6 / 13
俺は、冒険がしたい 6
しおりを挟む
男女ケンカ祭り ルール
1.男同士、女同士、男女混合どれでも、お互いの同意があれば、参加しても良い。
2.男女混合の場合、女からの誘いを断る事は出来ない。
3.気が済むまで殴って良いが殺しては、いけない。
4.凶器の持ち込みを許可する。 ※刃物は厳禁
5.ケンカが終われば、みんな友達、今年も一年仲良く暮らそう。
あまりにも、一方的に殴られていたとわ言え、源太が女性に暴力を振るった所を初めて見た。
何をされても、やり返さない優しい心を持ってる源太の事が俺は、好きだったのにこんな所を見てしまったら、落胆せざるおえない。
周りは、熱気に包まれていると言うのに、なんだか俺の心が寂しい気分になり視線は、自然と下へと向いた。
俺の心寂しさとは、裏腹に周囲が一層盛り上がりを見せ、完成が響き渡る。
「ジュン! 源太をちゃんと、見て上げて!」
うつ向いていた顔を上げ、源太へ目を向ける。
源太は、さっきまで殴りあっていたはずの女性と抱き合っていた。
この光景を見た見物客は、大いに盛り上がり、実況していた司会者が驚いていた。
「さっきまで、親の仇の様に少年をボコゾコにしていた女性が、少年の一撃をくらい、何もなかったかの様に仲良く抱き合ってるじゃないですか! あの少年は、一体何をしたんだ! そして、何者なんだー!」
源太から殴られた女性をよく見ると、殴られた顔に傷や腫れた後などは無く、むしろ源太をボコボコにしていた時よりも肌艶が良くなり、朗らかになってる様に見える。
歓声を受けて見物客に手を振っていた源太は、俺達に気付いて走り寄ってきた。
「なんか、大変な目にあったじょ。」
「お前、一体何があったんだよ! 急に居なくなるし、見つけたと思ったら女の人にマウント取られてボコボコにされてるし、ちゃんと、説明してくれ。」
「おらもよくわかってないけど、頑張って説明するじょ。」
源太の説明は言ってる事がちぐはぐで、要領を得ない。
まるで、バラバラの話を繋ぎ直す、パズルのようだ。
俺なりに源太の話をまとめると、さっきまで源太をボコボコにしていた女性は、この街に来た時に迷子になっているのを見かけ、助けた女の子の母親だったらしい。
では、なぜ助けた女の子の母親にボコボコにされてたかと言うと、助けた女の子が源太の事を好きになり、「源太を探して結婚したい。」とずっと言って、止める母親の話を一切聞かなかった。
迷子になってた所を助けてくれた相手だから、仕方ないとも思ったが、あまりにも言う事を聞かないからおかしいと考えた母親は、娘を落ち着かせ話を聞く事にした。
「私が泣いてたら、不思議なお菓子をくれたの。 食べたら幸せな気持ちなって笑顔になったの。 お兄ちゃんの側に居たいの。」
何か変な物を食べさせられ、娘がおかしくなったと考えた母親は、源太を見つけてケンカ祭りに引きずり込み、ボコボコにして口を割ろうとしたらしい。
そして、あまりにもしつこかったから、お菓子を食らわせたら仲良しになった。
「そのお菓子って大丈夫なのか? 本当は、ヤバイ薬とかじゃないだろいたな。」
「大丈夫だじょ。 元気が出るお菓子の効果は、1日で切れると思うじょ。 明日には、元に戻るはずだじょ。 多分……。」
それなら大丈夫だろうと、その話を聞いた俺達は、どこか引っ掛かる言葉が混ざっていた気がしたが、気にせず安心していた。
しかし、源太をもう一度見直すと、何か言いにくそうにモジモジしてる。
「どうした? 何か言いたい事があれば、ちゃんと言ってくれ。」
「お菓子を食べ過ぎたり、食べた後たまに……。 頭がパーになることがあるじょ。」
その場の空気が凍りつく。
俺達は、源太を見て母親を見てまた、源太に視線を戻す。
「「「源太ー!」」」
