最後の日

由宇ノ木

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最後の日

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君が出ていった。

一人残される部屋。


もしも君が戻ってくる気になったなら、

そう言いかけた僕に君は即座に『いいえ』を突き返す

それでも僕は待つだろう。

君が何かに疲れた時に、思い出してくれたならいつでもいい。

僕は一人待つ。
償いのつもりで。

僕は一人待つ。
いつまでも、

いつまでも、いつまでも・・・。




今夜はやけに寒い。

君は暖かい部屋で眠っているだろうか?

暖かい部屋で誰かと幸せに過ごしているだろうか?

それならば・・・。


たくさんの時間が流れても僕は一人待ち続けた。

馬鹿な男と笑われても。


そうだ、

鏡の中に写るのは、年老いた馬鹿な男。


ああ、けれど

ひどく眠くなってきたな・・、


冷たい布団はもう暖かくはならない


そろそろお迎えがくるんだろう。


ほら、誰かが呼んでいる。


行かなくては・・・。


あれから長い長い時間が過ぎて、

僕はやっと君の欲しかった言葉を言ってあげられる。

長い長い時間がかかってしまった。


さよなら

さよなら

ありがとう


大切なひとなら、

いま、大切にすればよかった。




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