公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優

文字の大きさ
73 / 122

71話

しおりを挟む
   「お姉様、お待たせしました。」

 「ティアおかえり、もう少しでお母様も来ると思うよ。」

やっぱり、お母様はまだ来ていない。カミラはあの紅茶をお母様に飲ませようとしたのだろう。

それに、さっき私がこぼしたからって、安心は出来ない。もう一度注がれる可能性がある。

 「ティア浮かない顔しているけどら私がいない間何か言われたりした?」

 「ううん、何もなかったよ。大丈夫。」

 「女の大丈夫は、信用しちゃいけないんだよ。」

 「あはは、どこでそんな言葉覚えたの。」

 「ふふん。私は、なんでも知っているのです。」

本当にお姉様は、私の癒やしだなぁ。こんな事言う性格じゃないのに、気にかけてくれている。
思えば、アイビーのときだってやりすぎなくらい怒ってくれたし。

周りをよく見てい行動するところも、ヒロインそのものだよね。
ちょっとだけ、こんなに優しいお姉ちゃんを誰にも取られたくないな。

色々、考えてるうちに紅茶やお菓子が並べられていった。中には、私がさっき頼んでいたクッキーも並べられた。

もうお菓子並べ終わったけど、お母様来るの遅いな。さっきのこともあったし、心配になってきた。

 「ねえ、お姉様。お母様ちょっと遅くないですか?」

 「うん。たしかにちょっと心配になってきたよね、迎えに行ってみる?」

心配になり、二人でお母様の様子を確認しようと立ち上がると、「ごめんねぇ、遅くなっちゃった。お待たせ。」と、言いながら少しずつこちらに寄ってきた。

 「私達も、先程来たところです。」

お姉様は、負い目を感じないように言った。

先程の様子とはあまり変わらないけど、どこかずっと苦しそう。

 大丈夫だよ、お母様。
私が絶対に、助けるから。

ティアナは、心の中で強く決心した。

その後、三人で楽しく話していたがティアナはカミラやお母様のことが頭から離れられず、ほとんど会話の内容は覚えていなかった。

夕方になると、夕日がきれいだということもあり、お母様自慢の庭園を歩くことになった。

 「公爵邸にある庭園もとても綺麗ですが、ここもすごく綺麗ですね。」

ティアナは庭園の話をしながらも、花畑で会ったリアムのことを思い出した。

 「そうね、こうやって家族でお花を見ながら歩くのはとても嬉しいわ。」

どこか遠くを見つめ、悲しい表情をしていた。
その目には、微かに涙があったかもしれない。

ティアナは、お母様の悲しそうな表情を見て胸が締め付けられた。

 「お母様の体調が良くなったら、今度は家族全員でお花見しましょう!」

ティアナは悲しい表情をしているのを気取らせないように、声を張り上げた。
お母様が悲しまないよう、深く響くように。

私が今言える、精一杯の気持ちだった。

 お姉様も、ずっとお母様のことを見ていた。きっとお姉様も私と同じ気持ちなはず。

"お母様と一緒に未来を歩きたい"
ティアナは、ただそれだけを願っていた。

しおりを挟む
感想 140

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。

木山楽斗
恋愛
「君とは一年後に離婚するつもりだ」 結婚して早々、私は夫であるマグナスからそんなことを告げられた。 彼曰く、これは親に言われて仕方なくした結婚であり、義理を果たした後は自由な独り身に戻りたいらしい。 身勝手な要求ではあったが、その気持ちが理解できない訳ではなかった。私もまた、親に言われて結婚したからだ。 こうして私は、一年間の期限付きで夫婦生活を送ることになった。 マグナスは紳士的な人物であり、最初に言ってきた要求以外は良き夫であった。故に私は、それなりに楽しい生活を送ることができた。 「もう少し様子を見たいと思っている。流石に一年では両親も納得しそうにない」 一年が経った後、マグナスはそんなことを言ってきた。 それに関しては、私も納得した。彼の言う通り、流石に離婚までが早すぎると思ったからだ。 それから一年後も、マグナスは離婚の話をしなかった。まだ様子を見たいということなのだろう。 夫がいつ離婚を切り出してくるのか、そんなことを思いながら私は日々を過ごしている。今の所、その気配はまったくないのだが。

事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。

木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。 彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。 しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました

Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、 あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。 ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。 けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。 『我慢するしかない』 『彼女といると疲れる』 私はルパート様に嫌われていたの? 本当は厭わしく思っていたの? だから私は決めました。 あなたを忘れようと… ※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。

処理中です...