縋るものは。

芋蟲

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依存

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 俺の部屋には、不清潔で、格好の乱れた女が居る。
毎日毎日飽きもせずに、誰かに、何かに謝罪をしている。酒で酔つ払う俺に毎度毎度殴られている。それの耳裏に黒子が有り、そこで丁度いい具合に煙草の火を押し付けているのだ。何に対して謝罪しているのだろう、全くの見解がつかない。女は俺と同居しているらしく、毎日餌を喰って、吐き出して、気絶していて、また起き上がってを繰り返している。だからだ、解らない。悪行なんぞ働いていないというのに、これは謝罪しているのか。俺は今の間に付けていた煙草の火をそれの指と指と間に挟ませ消した。余りにも汚い爪が見えたので、それを剥がしてやった。女はこの時に至っても謝罪している。それの口元に火を落とせば何時も黙るのだが、今日はもう六本の煙草を既に吹かしていた。それのベタついてしつこい髪を引っ張りながら、俺は今日、我慢が出来ずに訊いた。

一お前は、何故。無意味無価値な存在である上で謐いている..........................嗚呼、別に耳に障った訳では無いんだよ。君はいつも頑張っているね。一

一..............教えて上げましょう。それは可哀想な貴方達の替わりに、父に懺悔をしているのよ一

一へぇ、君は宗教に勤勉で、且つ、沿っているんだね。知らなかったよ。...神は僕を許してくれてはいないかな。一

一................許していないわ。今この時も憤怒して居らっしゃる。だからこうして妾が貴方達を守っているのよ。一

彼女は僕に、父なるそれは僕を許していないと云った。ああ、そういえば彼女の体の傷が増えている。これはいけない。

一先ず、君を手当してあげようね。一
僕が手の届く所へ転がっていた消毒液を取る頃には、彼女はまた両手を組み、祈りを捧げていた。そうだ、正しく此れは。
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