1.男同士、女同士、男女混合どれでも、お互いの同意があれば、参加しても良い。
2.男女混合の場合、女からの誘いを断る事は出来ない。
3.気が済むまで殴って良いが殺しては、いけない。
4.凶器の持ち込みを許可する。 ※刃物は厳禁
5.ケンカが終われば、みんな友達、今年も一年仲良く暮らそう。
あまりにも、一方的に殴られていたとわ言え、源太が女性に暴力を振るった所を初めて見た。
何をされても、やり返さない優しい心を持ってる源太の事が俺は、好きだったのにこんな所を見てしまったら、落胆せざるおえない。
周りは、熱気に包まれていると言うのに、なんだか俺の心が寂しい気分になり視線は、自然と下へと向いた。
俺の心寂しさとは、裏腹に周囲が一層盛り上がりを見せ、完成が響き渡る。
「ジュン! 源太をちゃんと、見て上げて!」
うつ向いていた顔を上げ、源太へ目を向ける。
源太は、さっきまで殴りあっていたはずの女性と抱き合っていた。
この光景を見た見物客は、大いに盛り上がり、実況していた司会者が驚いていた。
「さっきまで、親の仇の様に少年をボコゾコにしていた女性が、少年の一撃をくらい、何もなかったかの様に仲良く抱き合ってるじゃないですか! あの少年は、一体何をしたんだ! そして、何者なんだー!」
源太から殴られた女性をよく見ると、殴られた顔に傷や腫れた後などは無く、むしろ源太をボコボコにしていた時よりも肌艶が良くなり、朗らかになってる様に見える。
歓声を受けて見物客に手を振っていた源太は、俺達に気付いて走り寄ってきた。
「なんか、大変な目にあったじょ。」
「お前、一体何があったんだよ! 急に居なくなるし、見つけたと思ったら女の人にマウント取られてボコボコにされてるし、ちゃんと、説明してくれ。」
「おらもよくわかってないけど、頑張って説明するじょ。」
源太の説明は言ってる事がちぐはぐで、要領を得ない。
まるで、バラバラの話を繋ぎ直す、パズルのようだ。
俺なりに源太の話をまとめると、さっきまで源太をボコボコにしていた女性は、この街に来た時に迷子になっているのを見かけ、助けた女の子の母親だったらしい。
では、なぜ助けた女の子の母親にボコボコにされてたかと言うと、助けた女の子が源太の事を好きになり、「源太を探して結婚したい。」とずっと言って、止める母親の話を一切聞かなかった。
迷子になってた所を助けてくれた相手だから、仕方ないとも思ったが、あまりにも言う事を聞かないからおかしいと考えた母親は、娘を落ち着かせ話を聞く事にした。
「私が泣いてたら、不思議なお菓子をくれたの。 食べたら幸せな気持ちなって笑顔になったの。 お兄ちゃんの側に居たいの。」
何か変な物を食べさせられ、娘がおかしくなったと考えた母親は、源太を見つけてケンカ祭りに引きずり込み、ボコボコにして口を割ろうとしたらしい。
そして、あまりにもしつこかったから、お菓子を食らわせたら仲良しになった。
「そのお菓子って大丈夫なのか? 本当は、ヤバイ薬とかじゃないだろいたな。」
「大丈夫だじょ。 元気が出るお菓子の効果は、1日で切れると思うじょ。 明日には、元に戻るはずだじょ。 多分……。」
それなら大丈夫だろうと、その話を聞いた俺達は、どこか引っ掛かる言葉が混ざっていた気がしたが、気にせず安心していた。
しかし、源太をもう一度見直すと、何か言いにくそうにモジモジしてる。
「どうした? 何か言いたい事があれば、ちゃんと言ってくれ。」
「お菓子を食べ過ぎたり、食べた後たまに……。 頭がパーになることがあるじょ。」
その場の空気が凍りつく。
俺達は、源太を見て母親を見てまた、源太に視線を戻す。
「「「源太ー!」」」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる