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蜜
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夕食を済ませて、ベッドに寄りかかってテレビをつけているが、内容は全くと言っていい程頭に入ってはこない。坂口さんを知らぬうちに傷付けてしまっていること、彼が最後に見せた仕草、そして何より、これから史弥さんが私に逢いに来てくれるのかと思うと、落ち着いてテレビなど観ていられるはずもなかった。
時計を見れば、時刻は二十一時少し前を差していた。そろそろ来てくれるころだろうか、それともまだ食事中だろうか。一体、どんな人と食事をしているのだろう。その中に、女性はいるだろうか。
モヤモヤと初めての感情を抱えていると、足下でスマホが震えた。はじかれた様に手に取ると、やはり待ち望んでいた彼からのメッセージだった。
「これから帰るよ。一時間くらいで着くかな。何号室?」
303号室です、と答えて、続けてもう一通送った。
「お疲れ様でした。早く、逢いたいです」
手が震える程の勇気を振り絞って、たったこれだけのメッセージを送った。そしてすぐに、後悔の念に襲われる。
彼とは今日の夕方に逢ったばかりなのに、もう逢いたいだなんて、それは俗にいう『重い女』というやつではないのだろうか? 坂口さんの言った通り、彼は付き合おうだなんて一言も言っていない。私が勝手に勘違いをしているだけだったら?
忘れてください、とそう送り直そうかと思った矢先、手の中でスマホが二度震える。早く返事を見たいような、怖いような、そんな不安定な気持ちの中で、しばらくスマホを握りしめていた。
やっと決意をしてメッセージを開いたのは、受信してから十分程が経ってからだ。
「お、やけに素直だね。嬉しいな。飛ばして帰るから、少し待ってて」
「俺も早く逢いたいよ」
二通続けてのメッセージに、心臓がどきりと跳ね上がる。嬉しさに一人にやついて、お気をつけて、と返す。運転中なのだろう、それには返事がこなかった。
そんなやり取りから四十分程が過ぎた時、来客を知らせるチャイムが鳴った。アパートがオートロックなので、モニターには史弥さんの姿が映し出されていた。うっかり見惚れてしまいそうになるのを堪えて、ボタンを押して返事をする。
「今、開けます」
ありがとう、と微笑む彼が映る。そして開いたエレベーターを通って数分も経たないうちに、今度は玄関のチャイムが鳴った。トタトタと音を立てて玄関を走り、深呼吸をしてからドアを開けた。
「ただいま」
そう言って、眩しい笑顔を浮かべる彼がそこに立っていた。
「お帰りなさい」
彼が私のもとへ戻ってきてくれたのが嬉しくて、頬が緩み切ってしまう。彼は優しく微笑むと、右手に持っていた小さな箱を差し出した。
「はい、お土産。甘いものは好き?」
もちろんです、と嘘をついた。彼が私の事を想って買ってきてくれたのが、嬉しかったのだ。
「よかった。なんか有名なお店みたいだよ。俺は甘いものが苦手だから、よくわからないけど」
そう言って、彼は眉尻を下げる。見惚れてしまう前に目を離して、家に上がるように進める。
「狭いですけど……」
そう言うと、彼は困った顔をして下唇を噛んだ。家に上がろうとはせず、ただ私を見ている。
ちくりと胸が痛んで、彼を見上げた。やはり私の勘違いだったのか、と恐怖が込み上げてくる。ところが、彼の思惑は全く別の所にあったようで、すぐに優しく口を開いた。
「昨日、待つって約束したばかりだからね。今家に上がったら、葉月に噛み付いちゃうかもよ」
昨夜の車での会話と彼の指先の感覚を鮮明に思い出して、顔に血液が集中する。その様子を見て、やはり彼は小さく笑う。
「ほら、またそんな顔をして」
言うや否や、彼は私の腰に手を回して抱き寄せた。背中を大きな手で上から下へと摩り、細い指の感触にぞわぞわと肌が泡立つ。背中を丸めて私を抱き締めると、耳元に口を寄せて低い声で静かに囁く。
「早く逢いたいなんて可愛いことを言っておいて、これ以上俺を煽るつもりかな」
史弥さんの腕に捕まるように、彼のスーツをぎゅっと掴む。軽く耳にキスをされて、情けない声が漏れる。
「また……。もしかして俺は、葉月に弄ばれてるのかな」
くすくすと笑い声が耳元で響いてくすぐったい。恥ずかしくて逃げ出したいのに、彼の腕から離れたくなくて、掴まる手に力を込めた。
「も、弄んでるのは、史弥さんのほうだと……」
耳や頬に唇を微かに当てて滑らせていた彼が、ふいに爽やかに笑った。そしてぎゅっと力を入れて私を抱きしめると、上体を逸らせてスペースを変えた。腕は、まだ私の背中でがっちり組まれたままだ。
「人聞きが悪いなぁ」
そう言って、額に軽くキスをする。にっこりと微笑んで、髪を撫でてくれた。
「上がって……いきますか?」
