお試しから、ということで仲間契約を交わした。

病院という場所から出たあと、ニコル・レネアスの家に連れられた。
大きな家だった。住まいは別で、ここは冒険の拠点にしていると言っていた。
ギルドと呼ばれる場所に行き、体力試験と魔法力の確認というのをした。
ニコルは、結果を見て驚く大人たちを大変そうになだめていた。
拠点に帰ると、拠点の管理を任されることになった。
魔法の練習もしながら過ごす日々の暮らしに慣れた頃、冒険の一歩を踏み出す。

「リリア、そろそろ簡単な依頼を受けてみる？」
「はい、先生」
「だから、ニコルでいいって。俺もまだ半人前だから」
「私にとっては先生です」

庭の手入れをしながら話していた手をとめたニコル先生は、私の方を向いた。

「まあ、そうだよね。だったら、魔法の練習の時は先生でいい。
日々の生活や狩りのときはニコル。いい？」
「わかりました」
「よろしい。今日は魔法の練習で、依頼は明日ギルドに行って相談しようか」

作業終わりの合図と共に、先生の顔をしたニコルは、
先に立ち上がって私に手をのばす。

「はい」
「では、今日の練習内容は…」

その手をとって立ち上がると、その場で練習を始めた。