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第3章
魔族軍の指揮官
しおりを挟む魔族 side
「さぁ、目的地はもう少しですよ~」
背中から蝙蝠のような翼を生やした女性は魔族の軍全体に透き通るような声で喋った。
フルガファダイア帝国を攻め滅ぼし、そこを起点に人族を滅ぼすというのが今回の作戦です。
今頃、私の部下がデアトリーナ国と交戦状態だろう。
人族は自信家なのか馬鹿なのか分からないが、他の敵国を放置して人族同士で戦争をしているらしい。
更に阿呆なのか主戦力を殆ど連れて戦争に出ていったとかで、現在のフルガファダイア帝国の騎士は雑魚しか残っていないらしい。
「気を付ける点は、高ランクの冒険者さんね~」
「フリディアティ様!
突然、フルガファダイア帝国の方から沢山の騎士がこちらに向かってきているそうです!
数は3万以上はいるかと思います!」
「あら?そうなのですか~
何処から湧いてきたのか分かりませんが、向かってきているのならばBを突撃させなさい」
何かがおかしいわね..
フルガファダイア帝国内の騎士はそんなに多くは無いはず。
戻って来たとしても速すぎるし...途中で私達に気づき戻って来たのかしら?
「どうも、こんにちは。
あなたがここの魔族の指揮官ですか?」
私がフルガファダイア帝国について考え事をしていると後ろから声を掛けられ振り返ると、そこには小さな男の子が立っていた。
「...驚いたわね~。そこまで気配を消せるなんて、見た目にそぐわない実力者さんかな?」
「小さい頃から鍛えてますからね。そこらの人には負けないと思いますよ?」
「ふふふ、綺麗な黒髪黒目ね。
指揮官...ん~そうとも言える立場かしらね。
用件は何?戦うならこの人数を相手に出来るかしら?」
既に周りの部下も男の子の存在に気づき警戒している。私の合図があればすぐに動けるだろう。
男の子は私の軽く放った威圧を受けても、笑顔を崩すこと無く喋り始めた。
「争い事はあまり好きじゃないんですよね。出来るなら穏便に済ませたいのが本音です。
用件は兵を退いてください」
「出来ない用件ね~(殺れ)」
私は部下に脳内で合図を送った。
所詮は人族である。冒険者ランクが高そうですが、この人数と不意打ちを受ければ耐えきれぬだろう。
私の合図と同時に男の子の後にいた部下は音と気配を決して槍で突き刺そうとし吹き飛んだ.....
「グフゥォォ!!!」
「うーん、不意打ちするのならば殺気も消した方がいいですよ?
気配を消すのが上手くても殺気を消さない人が多いですからね」
不味いですわね...
本当に実力者のようだけど、どれだけの強さを持っているのかが分からない。
「脅すのは嫌ですが、分からせるには仕方ないですね」
男の子がそう言った瞬間、凄まじい殺気が放たれた。
私は自分の威圧を最大に引き出し男の子の殺気を弱めるも、意識を保つことに精一杯だった。
「やっぱり、リーダー的な人は対処能力が凄いね。これで撤退してくれるかな?」
「はぁ.....これはやばいわね..」
私は周りを見渡すと辛うじて立っている者が十数名、残りは気絶してしまっていた。
少年は笑顔のままこちらの返答を待っているが、戦おうとすれば一瞬で殺られる事はわかった。
「わかったわ...今回は撤退するわ。
でもね、このままだとここに迫って来ている騎士達に私の部下が皆殺しにされてしまうわ」
「あっ....魔族領土の入口付近に転移させますね。騎士の方は僕が説得しておきます」
「あなたって本当に規格外ね...」
「では、さようなら」
男の子の言葉を最後に私の目の前は暗くなるのだった...
ナギア side
「先ほどの殺気はやはりお前だったか..」
魔族の軍団を転移させてからしばらくすると、騎士団長と実力のある騎士たちがやって来た。
先程の殺気せいなのか顔色が優れない人が多いと感じた。
「あっ..調整ミスってました。すみません」
「気にしなくていい。これだけ離れて薄まっていた殺気に当たっただけで体調を崩すやつは、その辺りの鍛錬が苦手な奴だけだ。
一つ聞きたいが、ここに魔族の軍勢がいたはずだがどうした?」
「(脅して)帰ってもらいました」
「あの殺気からして脅したのだな。
だが何故魔族を生かして返した?
お前程の実力なら余裕だろ?」
「あの位ならば出来ますけど魔族の中にも良い人は沢山いると思うし、何もしてない人を殺したくなかったというのもありますね」
そう言うと騎士団長は納得してくれたのか、頷いた。
「貴様がナギア・ハールトークか....魔族は全て滅ぼさなければいけない存在。貴様はそれを逃がした。よって、貴様をここで殺してやる!」
「止せ!」
怒りで騎士団長の言葉が聞こえなかったのか、数人の騎士がナギア目掛けて突撃してきた。
「ぅぅ....」
「落ち着いて下さい。
魔族は人族のように沢山います。
そして、全てが同じではありませんよ?」
「だ....だま..れっ!」
突撃してきた騎士達を重力魔法で地面に叩きつけ押さえつけて落ち着かせようとするが駄目だった。だが、騎士団長の説得で渋々ながらも襲うは止めたようだ。
「今は魔族の脅威は無いですが、国の方は頑張って下さいね」
「あぁ、今回はありがとう。
お陰で民に被害が無く事が終わったよ。約束の方は守れるよう善処する」
騎士達がフルガファダイア帝国に帰っていくのを見送った後、ナギアはデアトリーナ国とイソーギス国にリアとモチとプニを迎えに行くのだった....
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どうも!こんにちは
お気に入り数が3800越えました!
ありがとうございます!
久しぶりに1章の最後に出た魔族の1人が出てきましたね。
他の魔族はいつか出ますよ!
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