王子さまは二人いる

きらびやかなお家とわたしの家族

１

「さあ、莉緒りお」
「こっちだよ、莉緒」
　
　グレイッシュヘアと、つややかな黒髪の二卵性双生児の兄弟。
　見惚れるほど綺麗な顔だちの二人が、神秘的な紫色の瞳でわたしを見つめる。
　わたしと同い年の十三歳なんて思えない。どことなくミステリアスで大人びている。

「うふふ。ようやく一緒に暮らせるね」
　金髪青眼のスタイルバッチリのお姉さんが、クラクラとくる笑顔でわたしの手を握ってくる。
　これで十五歳なんて信じられない！

「莉緒ねえさま。はじめまして！」
「はじめまして！　ねえさま！」
　
　無邪気に挨拶をしてくるのは、クルクルとした黒髪癖毛の女の子と茶髪の男の子。
　この子たちも二卵性双生児。年齢は四歳。
　
　計五人――全員美男美女。
　わたしの、きょうだい……らしい。
　
　そして、
「今日から莉緒と一緒に生活できるんだね」
　白髪交じりだけれど、カッコいいモデルみたいなオジサマ。
　さすが生産元。麗うるわしすぎて緊張しかない！

　わたしが、この美人さんしかいない家族の一員だったなんて信じられないんですけど！
　
　お母さん、メンクイすぎじゃない？
　明らかに母親似で、日本人顔のわたしは浮いてます！

（つ、ついていけるのかな……）
　
　早くも不安と緊張でいっぱいなわたしです。