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209. ロンド~踊る命~ -26- 青木家の終焉①
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青木家の照明がついた。
あと数分で午後九時になるところだった。
帰ってきた姿は見ていなかったが、一階の部屋の照明がパッとついたのだ。
男は青木家の呼び鈴を押した。
呼び鈴を押すと「はい」と返事があった。小さな声だったが、女の声だ。
男はインターホンで「宅配です」と言った。
間もなくカチャンと解錠されたが、ドアが開く気配がない。
男は玄関ドアに手をかけ開くかどうか確かめた。
ドアが開いた。
男は「あのー・・荷物・・」とあくまで宅配業者を装った。
「中まで運びますかー?失礼します」
空のダンボールを持ち、ドアを開けて玄関内に入ると、誰もいなかった。
「・・・奥に運んでもらえますか」
女の声がした。
好都合だと思いながら男は「はーい」と返事をした。玄関ドアを閉めて鍵をかけ、土足のまま部屋にあがった。
奥ってどこだ?
「こっちです・・」
ドアが開く音がした。
台所のドアだ。のぞいたが、やはり誰もいない。四人がけのテーブルセットがあるが、テーブル上はかすかに埃がたまっている。
シンクがからからに乾いていた。使っている様子がない。生活感を感じない。少なくとも台所からは。
「こっちに持って来てください・・」
小さな声がして男の肩がビクンと跳ねた。男は振り向いた。空間があるだけだ。
もっと奥の部屋にいるのか?どっちにしろいることは居るんだ。声がするのだから。
だが、なんだか奇妙だ。気味が悪い。
男はここで逃げるべきだったのだ。
貴之らが土門良介の自宅に到着したのは午後八時半。
県道で事故があり、別の道を通ったため時間がかかってしまった。
土門良介は貴之をみるなり、布団に体を横たえたまま、興奮気味に涙を流し謝罪を繰り返した。
「土門、落ち着け、体に障る。だが何故お前がみふゆの妹を知ってるんだ」
「紗重は俺の孫だ・・。留美子も小夜子も、青木の奥さんと娘さんには申し訳ないことをした・・、もっと早くに知ってりゃあ・・・」
土門が事情を話し始め、一通の手紙を貴之に渡した。
差出人は田中留美子。
みふゆの母・礼夏が倒れたあと、紗重を養女として連れて行った女性の名だ。
田中留美子はかつて土門良介の恋人だったが、妊娠をきっかけに別れてしまった。子供の将来を心配した留美子が、ヤクザ家業の土門ではなく、田中という一般人の男性との結婚を選んだのだ。
みふゆの妹・紗重は、青木重弘と土門の娘・小夜子の子供だった。
看護師になり精神科に勤めていた土門良介の娘は、患者の青木重弘と出会い、深い仲になっていったのだ。
小夜子は難産で女の子を出産後亡くなった。
すでに夫を亡くして保険金で悠々自適に暮らしていた留美子は、いまさら一人で赤子を育てるのかと面倒になり、『青木重弘の子供だから』と礼夏に赤子を押しつけたという。そして、留美子は礼夏が倒れ意識が戻らないままであるのをいいことに、みふゆから紗重を取り上げた。
留美子の息子夫婦に子供ができず、養子をとりたいと相談され、小夜子の子供を思いついたのだ。紗重は三歳になっていた。
こうして紗重はアメリカ在住の留美子の息子夫婦の手に渡った。
土門がこれらの事実を知ったのはつい最近だった。
病で倒れた留美子が、礼夏とみふゆへの贖罪か、『もしも青木夫妻の娘さんが何かに困っていたら力になってあげてほしい』と、土門あての手紙を弁護士に託して亡くなったというのだ。
土門良介の告白と手紙により、貴之は青木家の隠された複雑な家族関係を知った。
貴之は心を掻きむしりたい衝動と痛みに襲われた。
紗重を引き取りたいあまりに、まだ十五歳だったみふゆに対し、留美子はずいぶん酷い言い様で青木重弘と礼夏をなじった事実が手紙には書かれていたからだ。
みふゆは紗重が父・青木重弘の妹の子だと礼夏から説明を受けていた。が、田中留美子の出現により、父とよその女性との間にできた子供だと知ってしまったのだ。
