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迎えにきたお父さんと――きょうだい!?
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「勘違いしないでいただきたい。あなた方が思うようなものではありません。我が一族しか受け継がないものです。それに薬や入院、手術が必要になるものではありません」
オジサマは強い声できっぱりと言い切った。
「しかし――莉奈が二年間こちらに仕送りをしていないという点では、ご迷惑をおかけしたと思っております。」
と、オジサマ後ろで控えているスーツ姿お兄さんが持っていたケースを開いた。
その中身におじさんはビックリして眼鏡を外して、叔母さんは呆気にとられた顔をしていた。
わたしもビックリした。ケースの中にはキラキラ光る金の棒が何本も入っていたから!
「金地金一キロを十本、用意しました。これを受け取っていただきたい」
初めて見た。輝きが凄い!
「二十四金です。市場価格でおそらく一億五千万はくだらないでしょう。資産価値は十分かと」
「いっ、一億五千万!?」
おじさんが叫んだ。
「足りませんか?」
「と、とんでもない! 確かに二年間生活費をもらっていませんが、莉奈さんからも、こんなにお金を受けとっていませんでしたよ」
「二年間、莉奈がかけた迷惑料も入っていると思って受けとってください」
「しかし……」
あまりの大金に、おじさんの顔が引きつってる。
叔母さんも、うって変わってニコニコしだした。
「けれど、条件があります」
オジサマは、今まで以上に厳しい顔つきになった。
「今後一切、莉緒に関わらないでください。それを了承していただければ、ご用意したすべての金をお渡しします」
と、言った。
「もちろん、莉緒のことはご心配におよびません。私どもの一族が大切に養育します。ただ、今後は親戚づきあいなどを期待しないでほしい。あなたがたのご親戚の援助等、期待をしないでほしいということです」
冷たい言いかただった。
「このお金で莉緒と縁を切れ、ということですね? わたしどもは一向にかまいませんよ」
おじさんより早く叔母さんが答えた。
「こちらとしても大助かりですよ。ただ、わたしと莉奈の親はどう思うかは知りません。莉緒は孫ですから。それはそちらで話し合ってください」
「ご心配なく。莉緒のご祖父さま、ご祖母さまとは、すでに話し合いを済ませております」
もう、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんには話をしたんだ。
会うと優しいとも怖いとも思わなかった、普通の関係だった。
よその子供を相手にしているような感じだったけれど、それでも毛嫌いされることはなかった。
それだけに、寂しいなと思うと同時に自分は、いなくなってもどうでもいい存在だったんだなって、はっきり気づいてしまった。
オジサマは後ろの人に目くばせする。鋭い目つきの人は別のトランクを開けると、書類をテーブルの上に置いた。
「ここにサインをお願いします。確かに金を受けとり、取引が成立したという証拠を残しておかねばなりませんので」
淡々と述べる。この人はオジサマの秘書だったんだとわかった。
おじさんは頷くと、サインと判子を押す。
「随分と物々しいこと。信用されていないわね」と叔母さんが皮肉を言ったのを、おじさんが睨んで止めさせた。
「これは取引です。この契約書の内容に反した場合、我々はあなた方を訴えることができます。その場合、お支払いした倍の金額をこちらに払うことになりますので、覚えておいてください」
「わかりました」
おじさんが真剣な顔で頷き、叔母さんに「わかったな?」と尋ねる。
叔母さんもそれを聞いて大人しく頷いた。
オジサマは強い声できっぱりと言い切った。
「しかし――莉奈が二年間こちらに仕送りをしていないという点では、ご迷惑をおかけしたと思っております。」
と、オジサマ後ろで控えているスーツ姿お兄さんが持っていたケースを開いた。
その中身におじさんはビックリして眼鏡を外して、叔母さんは呆気にとられた顔をしていた。
わたしもビックリした。ケースの中にはキラキラ光る金の棒が何本も入っていたから!
「金地金一キロを十本、用意しました。これを受け取っていただきたい」
初めて見た。輝きが凄い!
「二十四金です。市場価格でおそらく一億五千万はくだらないでしょう。資産価値は十分かと」
「いっ、一億五千万!?」
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「足りませんか?」
「と、とんでもない! 確かに二年間生活費をもらっていませんが、莉奈さんからも、こんなにお金を受けとっていませんでしたよ」
「二年間、莉奈がかけた迷惑料も入っていると思って受けとってください」
「しかし……」
あまりの大金に、おじさんの顔が引きつってる。
叔母さんも、うって変わってニコニコしだした。
「けれど、条件があります」
オジサマは、今まで以上に厳しい顔つきになった。
「今後一切、莉緒に関わらないでください。それを了承していただければ、ご用意したすべての金をお渡しします」
と、言った。
「もちろん、莉緒のことはご心配におよびません。私どもの一族が大切に養育します。ただ、今後は親戚づきあいなどを期待しないでほしい。あなたがたのご親戚の援助等、期待をしないでほしいということです」
冷たい言いかただった。
「このお金で莉緒と縁を切れ、ということですね? わたしどもは一向にかまいませんよ」
おじさんより早く叔母さんが答えた。
「こちらとしても大助かりですよ。ただ、わたしと莉奈の親はどう思うかは知りません。莉緒は孫ですから。それはそちらで話し合ってください」
「ご心配なく。莉緒のご祖父さま、ご祖母さまとは、すでに話し合いを済ませております」
もう、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんには話をしたんだ。
会うと優しいとも怖いとも思わなかった、普通の関係だった。
よその子供を相手にしているような感じだったけれど、それでも毛嫌いされることはなかった。
それだけに、寂しいなと思うと同時に自分は、いなくなってもどうでもいい存在だったんだなって、はっきり気づいてしまった。
オジサマは後ろの人に目くばせする。鋭い目つきの人は別のトランクを開けると、書類をテーブルの上に置いた。
「ここにサインをお願いします。確かに金を受けとり、取引が成立したという証拠を残しておかねばなりませんので」
淡々と述べる。この人はオジサマの秘書だったんだとわかった。
おじさんは頷くと、サインと判子を押す。
「随分と物々しいこと。信用されていないわね」と叔母さんが皮肉を言ったのを、おじさんが睨んで止めさせた。
「これは取引です。この契約書の内容に反した場合、我々はあなた方を訴えることができます。その場合、お支払いした倍の金額をこちらに払うことになりますので、覚えておいてください」
「わかりました」
おじさんが真剣な顔で頷き、叔母さんに「わかったな?」と尋ねる。
叔母さんもそれを聞いて大人しく頷いた。
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