僕の24年間 

やっきまさすえ

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小学校と僕

バレンタイン

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 僕には小学一年から四年生まで、同じクラスというのもありMちゃんという好きな子がいた。当時はまだ、クラスでのイベント(ハロウィンにお菓子を持ってくる、クリスマスにプレゼント交換会をするといったような)も今のように厳しくなく、バレンタインも例外でなかった。
二月十四日、Mちゃんからチョコをもらい、三月十四日にはそのお返しとして母親や姉が焼いてくれたクッキーをお返しするという流れが三年間続いた。(三年間もそんなことが続いているのだから告白なりなんなりするべきだという意見は、この際まだ幼かったという点で免じてもらいたい)
 
 四年生の二月十四日、その日も軽くバレンタインということを意識しつついつものように登校すると、ロッカーにチョコが入っていることに気が付いた。袋を確認してみるが特に何も書かれていない。当然Mちゃんの可能性が考慮されるのだがそれまでは毎年、手渡しでもらっていたので、その可能性はないと思った。となるといったい誰がこれをくれたのだろう。不思議に思った僕は先に登校していた友達に聞いて回ることにした。

 「ねえねえ、このチョコ誰がロッカーにいれたか見てない?」初めのうちはみてないよといった具合の答えが返ってきた。しかし諦めることなく粘った12人目、ついに、「Sちゃんが入れているところ見たよ」といった有力な情報を得ることができた。今年もらったのはその一個だけだった。
 三月十四日、僕はSちゃんにクッキーをお返しした。

 それから数年後、同じクラスだった男友達としゃべっていたのだが、何となくバレンタインの話をしたとき、「そういえば、俺SちゃんがMちゃんに頼まれてチョコおまえのロッカーに入れているとこ見たよ」。といういまさらながらの新事実を聞いた。Mちゃんとはバレンタイン以来、当然のようにもらえると思っていたチョコの傷つきからクラス替えで違うクラスになったのもあり疎遠になっていった。
 こうして僕の初恋はとんだ勘違いによりひっそりと終わった。
 Mちゃん、あのときは、ごめん。。
  
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