何を言われても、みふゆに確かめる術などなかった。
言われるままを受け入れる以外なかったみふゆの辛さが、貴之の心に無数の針となって突き刺さった。
貴之は時々、全ての出来事は必然だったと思うことがあった。
青木重弘が精神を病んだことも、その原因さえも。
だが、十五歳のみふゆが味わった辛酸を知った今、『必然』などという言葉に逃げて誤魔化そうとした自分を貴之は恥じた。
貴之は責任を感じている土門に『事』の元凶が何だったのかを語った。
去り逝く男に責苦を背負わせたくない。
全ての責めは自分が背負うべきなのだ。
『事』の元凶━━━貴之の弟として育てられた男・飯田保。
父・惣領貴斗のいとこの再婚相手の連れ子だ。いとこ夫妻が事故で急逝し、助かった小学生になったばかりの保を惣領家が引き取った。
「惣領家の男が育てるはずだった子供だ」と言って、養子にはしなかったが、貴之の弟という地位を与え面倒をみたのが始まりだった。
末っ子だった貴之も弟ができたと喜んだ。貴之は保をかわいがり、保は貴之を慕った。当初は仲の良い、本当に兄弟のような貴之と保だった。
保は大学を卒業させてもらった後、裏社会に属する惣領家を嫌い、縁を切ると言って出て行った。
義理と人情に人一倍厚かった惣領貴斗の思いを足蹴にされたと惣領家の血族は怒り、保に報復を願い出たが、貴之は認めず、今後関わりを持たないこととした。
保は結婚で相手方に婿入りして名前が変わり、音信不通だったのが、事業が立ち行かなくなったと、貴之に助けを求めて会いに来ていた。
貴之は求めに応じず、保には会わなかった。
正確には会えなかったのだ。
保が訪ねてきた日は京司朗が刺され、出血多量で死に瀕しており、貴之は病院に駆けつけ供血をしていたからだ。
貴之の供血量は京司朗のために命をかけた量で、供血後は動ける状態ではなかった。
貴之は保が訪れた報告を受け、縁のない他人であることを貫き、一切の関わりを拒否するようにと、屋敷につめていた顧問弁護士に命じた。
皮肉なことに、この関わりを絶った保が青木家に繋がっていた。
もしも誰かに様子を伺わせていれば、わずかでも調べることをしていれば、貴之はそこから礼夏とみふゆにたどり着くことができたはずだった。
保の後輩に、みふゆの父・青木重弘がいたのだ。
莫大な債務を抱えた保は、自分の妻と青木重弘の目の前で命を絶った。結果、青木重弘は保を救えなかった自責の念にかられ、精神を病んでしまった。
貴之は五十年来の親友にも明かさなかった出来事を教えた。
みふゆが実の娘であること、母親が水無瀬一族最後の当主、水無瀬礼夏であること、父親としてみふゆを育ててくれた青木重弘と貴之の弟だった保との関係━━━━━
貴之に、保を見捨てたあの日の自分の判断の結果が重く重くのしかかる。
「・・貴之・・、貴之よぉ・・、辛ぇなあ・・なんでおめぇばかりがよぉ・・・」
貴之は無言でうつむき、唇を震わせた。
「貴之・・、青木さんにゃあ俺が謝っておくからよ、ちゃんと謝っておくから・・・おめぇはお嬢ちゃんを幸せにしろ・・。おめぇの血が流れてるたった一人の子供なんだからよ・・。そしておめぇも幸せになれ・・お嬢ちゃんと一緒に幸せになれ・・、な?貴之、幸せに生きていってくれ・・・」
土門良介は貴之を気遣い、互いに涙したふたりは、今生の別れをした。
青木家の照明がついた。
あと数分で午後九時になるところだった。
帰ってきた姿は見ていなかったが、一階の部屋の照明がパッとついたのだ。
男は青木家の呼び鈴を押した。
呼び鈴を押すと「はい」と返事があった。小さな声だったが、女の声だ。
男はインターホンで「宅配です」と言った。
間もなくカチャンと解錠されたが、ドアが開く気配がない。
男は玄関ドアに手をかけ開くかどうか確かめた。
ドアが開いた。
男は「あのー・・荷物・・」とあくまで宅配業者を装った。
「中まで運びますかー?失礼します」
空のダンボールを持ち、ドアを開けて玄関内に入ると、誰もいなかった。
「・・・奥に運んでもらえますか」
女の声がした。
好都合だと思いながら男は「はーい」と返事をした。玄関ドアを閉めて鍵をかけ、土足のまま部屋にあがった。
奥ってどこだ?