ぴくりと眉を上げて、探るような目付きで私の目を覗きこんでくる。この腕の中で、彼の視線を独り占めできるのなら、他の何を犠牲にしても構わない。そんな危険な思考が、私の脳裏をかすめる。
「いいの?」
低く意味深な声で、彼が尋ねた。上を向いたまま頷けば、彼は腕を解いて私を解放した。
「じゃあ、少しだけお邪魔しようかな」
靴を脱ぎながら屈みこんだ彼は、その手で床に落ちていた小さな箱を拾い上げた。それを見て、さぁと顔から血の気が引く。
「ごめんなさい、せっかく買ってきてくれたのに」
彼が拾い上げたのは、先程お土産だと私へ差し出した、あの箱だった。彼の好意を無下にしてしまったような気がして、申し訳なさで一杯になる。
「いや、俺のせいでしょ」
落としたことにさえ気付いていなかった私の手に再びそれを乗せて、彼は笑っている。恥ずかしくて顔は真っ赤であることが容易に想像できたけれど、それは考えない事にして彼を奥の部屋へと案内する。
「狭いですけど、適当に座ってください。お茶淹れますね」
ありがとう、と微笑んで小さなテーブルの前に座った。私はキッチンでお湯を沸かし始め、コトコトとケトルが立てる音を聞きながら、史弥さんの広い背中を見つめていた。
お湯が沸いて紅茶を淹れて戻ると、彼は背広を脱いでシャツになっていた。腕を軽く捲り胸元を開けたその姿に目が眩んで、倒れてしまいそうになる。
「どうぞ」
「ありがとう。いい香りだね」
カップを鼻先へ運ぶ彼を直視できなくて、少し離れた場所へと腰を降ろした。すると、紅茶を飲みながら彼が笑う。あち、と小さく漏らしてから、私の方へ左手を伸ばす。
「なんでそんな離れたとこに座るの。取って食べたりしないから、こっちおいで」
そう言って、伸ばしていた手でおいでと呼び寄せる仕草をする。座ったままズリズリと引き摺るように移動して、史弥さんのすぐ隣へ座り直した。いくらなんでも近すぎたかと思っていると、頭を軽く撫でられる。
「今日、俺が帰った後、何もなかった?」
紅茶を飲もうとした時に突然聞かれて、口を付ける前にカップをテーブルに戻す。
「何も、なかったです」
坂口さんの伝言や彼の行動を話そうかとも迷ったが、咄嗟に嘘をついてしまった。右に座る史弥さんの視線が肌に刺さる。
「嘘が下手だな」
そう言って、彼はするりと左手を私の右手に絡めた。下からすくい上げる様にして絡みとられて、それだけで思考が纏まらなくなる。グッと身を寄せて、彼は耳元へ顔を近付けた。
「何かあったんじゃないの」
こんな手を使われてしまったら、私にはそれに贖う手立てなど一つもなかった。ため息をついてから、史弥さんが去ってからあったことの全てを打ち明けた。
「隙を……ね」
噛み締める様にそう呟いて、彼は繋いだ手をぎゅっと握りしめた。それに応える様にして握り返せば、右側から暖かい笑い声が聞こえてくる。
「それは心配ないとしても、葉月にキスをしようとしたのは問題だ」
地を這う様に低い声が空気を揺らす。横目でちらりと見やれば、彼は既に私の方を見ていた。視線が合い、右手の指で顎を取られて固定される。ゆっくりと顔を近付けて、やはり唇が触れる寸前で止めてしまう。吐息がかかる程近くで、彼は唇を開く。
「怖い?」
怖い筈がなかった。それどころか、こうされることをずっと待っていたようにも思えた。
唇を動かせば触れてしまいそうで、小さく首を横に振った。すると彼はこの世の全ての優しさを詰め込んだかのような笑みを浮かべて、親指で優しく頬を撫でた。冷たい指先に意識が奪われた時、気付けば唇には柔らかい感触があった。
肩がびくりと震えたが、繋いでいた筈の手はいつのまにか肩に回されていて、しっかりと抱きしめてくれていた。右手を頬に当てられたまま、史弥さんから香る花のような匂いに酔いしれていた。
押し付けられていた唇がゆっくりと開いて、角度を変えて私の下唇に吸いつく様に噛み付いた。何度かそれを繰り返し、唇の中で湿った舌先が弄ぶように這った。
僅かな隙間から吐息が漏れて、彼がグッと顔を寄せて力強く唇を押し当てた。そして、優しくついばんで離れてしまう。
時計を見れば、時刻は二十一時少し前を差していた。そろそろ来てくれるころだろうか、それともまだ食事中だろうか。一体、どんな人と食事をしているのだろう。その中に、女性はいるだろうか。
モヤモヤと初めての感情を抱えていると、足下でスマホが震えた。はじかれた様に手に取ると、やはり待ち望んでいた彼からのメッセージだった。
「これから帰るよ。一時間くらいで着くかな。何号室?」
303号室です、と答えて、続けてもう一通送った。
「お疲れ様でした。早く、逢いたいです」
手が震える程の勇気を振り絞って、たったこれだけのメッセージを送った。そしてすぐに、後悔の念に襲われる。
彼とは今日の夕方に逢ったばかりなのに、もう逢いたいだなんて、それは俗にいう『重い女』というやつではないのだろうか? 坂口さんの言った通り、彼は付き合おうだなんて一言も言っていない。私が勝手に勘違いをしているだけだったら?
