17 / 61
幼少期
またいつか会いましょう!
しおりを挟む
彼は、意外とすぐ泣き止んだ。
また、30分ぐらい泣くのかと思っていたし、
それでも付き合うつもりだったから、
ここまで早く泣き止むとは少しだけ驚いた。
「もう、平気なの?
つらいならもっと泣いてもいいのだよ?」
「ううん、大丈夫。
ありがとう、お姉ちゃん。」
そう言って顔をあげた彼は、本当にスッキリしたような顔だった。
目にも強い光が宿っている。
(大丈夫……そうかな?)
「いいのよ。
本当にあなたが元気そうになって、お姉ちゃんは嬉しいわ。
そういえば、まだあなたの名前を聞いていなかったね。
教えてくれるかな?」
「うん!
えっとね、僕の名前はル………クリス!
クリスってよんで、お姉ちゃん!」
"お姉ちゃん!お姉ちゃん!"
(なんて、最高な響き!
あれ?そういえば私になんでここにいるんだっけ?
…………………………………あぁぁぁぁ!!!)
ここで私は初めて自分がどういう状況なのか、
ここに何をしにきたのかを思い出した。
(私、今絶賛迷子中だった。
しかも、今日はお茶会に来てたんだった!
結構時間がたってるし、大丈夫かな。
お茶会の場所は王宮の庭って言ってたけど、
クリス場所知ってるかな?)
「クリス、いい名前だね!
あの…その、ね。」
私が言いづらそうにしていたら、クリスはん?
と首をかしげて
「お姉ちゃん、どうしたの?
どこか悪いの?大丈夫!?
えっ…ど、ど、どうしよう!?」
と1人パニックを起こし始めた。
何て優しい子!
好き好き大好き、私の弟(仮)が、可愛い!
って、そうじゃなくて
「ごめんね。
なんでもないから、そんなに慌てなくて大丈夫だよ。
心配してくれてありがとう。
その、ね。申し訳ないのだけど、お姉ちゃん今日は大事な用事があってもう行かなくちゃいけないのだけど、ここがどこか分からないの。
クリスは…、王宮の庭の場所分かるかな?
分かるなら、できれば案内…してほしいな、なんて思ってたり。」
「王宮の庭の場所?
知ってるよ、こっちだよ!」
「案内してくれるの?」
「もちろん!」
そう言ってクリスはその小さい手で私の手を握り、引っ張りながら歩いていく。
多分、庭に向かってくれてるのだと思う。
庭は10分ぐらい歩いたらついた。
かなり、入り組んだ廊下を進んできたが
そこまで遠い距離では無かったのだな。
「マリンーーー!!!」
「マリンちゃ~~ん!!!!」
あ、お兄ちゃんとママの声だ。
私を探してくれてるみたい。
「じゃあね、お姉ちゃん。」
「えぇ。本当にありがとう。
また会えたら、今度はもっと話そうね。
いくらでも甘えてくれていいし、つらいことがあったら私に吐き出して、泣いていいからね。」
「うん!
でも、僕の頑張るよ!
また、お姉ちゃんと話したいし褒めてほしいから。
僕頑張れば、お姉ちゃんまた褒めてくれる?」
「勿論よ、いくらでも褒めてあげる。
でも、頑張り過ぎはだめだからね。」
「わかった!
ありがとうお姉ちゃん、またね!」
そう言ってクリスは走り去っていった。
その足取りは軽やかに見える。
元気になったようで、本当に良かった。
1つ下なだけど、まるで子供の成長を見守る母親(姉)の気持ちだ。
クリスもいつか、私のことを本当の姉みたいに
思ってくれるかな?
そうだと良いけど。
「あっ!マリンいた!」
ちょうどクリスが完全に見えなくなったタイミングで、お兄ちゃんが私を見たみたいで、
こちらに走ってくる。
その瞬間、私の中で何かがスッと緩んだ。
とてもあたたかい気持ちになり、ほっとしていた。
そして、無意識のうちに泣きながら
私もお兄ちゃんに向かって走り出していた。
「お兄ちゃーん!!」
そして、お互いに抱きしめあった。
いつも見ていた姿に慣れ親しんだ匂いに
とても安心できた。
やっぱり、クリスと一緒にいたとしても
それまでは寂しかったし怖かった。
ほんの少しの間、慣れない環境にいただけなのにな。
意外と私の心が弱かったことに、驚きだ。
クリスもこれから頑張るのだから、私も色々と
頑張らなきゃな。
将来は家を出ようと思っているが、これから貴族社会で最低でも15年ぐらいは過ごさなくてはいけないだろう。
もっと、心を強く持たなきゃ!
「どこに行っていたんだい?
どれだけ探しても1時間以上見つからなかったから、凄く心配したんだよ?
