童貞魔法使い 異世界へ

ミノル

文字の大きさ
18 / 28
異世界 編

これは、戦争ですか?

しおりを挟む
スキル 「スキパニパ」

 クソみたいなスキルかと思ったら恐ろしいスキルだった。
 足が折れた仲間など今は、全く必要がない。
 せっかく、舎弟になりたいと言ってくれから、回復薬を分けてやった。

「「ありがとうございす! 兄貴!」」

 舎弟に礼を言われ、次の作戦へ移るため外へ出た。
 外は、風が無く乾燥した空気が少し肌寒く感じさせた。

 最初のアジトでちょっと時間を使いすぎてしまったが、隠しアジトが無いのと、奴隷になった女の子達の居場所がわかっただけでも、十分お釣りが来る。
 ここからは、スピード勝負で行こう。

 一番大きなアジト以外の建物に火を着けて行く。
 火を着けた後、見張りの前に顔を出し、「スキパニパ」を使用し挑発して裏組織の人間をどんどん引き連れて行く。

「何だその変な歌と動きは! バカにしてんのか!! 待てゴラー!」

 これを繰り返し行う。

 だいたい300人くらい追いかけて来たから、街の中に罠を張った所まで誘き寄せる。
 そこまで行った俺は、派手に転び転げ回った。
 もちろん、演技だ。

 それを見た奴らは、チャンスとばかりに全力で仕留めようと一気に襲いかかる。

「バカだこいつ! 転びやがって、殺っちまえ!」

「バカは、お前らだ。」

 仕留めようと、押し寄せた先頭集団が見えない無数の細い糸に絡まり動きが止まる。
 それに気付かない後続者は、次々と押し寄せ先頭集団がミンチになって行く。
 転んだのは、この糸を掻い潜る為の動作だった。

 経験値を獲得しました。

「俺が仕掛けた罠にこんなに簡単に引っ掛かってくれるとはな。」

 50人程減ったが、まだ250人程残っている。
 人数が増えると先頭を走ってる人間の状況が把握出来ない、しかも暗闇だと尚、わからないから多すぎるのも弱点に変わる。

 大量の人間が押し寄せ、さすがに糸が切れた。
 死体を見た男達が怒り狂って追いかけてくる。
 俺は、街外れにある大きな倉庫に逃げ込んだ。

 巨大な倉庫に逃げたは、良いが追い付かれてしまった。
 追って来た男達は、罠を警戒してくまなく倉庫内を探す。
 その様子を隠れて見ていた俺は、アイテムポーチから大量の小麦粉を取り出し相手にこれでもかと、ばらまいた。

 男達は、いきなり現れた俺に驚いき、初めは警戒したが、ただの小麦粉だと気付き、打つ手がなくなって目眩ましかと笑い始める。
 笑ってる間も小麦粉が宙を舞い続け、小麦粉に視界を際切られた瞬間、倉庫から脱出し、出入口を閉じる。

「喰らえ。 新魔法」

 「エクスプロージョン」

 俺は、宙に舞う小麦粉に火種を投げた。

 ドゴーン!

 悲鳴をもかき消す轟音と共に倉庫が消滅した。

 大量の経験値を獲得しました。 レベルアップしました。

「うわっ! やり過ぎた。」

 想像以上の威力に絶句してしまった。


 俺は、一番大きな本拠地へと足を踏み入れる事にした。
 夜中にこれだけの騒ぎを起こせば、相手も警戒しているようで、本拠地の内外が騒がしく人が動いている。
 それに、アジト襲撃の報告をしに行ったヤツがいるかも知れない。

 「こんばんは~。 悪さするの辞めてくださ~い。」

 小細工しなくても、十分行けそうな気がしたから正面から入る事にした。
 入口にいたガードマンの様な男が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
 アジト襲撃等の犯人だと察し、大声で仲間を呼ぼうとする。

「だれか…………。」

 声は、誰にも届かない内に消え去ってしまった。

 経験値を獲得しました。

 その後も武道家や剣士や双肩使いだとか、何人か強そうな相手が現れたが危なげなく倒した。
 レベルアップした俺の敵ではない。
 残りは、組織の親玉だけになった。

 アジト最後の部屋を開ける。

 ドゴーン

 扉が爆発した。

 全身を爆炎が襲う。 衣服が焼け、全身を火傷し意識が朦朧とする。 立ってるだけで精一杯で今にも意識が飛びそうだ。
 親玉など、たかが知れているだろと、最後に油断してしまった。
 組織のトップに立つ人間を甘く見てしまった。

「メイ、神奈、ごめん……。」
 
 倒れ意識が途切れかけた時、俺の目の前に人影が現れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?

くまの香
ファンタジー
 いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

処理中です...