忘れてください、とそう送り直そうかと思った矢先、手の中でスマホが二度震える。早く返事を見たいような、怖いような、そんな不安定な気持ちの中で、しばらくスマホを握りしめていた。
やっと決意をしてメッセージを開いたのは、受信してから十分程が経ってからだ。
「お、やけに素直だね。嬉しいな。飛ばして帰るから、少し待ってて」
「俺も早く逢いたいよ」
二通続けてのメッセージに、心臓がどきりと跳ね上がる。嬉しさに一人にやついて、お気をつけて、と返す。運転中なのだろう、それには返事がこなかった。
そんなやり取りから四十分程が過ぎた時、来客を知らせるチャイムが鳴った。アパートがオートロックなので、モニターには史弥さんの姿が映し出されていた。うっかり見惚れてしまいそうになるのを堪えて、ボタンを押して返事をする。
「今、開けます」
ありがとう、と微笑む彼が映る。そして開いたエレベーターを通って数分も経たないうちに、今度は玄関のチャイムが鳴った。トタトタと音を立てて玄関を走り、深呼吸をしてからドアを開けた。
「ただいま」
そう言って、眩しい笑顔を浮かべる彼がそこに立っていた。
「お帰りなさい」
彼が私のもとへ戻ってきてくれたのが嬉しくて、頬が緩み切ってしまう。彼は優しく微笑むと、右手に持っていた小さな箱を差し出した。
「はい、お土産。甘いものは好き?」
もちろんです、と嘘をついた。彼が私の事を想って買ってきてくれたのが、嬉しかったのだ。
「よかった。なんか有名なお店みたいだよ。俺は甘いものが苦手だから、よくわからないけど」
そう言って、彼は眉尻を下げる。見惚れてしまう前に目を離して、家に上がるように進める。
「狭いですけど……」
そう言うと、彼は困った顔をして下唇を噛んだ。家に上がろうとはせず、ただ私を見ている。
ちくりと胸が痛んで、彼を見上げた。やはり私の勘違いだったのか、と恐怖が込み上げてくる。ところが、彼の思惑は全く別の所にあったようで、すぐに優しく口を開いた。
「昨日、待つって約束したばかりだからね。今家に上がったら、葉月に噛み付いちゃうかもよ」
昨夜の車での会話と彼の指先の感覚を鮮明に思い出して、顔に血液が集中する。その様子を見て、やはり彼は小さく笑う。
「ほら、またそんな顔をして」
言うや否や、彼は私の腰に手を回して抱き寄せた。背中を大きな手で上から下へと摩り、細い指の感触にぞわぞわと肌が泡立つ。背中を丸めて私を抱き締めると、耳元に口を寄せて低い声で静かに囁く。
「早く逢いたいなんて可愛いことを言っておいて、これ以上俺を煽るつもりかな」
史弥さんの腕に捕まるように、彼のスーツをぎゅっと掴む。軽く耳にキスをされて、情けない声が漏れる。
「また……。もしかして俺は、葉月に弄ばれてるのかな」
くすくすと笑い声が耳元で響いてくすぐったい。恥ずかしくて逃げ出したいのに、彼の腕から離れたくなくて、掴まる手に力を込めた。
「も、弄んでるのは、史弥さんのほうだと……」
耳や頬に唇を微かに当てて滑らせていた彼が、ふいに爽やかに笑った。そしてぎゅっと力を入れて私を抱きしめると、上体を逸らせてスペースを変えた。腕は、まだ私の背中でがっちり組まれたままだ。
「人聞きが悪いなぁ」
そう言って、額に軽くキスをする。にっこりと微笑んで、髪を撫でてくれた。
「上がって……いきますか?」
ぴくりと眉を上げて、探るような目付きで私の目を覗きこんでくる。この腕の中で、彼の視線を独り占めできるのなら、他の何を犠牲にしても構わない。そんな危険な思考が、私の脳裏をかすめる。
「いいの?」
低く意味深な声で、彼が尋ねた。上を向いたまま頷けば、彼は腕を解いて私を解放した。
「じゃあ、少しだけお邪魔しようかな」