お父様も今は会議に行っちゃったけど、ギリギリまで探していたし、王妃様も探してくれていた。」
「ご、ごめんなさい。
グスッ…王宮が綺麗で大きくて、楽しくなって、
気付いたら誰もいないところにいて………
グスッ、それで……」
「分かった、分かった。
反省してるなら、それで良いんだ。
でも、次からは気をつけてね。」
「分かってる、本当にごめんなさい。」
本当に申し訳ないと思う。
お兄ちゃんは髪が乱れてるし、息も上がって汗もかいてる。
本気で私を心配してくれて探してくれたのだろう。
(ごめんね、お兄ちゃん。
もう勝手にいなくならないから。)
「さぁ、レオンも王妃様も王宮の兵士も
探してくれているだろうから、早く皆を安心させるために戻ろう?」
「うん!」
そうして、お兄ちゃんと手を繋ぎながら、
ママとレオンがいるというお茶会を行う予定の場所に向かった。
また、30分ぐらい泣くのかと思っていたし、
それでも付き合うつもりだったから、
ここまで早く泣き止むとは少しだけ驚いた。
「もう、平気なの?
つらいならもっと泣いてもいいのだよ?」
「ううん、大丈夫。
ありがとう、お姉ちゃん。」
そう言って顔をあげた彼は、本当にスッキリしたような顔だった。
目にも強い光が宿っている。
(大丈夫……そうかな?)
「いいのよ。
本当にあなたが元気そうになって、お姉ちゃんは嬉しいわ。
そういえば、まだあなたの名前を聞いていなかったね。
教えてくれるかな?」
「うん!
えっとね、僕の名前はル………クリス!
クリスってよんで、お姉ちゃん!」
"お姉ちゃん!お姉ちゃん!"
(なんて、最高な響き!
あれ?そういえば私になんでここにいるんだっけ?
…………………………………あぁぁぁぁ!!!)
ここで私は初めて自分がどういう状況なのか、
ここに何をしにきたのかを思い出した。
(私、今絶賛迷子中だった。
しかも、今日はお茶会に来てたんだった!
結構時間がたってるし、大丈夫かな。
お茶会の場所は王宮の庭って言ってたけど、
クリス場所知ってるかな?)
「クリス、いい名前だね!
あの…その、ね。」
私が言いづらそうにしていたら、クリスはん?
と首をかしげて
「お姉ちゃん、どうしたの?
どこか悪いの?大丈夫!?
えっ…ど、ど、どうしよう!?」
と1人パニックを起こし始めた。
何て優しい子!
好き好き大好き、私の弟(仮)が、可愛い!
って、そうじゃなくて
「ごめんね。
なんでもないから、そんなに慌てなくて大丈夫だよ。
心配してくれてありがとう。
その、ね。申し訳ないのだけど、お姉ちゃん今日は大事な用事があってもう行かなくちゃいけないのだけど、ここがどこか分からないの。
クリスは…、王宮の庭の場所分かるかな?
分かるなら、できれば案内…してほしいな、なんて思ってたり。」
「王宮の庭の場所?
知ってるよ、こっちだよ!」
「案内してくれるの?」
「もちろん!」
そう言ってクリスはその小さい手で私の手を握り、引っ張りながら歩いていく。
多分、庭に向かってくれてるのだと思う。
庭は10分ぐらい歩いたらついた。
かなり、入り組んだ廊下を進んできたが
そこまで遠い距離では無かったのだな。
「マリンーーー!!!」
「マリンちゃ~~ん!!!!」
あ、お兄ちゃんとママの声だ。
私を探してくれてるみたい。
「じゃあね、お姉ちゃん。」
「えぇ。本当にありがとう。
また会えたら、今度はもっと話そうね。
いくらでも甘えてくれていいし、つらいことがあったら私に吐き出して、泣いていいからね。」
「うん!
でも、僕の頑張るよ!
また、お姉ちゃんと話したいし褒めてほしいから。
僕頑張れば、お姉ちゃんまた褒めてくれる?」
「勿論よ、いくらでも褒めてあげる。
でも、頑張り過ぎはだめだからね。」
「わかった!
ありがとうお姉ちゃん、またね!」
そう言ってクリスは走り去っていった。
その足取りは軽やかに見える。
元気になったようで、本当に良かった。
1つ下なだけど、まるで子供の成長を見守る母親(姉)の気持ちだ。
クリスもいつか、私のことを本当の姉みたいに
思ってくれるかな?
そうだと良いけど。
「あっ!マリンいた!」
ちょうどクリスが完全に見えなくなったタイミングで、お兄ちゃんが私を見たみたいで、
こちらに走ってくる。
その瞬間、私の中で何かがスッと緩んだ。
とてもあたたかい気持ちになり、ほっとしていた。
そして、無意識のうちに泣きながら
私もお兄ちゃんに向かって走り出していた。
「お兄ちゃーん!!」
そして、お互いに抱きしめあった。
いつも見ていた姿に慣れ親しんだ匂いに
とても安心できた。
やっぱり、クリスと一緒にいたとしても
それまでは寂しかったし怖かった。
ほんの少しの間、慣れない環境にいただけなのにな。
意外と私の心が弱かったことに、驚きだ。
クリスもこれから頑張るのだから、私も色々と
頑張らなきゃな。
将来は家を出ようと思っているが、これから貴族社会で最低でも15年ぐらいは過ごさなくてはいけないだろう。
もっと、心を強く持たなきゃ!
