今では 今なら 今も、、、

はる

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不安

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私達の二股計画。


三人で決めた事は

まず


1、私とイチヤが付き合う。

サキはもうイチヤとは過去に付き合ってた事。
サキにも付き合ってみたい人がいた事。
イチヤが彼女を欲しいとタクから聞いた事。

ここは普通の私でもうまくいくかもしれない。



2、美人のサキがイケメンと付き合う。

タクの家に集まる男子の中でも
可愛い系のイケメンで
女子と喋ってるのをたまにしか見た事がない。
子犬みたいな笑顔でいつもタクと暴れてる。
実は本物のヤンキーって事が
今まで田舎の高校では彼女がいなかっただけ。
怒らせたら怖い人。

サキならうまくいくかもしれない。



3、カズキは本命と付き合う。

この人もタクの家に集まる男子のうちの一人。
カズキは入学してからずっと想っていた。
ただ、彼の周りには女子がいつでもいた。
誰かと付き合っている訳ではなく、
席変えの度に近くにいる女子といつも話してる。
そんなだから、
物静かな女子からは密かに人気があって、
何を考えてるのかわからない人。

カズキの本命なだけに力が入る。



私はタクが大丈夫なのか不安になった。
カズキもサキも
タクと私と言う発想は無かったようだ。

大丈夫かなぁ。。。。。




~音楽~
窓の外すがすがしく 晴れてれば晴れてるほど
哀しくなるのはとても寂しいことだと思います
僅かな月日で積み上げた
幻を後生大事に拝むのはもうやめた

逃がさないで 逃げないで
胸の痛みと手をつないで 明日を迎えよう
イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外
生きてるからしょうがない
シンパイナイ 
モンダイナイ 
ナイ ナイ 
ザッツライフ

甘えたいね ぬぎたいね
ツラいおもいしないのはダサイね 素通りしたいけど
イカす男女 ナレるでしょう
切り抜ければ待ってる次のショウ
トラブルは素晴らしいチャンス
シンパイナイ 
モンダイナイ 
ナイ ナイ 
ザッツライフ
イッツオ-ライ
   「Wonderful Opportuni 




早速
私達は行動に出る。

私達のペースは
いつも本当に早い。

突然、都会に
「これから行くよ!」
「制服姿で歩いてみたい」
「ライブ行かない?!」


こんなんだから
他校との出会いも多かったのかもしれない。



計画は次の日から始まる。



私はフラれても怖くは無かった。
イチヤは門限がある人だから
昼間に行動するしかないし。


次の日の放課後
タクの家に電話した。


ハル 「タクー! イチヤ来てるー?」
タク 「かわる?」
ハル 「うん! お願い!」
イチヤ 「おうっ」
ハル 「イチヤ! 私と付き合わない?」
イチヤ 「んー、、、、付き合うか。」


あっけなく決まった。
イチヤ
少し迷いがあったような???

でも
私にとっては計画が成功したから良かった!
そんなイメージだった。



カズキとサキは
もちろん大喜び!

良かったぁ。
一つミッションが成功した。


私はタクの家ではどんな事になっているのか
不安もあったが

次のミッションである
サキと子犬ヤンキー君を付き合わせる事を考えた。

二人も同じ。
明日はサキだね!

もう、今いる彼の事は頭には無かった。

私は決まって
マメな彼から電話が来て
「何してるー?」
くらいの会話を短い時間でお互いの今日あった出来事を話す程度だったから。
嫌いじゃないけど、好きでもない。
カッコいいと思ってたけど、優しすぎてマンネリ気味だったと思う。


それよりも
この日、タクからの電話は無かった事に不安を感じた。
私も何となく電話をするのをためらった。




朝がきた。
普通の朝。
何にも変化を感じないまま学校へ行く。


ハル 「おはよー」
普通の学校での朝。


普通に自分の席に座り
普通に近くの席の人と私は騒ぐ。


何もかも普通の日。


1時間目が終わる。
教室の入り口から
突然
「はるー」

ん??

あーイチヤか。

隣のクラスからイチヤが来るのは珍しい。
タクじゃなく、私の名前を呼んだイチヤの行動に周りはざわついていた。

自分の席から離れて
ロッカーの方で二人で話して休憩が終わる。


たわいもない話ししかしてないから
何とも思わない。


私は一組でイチヤは二組。
カズキもサキも二組。

私はいつも自分の教室から動かないから
いつもカズキかサキがクラスに来てくれる。
二人が来ない間は、自分の席の近くの友達と話してた。


全てを知ってるタクは一組で
イチヤがわざわざ一組に来た理由はわかっているはず。

タクはいつものように騒いでいた。


チャイムが鳴り
イチヤはクラスに帰り
私も席に戻った。
周りもいつも通りに感じた。


お昼休みは
カズキとサキが一組に来る。


二人はいつも以上にテンションが高かった。
クールなサキと
ギャルヤンキーのカズキ
楽しそう。

私も嬉しい。


カズキ 「五時間目、音楽だよね!」
ハル 「やべっ 教科書忘れた!」
カズキ 「ハル、いつも持ってないじゃん」
サキ 「教科書使ってる?」
ハル 「新品!!サキ!また見せて!」

カズキは自分が教科書を見せてあげたいと思う子だけど
でも席が遠かった。 


クラスが違うのに
何でかと言うと


音楽の授業は選択科目で
みんなで音楽を選択してたからだ。
もう一つの選択科目は書道で
おとなしめの子が選択していた。


クラスが一緒になる唯一の授業。
偶然なのかラクだからなのか
目立つ男子もみんな音楽を選択してる。



五時間目。

選択科目の音楽の席順は

一組男子
二組男子
一組女子
二組女子

この順番。

出席番号順でいくと


イチヤの席は私の斜め前。
サキの席は偶然、私の隣だった。
私とサキは席をくっつけてた。



ただ、この日何か違う。


家では優等生のイチヤも
学校では自由。

席を移動させる。


私の隣の席に
ドンっ
と、座った。

誰も文句を言えない。


教科書がない私は
イチヤの教科書でリコーダーを吹く。


さすがに



おかしいでしょ。。。




この日の放課後

イチヤと付き合って1日目で
周りは
「あの二人付き合ってるの??」

たった1日で噂になった。



逆に何でみんな
そんなに敏感なの??

私には不思議でたまらなかった。

あー
あの目立つイチヤだからかー


私は普通に過ごしてるだけなのに。。。
私が普通の女子だからかな。



でも、
ミッションはまだ終わっていない。

修学旅行までもう少し!
タクにも幸せになって欲しい。


クラスでは自由人だった私にも
その中で同じクラスに私と同じ境遇の友達が出来ていた。

二年生の時のクラス変えで
私と同じく
仲の良かった友達と
クラスが離れた子。

一言で言うと天然で可愛い女の子。
ツッコミ役が多い私にはとてもラクな友達で

カズキとサキも
受け入れてくれつつあった。

天然で可愛いは無敵だ(^-^)v




その前に
次はサキと子犬ヤンキーくん。


ここで
私は現実に苦しむ事になる。
イチヤ。。。。


~音楽~
渇きかけた心に 小さなひびひとつ
互いのそれを触れ合った 夏の日

消えゆく季節に ふたり逆らうように
炎を産んで

抱き締めるほど君は 消えてしまいそうで
戸惑いの中 熱く 乱れ羽ばたいた

君の昔、僕のいま、これから…
何を囁く
知ることの痛みもいくつか知ったよ

夜を越えるたびに ふたりただの男と女

何もかも許し合えば また迷いはじめる
言葉とぎれても 今 そばにいよう

瞳を見たい 黒い髪に口づけたい
隠しきれない想いが とめどなくあふれる

このままか これ以上か 愛の形 何か欲しい

傷つくのはかまわない… いつまでも傷つけない
強く魅かれてゆくほどに 眠れぬ日は続く
        「紅い陽炎」


私には
次のミッション!

それだけ


だったのだが。。。。
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