靴を脱ぎながら屈みこんだ彼は、その手で床に落ちていた小さな箱を拾い上げた。それを見て、さぁと顔から血の気が引く。
「ごめんなさい、せっかく買ってきてくれたのに」
彼が拾い上げたのは、先程お土産だと私へ差し出した、あの箱だった。彼の好意を無下にしてしまったような気がして、申し訳なさで一杯になる。
「いや、俺のせいでしょ」
落としたことにさえ気付いていなかった私の手に再びそれを乗せて、彼は笑っている。恥ずかしくて顔は真っ赤であることが容易に想像できたけれど、それは考えない事にして彼を奥の部屋へと案内する。
「狭いですけど、適当に座ってください。お茶淹れますね」
ありがとう、と微笑んで小さなテーブルの前に座った。私はキッチンでお湯を沸かし始め、コトコトとケトルが立てる音を聞きながら、史弥さんの広い背中を見つめていた。
お湯が沸いて紅茶を淹れて戻ると、彼は背広を脱いでシャツになっていた。腕を軽く捲り胸元を開けたその姿に目が眩んで、倒れてしまいそうになる。
「どうぞ」
「ありがとう。いい香りだね」
カップを鼻先へ運ぶ彼を直視できなくて、少し離れた場所へと腰を降ろした。すると、紅茶を飲みながら彼が笑う。あち、と小さく漏らしてから、私の方へ左手を伸ばす。
「なんでそんな離れたとこに座るの。取って食べたりしないから、こっちおいで」
そう言って、伸ばしていた手でおいでと呼び寄せる仕草をする。座ったままズリズリと引き摺るように移動して、史弥さんのすぐ隣へ座り直した。いくらなんでも近すぎたかと思っていると、頭を軽く撫でられる。
「今日、俺が帰った後、何もなかった?」
紅茶を飲もうとした時に突然聞かれて、口を付ける前にカップをテーブルに戻す。
「何も、なかったです」
坂口さんの伝言や彼の行動を話そうかとも迷ったが、咄嗟に嘘をついてしまった。右に座る史弥さんの視線が肌に刺さる。
「嘘が下手だな」
そう言って、彼はするりと左手を私の右手に絡めた。下からすくい上げる様にして絡みとられて、それだけで思考が纏まらなくなる。グッと身を寄せて、彼は耳元へ顔を近付けた。
「何かあったんじゃないの」
こんな手を使われてしまったら、私にはそれに贖う手立てなど一つもなかった。ため息をついてから、史弥さんが去ってからあったことの全てを打ち明けた。
「隙を……ね」
噛み締める様にそう呟いて、彼は繋いだ手をぎゅっと握りしめた。それに応える様にして握り返せば、右側から暖かい笑い声が聞こえてくる。
「それは心配ないとしても、葉月にキスをしようとしたのは問題だ」
地を這う様に低い声が空気を揺らす。横目でちらりと見やれば、彼は既に私の方を見ていた。視線が合い、右手の指で顎を取られて固定される。ゆっくりと顔を近付けて、やはり唇が触れる寸前で止めてしまう。吐息がかかる程近くで、彼は唇を開く。
「怖い?」
怖い筈がなかった。それどころか、こうされることをずっと待っていたようにも思えた。
唇を動かせば触れてしまいそうで、小さく首を横に振った。すると彼はこの世の全ての優しさを詰め込んだかのような笑みを浮かべて、親指で優しく頬を撫でた。冷たい指先に意識が奪われた時、気付けば唇には柔らかい感触があった。
肩がびくりと震えたが、繋いでいた筈の手はいつのまにか肩に回されていて、しっかりと抱きしめてくれていた。右手を頬に当てられたまま、史弥さんから香る花のような匂いに酔いしれていた。
押し付けられていた唇がゆっくりと開いて、角度を変えて私の下唇に吸いつく様に噛み付いた。何度かそれを繰り返し、唇の中で湿った舌先が弄ぶように這った。
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