「どこに行っていたんだい?
どれだけ探しても1時間以上見つからなかったから、凄く心配したんだよ?
お父様も今は会議に行っちゃったけど、ギリギリまで探していたし、王妃様も探してくれていた。」
「ご、ごめんなさい。
グスッ…王宮が綺麗で大きくて、楽しくなって、
気付いたら誰もいないところにいて………
グスッ、それで……」
「分かった、分かった。
反省してるなら、それで良いんだ。
でも、次からは気をつけてね。」
「分かってる、本当にごめんなさい。」
本当に申し訳ないと思う。
お兄ちゃんは髪が乱れてるし、息も上がって汗もかいてる。
本気で私を心配してくれて探してくれたのだろう。
(ごめんね、お兄ちゃん。
もう勝手にいなくならないから。)
「さぁ、レオンも王妃様も王宮の兵士も
探してくれているだろうから、早く皆を安心させるために戻ろう?」
「うん!」
そうして、お兄ちゃんと手を繋ぎながら、
ママとレオンがいるというお茶会を行う予定の場所に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
義妹がやらかして申し訳ありません!
荒瀬ヤヒロ
恋愛
公爵令息エリオットはある日、男爵家の義姉妹の会話を耳にする。
何かを企んでいるらしい義妹。義妹をたしなめる義姉。
何をやらかすつもりか知らないが、泳がせてみて楽しもうと考えるが、男爵家の義妹は誰も予想できなかった行動に出て―――
義妹の脅迫!義姉の土下座!そして冴え渡るタックル!
果たしてエリオットは王太子とその婚約者、そして義妹を諫めようとする男爵令嬢を守ることができるのか?
【完結】婚約者なんて眼中にありません
らんか
恋愛
あー、気が抜ける。
婚約者とのお茶会なのにときめかない……
私は若いお子様には興味ないんだってば。
やだ、あの騎士団長様、素敵! 確か、お子さんはもう成人してるし、奥様が亡くなってからずっと、独り身だったような?
大人の哀愁が滲み出ているわぁ。
それに強くて守ってもらえそう。
男はやっぱり包容力よね!
私も守ってもらいたいわぁ!
これは、そんな事を考えているおじ様好きの婚約者と、その婚約者を何とか振り向かせたい王子が奮闘する物語……
短めのお話です。
サクッと、読み終えてしまえます。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
捨てられ聖女は、王太子殿下の契約花嫁。彼の呪いを解けるのは、わたしだけでした。
鷹凪きら
恋愛
「力を失いかけた聖女を、いつまでも生かしておくと思ったか?」
聖女の力を使い果たしたヴェータ国の王女シェラは、王となった兄から廃棄宣告を受ける。
死を覚悟したが、一人の男によって強引に連れ去られたことにより、命を繋ぎとめた。
シェラをさらったのは、敵国であるアレストリアの王太子ルディオ。
「君が生きたいと願うなら、ひとつだけ方法がある」
それは彼と結婚し、敵国アレストリアの王太子妃となること。
生き延びるために、シェラは提案を受け入れる。
これは互いの利益のための契約結婚。
初めから分かっていたはずなのに、彼の優しさに惹かれていってしまう。
しかしある事件をきっかけに、ルディオはシェラと距離をとり始めて……?
……分かりました。
この際ですから、いっそあたって砕けてみましょう。
夫を好きになったっていいですよね?
シェラはひっそりと決意を固める。
彼が恐ろしい呪いを抱えているとも知らずに……
※『ネコ科王子の手なずけ方』シリーズの三作目、王太子編となります。
主人公が変わっているので、単体で読めます。
【完結】離縁など、とんでもない?じゃあこれ食べてみて。
BBやっこ
恋愛
サリー・シュチュワートは良縁にめぐまれ、結婚した。婚家でも温かく迎えられ、幸せな生活を送ると思えたが。
何のこれ?「旦那様からの指示です」「奥様からこのメニューをこなすように、と。」「大旦那様が苦言を」
何なの?文句が多すぎる!けど慣れ様としたのよ…。でも。
婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました
天宮有
恋愛
「貴様のような醜い者とは婚約を破棄する!」
婚約者バハムスにそんなことを言われて、侯爵令嬢の私ルーミエは唖然としていた。
婚約が決まった際に、バハムスは「お前の見た目は弱々しい。なんとかしろ」と私に言っていた。
私は独自に作成した魔法により太ることで解決したのに、その後バハムスは婚約破棄を言い渡してくる。
もう太る魔法を使い続ける必要はないと考えた私は――魔法を解くことにしていた。
契約妻に「愛さない」と言い放った冷酷騎士、一分後に彼女の健気さが性癖に刺さって理性が崩壊した件
水月
恋愛
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件の旦那様視点短編となります。
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる