師追う背陰

秋赤音

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群れる兎- 苦しくても飛び越える

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彼女は青い顔で怖がっている。
僕は走る。走り方を教えてくれた隠密の兄に感謝した。
武器が無くても戦える方法を教えてくれた姉に感謝した。
彼女を抱いて急ぎ去る。
背後から怒鳴り声がした。

「ど…して!どうして!僕のお姫様…!」

逃げ切るために、あえて未使用の部屋に入る。
埃はないから手入れはされているようだった。

九兎くうとくん…ありがとう。一兎いちとちゃん、怖かったから…っ」

肩が震えている彼女を抱きしめた。

「大丈夫。僕が守るから」

「うん…ありがとう」

静かに泣き始めた彼女が流す涙を唇で吸って、首筋に伝う水を舐めとる。

「…っ、くぅ、と…くんっ?」

咲夜さくや、の涙は美味しいね」

「…っ!なまえ…っ」

「あの人と同じはやめる。僕もくん、つけなくていい。
あ、泣くのやめるの?疲れるよね。僕の勉強部屋で休もう?」

「うん」

彼女が安心したように柔らかく笑むから、嬉しかった。
僕の勉強部屋は彼女を初めて連れる部屋だけど、見た目は全部同じ。
違う部屋だって気づくかな?
私室の一つに与えられたお香を置いている部屋に着いたら鍵をかける。

「ここ…香りが、今までと…ちが、う?ぁ…っ」

フラりと倒れそうになった彼女を抱えあげる。
体温を確認するために首筋に触る。
撫でて、指先で軽く叩くか押し当てると熱くなり始めている体は女性だけに誘淫効果のある香りのせいだろう。
初めてくる部屋だと気づいてくれたのが嬉しくて、ドキドキした。
彼女とさらに思い出を重ねていく大きな一歩は、想像よりも心が跳ねた。

「大丈夫?」

「ぅ…んっ、ふ、ぅっ…ぁ、あっ…ん…んっ!」

「ベッドに運ぶよ」

滑りの良い冷たい生地が敷かれたベッドは彼女を興奮させるらしい。

「ぁひっ!つめ…たぃいっ!あつい、あつい…っ!」

自ら服を脱いで惜しみなく裸体を晒し、寝返りながら冷たい布に体を押しつけると甘い香りが強くなる。

「ぁ…は、あぁあっ!あつぃ…っ!あついよぉ…っ!」

うつ伏せられている足に流れるとろんとした液体を指先でなぞると、彼女は高い声で絶頂した。

咲夜さくや。熱いの嫌?どこが熱い?」

「ぃやぁあっ…!おなか…むね、もぉ…っ!助けて、くうと…んぅうっ!」

「わかった。僕が守るから…ずっと傍にいてね。咲夜」

「んっ!んぅ…ずぅっと、いっしょ…いるぅうっ!」

彼女の足を開いて、体液が流れている女性の陰部を目前に晒す。
愛し合うための大切な穴は指で撫でて、小さい突起を軽く押す。

「んひぃいいんっ!ぁついの、とまらなぃよぉ…っ!」

指を浅く、深く、押しつけたり、出し入れする。
触るたびに体液をこぼしながら跳ねて、喘いで、快楽をねだるように押しつけてくる。

「お腹の奥も、冷ますからね」

「んっ!あついの、だして…っ!くぅとぉ…っ!」

示され大きく開かれた陰部は、これから少女から女のものへと変わる。
一つになって、熱を分け合って。
女になった彼女は、僕を呼んで、狂ったように僕をさらに求めた。
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