愛する貴方に殺される前に逃げます!~婚約者により最悪な死を遂げる令嬢になりました。~

谷 優

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2話

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    数日後、レティシアは熱が下がり本調子では無いがある程度、体調は良くなった。

熱が出ている時はあまり深く考えると、頭が痛かったけど、今は体調も良くなったからしっかりと考える必要がある。
現状を把握しよう。

まずシェラは、美しい外見、誰にでも優しく、思いやりの持った素晴らしい人だった。私には出来ない、何かを持っていた。  

当然ながら、シェラは国民からも貴族からも好かれていた。

尚且つ私は、シェラに負けないよう華やかさを重視し、ストレス発散のためにも豪遊した。後に国民からは、悪女だと非難された。

国民や貴族の抗議で私はシェラに婚約者の座を取られた。

そして、悪女は処刑されるべきだと国民からの支持もあり、処刑が決まってしまった。

お父様や、ジルは私の処刑に抗議をしてくれた。だが、結果は惨敗。シェラに対しての嫌がらせなど、様々な悪行が出てしまった。誤解なのに。

中には、捏造されたものまで。一体誰がこのようなことを仕組んだのか分からなかった。

私の話を誰も信じて貰えず、ただ一人で耐えていた。


そして処刑される日、牢獄で私はお慕いしていたアニス様に心臓を刺された___。という感じだったよね。

なのに、何故かここにいる。
しかも幼児の姿になって。

これは、時間が戻ったということ。

確か私が、高熱を出して寝込んだのは12歳の時だった。この高熱も1度経験した事があるから、体感でいうと恐らく12歳で間違いないだろう。

もしかしたら、神様がもう一度生きるチャンスをくれたのかもしれない。

絶対に生き残って幸せになる。

幸い私には、これから起きるであろう記憶を覚えている。

アニス様やシェラには、極力会わないようにしよう。なにが起こるか分からないから。

婚約者になるのだって皇族記念パーティで私が一目惚れをし、お父様にお願いして決まったものだから、私がお願いをしなければ済む話よね。

大丈夫。少しずつ考えていけば、20歳の時に訪れる死は回避できるわ。

すると、誰かが私の部屋に来た。

   『コンコン。』

   「どうぞ。」

   「あっお父様!」

公爵が、朝食を持ってきてくれた。

   「レティシア、体の具合はどうだい?」

   「はい!だいぶ良くなりました。」

   「それは良かった。」

お父様はそう言うと、私の頭を軽く撫でてくれそれはとても心地の良いものだった。すると、誰かが私の部屋に向かって走っている音が聞こえた。

   『バンっ』

   「お姉様!」

   「ジルっ。」

ジルは私の5歳下の弟で、よく懐いていた。私の顔を見ると勢いよく抱きついた。

   「会いたかったぁ、もう起き上がっても大丈夫なの?」

   「うん、もう大丈夫だよ。」

   「ジルがずっと心配していて、レティシアに会いたがっていたんだよ。」

   「そうなんですか。」

   「ジル、心配してくれてありがとう。」

   「ううん。」

ああ。この感じ懐かしいな。

シェラが神獣使いだと分かり婚約者の座を奪われると思った時から、家族に八つ当たりをしてしまっていたから。

自分から突き放したけど、ずっと傍にいてくれた優しい家族。

もう、離れたくないな__。




   『失礼致します。公爵様、少しよろしいでしょうか。』

焦った様子で来たのは、ミディム家首席補佐官ルーカスだ。

急を有する案件なのだろう。いつも冷静なルーカスがここまで焦った表情をしているのは過去でも数えられるほどしかなかった。

一体何が起きたのだろう。

   「こちらをご覧下さい。」

ルーカスは手紙のような物をお父様に渡した。その封蝋は、皇族が使うものであった。

あれって皇族の紋章…。

え??どういうこと。皇族からの手紙?

前回の人生では、皇族からの手紙なんてなかった。

もしかたら、私の知らないところでお父様は皇族からの手紙を受け取っていた?

皇族からの手紙は、招待状か国家に関する重要案件なのだ。

どちらの物なのだろう。

   「ごめんね、レティシア。仕事があるから先に出るね。」

お父様は、手紙を受け取ると開けずに、ルーカスと共に私の部屋から出て行った。

   「お嬢様、体調も良くなられたことですし、今日は庭園でも散歩に行きませんか?」

急にお父様がいなくなったから、フィールは私が寂しいと感じているでも思ったのかな。

でも、ジルもいるから平気なのに。

   「お姉様。僕も一緒に行ってもいいですか。」

   「うん。一緒に散歩しよっか。」

   「やったー!お姉様と一緒!」

可愛いなぁ、ジルは。
太陽みたいな笑顔で、喜んでくれている。




   


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