「こっちです・・」
ドアが開く音がした。
台所のドアだ。のぞいたが、やはり誰もいない。四人がけのテーブルセットがあるが、テーブル上はかすかに埃がたまっている。
シンクがからからに乾いていた。使っている様子がない。生活感を感じない。少なくとも台所からは。
「こっちに持って来てください・・」
小さな声がして男の肩がビクンと跳ねた。男は振り向いた。空間があるだけだ。
もっと奥の部屋にいるのか?どっちにしろいることは居るんだ。声がするのだから。
だが、なんだか奇妙だ。気味が悪い。
男はここで逃げるべきだったのだ。
貴之らが土門良介の自宅に到着したのは午後八時半。
県道で事故があり、別の道を通ったため時間がかかってしまった。
土門良介は貴之をみるなり、布団に体を横たえたまま、興奮気味に涙を流し謝罪を繰り返した。
「土門、落ち着け、体に障る。だが何故お前がみふゆの妹を知ってるんだ」
「紗重は俺の孫だ・・。留美子も小夜子も、青木の奥さんと娘さんには申し訳ないことをした・・、もっと早くに知ってりゃあ・・・」
土門が事情を話し始め、一通の手紙を貴之に渡した。
差出人は田中留美子。
みふゆの母・礼夏が倒れたあと、紗重を養女として連れて行った女性の名だ。
田中留美子はかつて土門良介の恋人だったが、妊娠をきっかけに別れてしまった。子供の将来を心配した留美子が、ヤクザ家業の土門ではなく、田中という一般人の男性との結婚を選んだのだ。
みふゆの妹・紗重は、青木重弘と土門の娘・小夜子の子供だった。
看護師になり精神科に勤めていた土門良介の娘は、患者の青木重弘と出会い、深い仲になっていったのだ。
小夜子は難産で女の子を出産後亡くなった。
すでに夫を亡くして保険金で悠々自適に暮らしていた留美子は、いまさら一人で赤子を育てるのかと面倒になり、『青木重弘の子供だから』と礼夏に赤子を押しつけたという。そして、留美子は礼夏が倒れ意識が戻らないままであるのをいいことに、みふゆから紗重を取り上げた。
留美子の息子夫婦に子供ができず、養子をとりたいと相談され、小夜子の子供を思いついたのだ。紗重は三歳になっていた。
こうして紗重はアメリカ在住の留美子の息子夫婦の手に渡った。
土門がこれらの事実を知ったのはつい最近だった。
病で倒れた留美子が、礼夏とみふゆへの贖罪か、『もしも青木夫妻の娘さんが何かに困っていたら力になってあげてほしい』と、土門あての手紙を弁護士に託して亡くなったというのだ。
土門良介の告白と手紙により、貴之は青木家の隠された複雑な家族関係を知った。
貴之は心を掻きむしりたい衝動と痛みに襲われた。
紗重を引き取りたいあまりに、まだ十五歳だったみふゆに対し、留美子はずいぶん酷い言い様で青木重弘と礼夏をなじった事実が手紙には書かれていたからだ。
みふゆは紗重が父・青木重弘の妹の子だと礼夏から説明を受けていた。が、田中留美子の出現により、父とよその女性との間にできた子供だと知ってしまったのだ。
何を言われても、みふゆに確かめる術などなかった。
言われるままを受け入れる以外なかったみふゆの辛さが、貴之の心に無数の針となって突き刺さった。
貴之は時々、全ての出来事は必然だったと思うことがあった。
青木重弘が精神を病んだことも、その原因さえも。
だが、十五歳のみふゆが味わった辛酸を知った今、『必然』などという言葉に逃げて誤魔化そうとした自分を貴之は恥じた。
貴之は責任を感じている土門に『事』の元凶が何だったのかを語った。
去り逝く男に責苦を背負わせたくない。
全ての責めは自分が背負うべきなのだ。
『事』の元凶━━━貴之の弟として育てられた男・飯田保。
父・惣領貴斗のいとこの再婚相手の連れ子だ。いとこ夫妻が事故で急逝し、助かった小学生になったばかりの保を惣領家が引き取った。
「惣領家の男が育てるはずだった子供だ」と言って、養子にはしなかったが、貴之の弟という地位を与え面倒をみたのが始まりだった。
末っ子だった貴之も弟ができたと喜んだ。貴之は保をかわいがり、保は貴之を慕った。当初は仲の良い、本当に兄弟のような貴之と保だった。
保は大学を卒業させてもらった後、裏社会に属する惣領家を嫌い、縁を切ると言って出て行った。
義理と人情に人一倍厚かった惣領貴斗の思いを足蹴にされたと惣領家の血族は怒り、保に報復を願い出たが、貴之は認めず、今後関わりを持たないこととした。
保は結婚で相手方に婿入りして名前が変わり、音信不通だったのが、事業が立ち行かなくなったと、貴之に助けを求めて会いに来ていた。
貴之は求めに応じず、保には会わなかった。
正確には会えなかったのだ。
保が訪ねてきた日は京司朗が刺され、出血多量で死に瀕しており、貴之は病院に駆けつけ供血をしていたからだ。
貴之の供血量は京司朗のために命をかけた量で、供血後は動ける状態ではなかった。
貴之は保が訪れた報告を受け、縁のない他人であることを貫き、一切の関わりを拒否するようにと、屋敷につめていた顧問弁護士に命じた。
皮肉なことに、この関わりを絶った保が青木家に繋がっていた。
もしも誰かに様子を伺わせていれば、わずかでも調べることをしていれば、貴之はそこから礼夏とみふゆにたどり着くことができたはずだった。
保の後輩に、みふゆの父・青木重弘がいたのだ。
莫大な債務を抱えた保は、自分の妻と青木重弘の目の前で命を絶った。結果、青木重弘は保を救えなかった自責の念にかられ、精神を病んでしまった。
貴之は五十年来の親友にも明かさなかった出来事を教えた。
みふゆが実の娘であること、母親が水無瀬一族最後の当主、水無瀬礼夏であること、父親としてみふゆを育ててくれた青木重弘と貴之の弟だった保との関係━━━━━
貴之に、保を見捨てたあの日の自分の判断の結果が重く重くのしかかる。
「・・貴之・・、貴之よぉ・・、辛ぇなあ・・なんでおめぇばかりがよぉ・・・」
貴之は無言でうつむき、唇を震わせた。
「貴之・・、青木さんにゃあ俺が謝っておくからよ、ちゃんと謝っておくから・・・おめぇはお嬢ちゃんを幸せにしろ・・。おめぇの血が流れてるたった一人の子供なんだからよ・・。そしておめぇも幸せになれ・・お嬢ちゃんと一緒に幸せになれ・・、な?貴之、幸せに生きていってくれ・・・」
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