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【第一章】異国の地へ

3.記憶喪失

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目をあけると、白い天井が視界いっぱいに広がった。

「…起きたか?」

急に隣で声がしたので、声の先を目で探す。

「医者を呼んでくる」

見つける前にどこかへ行った声の人は、誰かを連れて戻ってきた。

「まずは診察します」

長い診察が終わった後、声の人は医者と呼ばれる人と部屋をでていく。
少ししたら戻ってきた音がした。

「君、名前は?」

隣で声がしたので、少し体を動かして、その人をやっと見た。

「なまえ、は…名前は、ええと…」
「親御さんの名前は?」

思い出せない私に、続けて問いかけられる。

「…わからない」

わからなかった。私は、どこの誰か。
焦る私をみて、とても困ったような顔をするその人は、
少し考えた後、口を開く。

「私はニコル・レネアスという者です。
君がよければ、ですが。共に狩りをしませんか?」

ニコル・レネアスと名乗る人は、楽しそうに笑いながら、そう言った。
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