童貞魔法使い 異世界へ

ミノル

文字の大きさ
22 / 28
異世界 編

冒険者登録と依頼

しおりを挟む
 床にのめり込んだ男と周りの口が開きっぱなしのアホ面の男達を放置してギルド受付へと向かう。

 受付の美人な女性は、さっきの状況を見ていたからなのか、美人が台無しになるくらい、顔が引きつっている。
 気にしても仕方ないので、お構い無しに話しかける。

「冒険者登録と依頼があるので、対応をお願いします。」

「あっ! はい。 では、登録と依頼ですね。 登録の準備をしますので、依頼の方を先にお伺いさせて頂きます。」

 さすがプロである。 声をかけると、直ぐに元の綺麗な営業スマイルに戻った。
 女の子達の護衛と運搬の依頼をする。
 お金の単価がわからないが、昨夜たくさん金貨を手に入れてたので、小袋いっぱいに入った金貨をテーブルに置く。

「釣りは、いらねーよ。」

 一度は、言ってみたかったこの言葉、美人なお姉さんに言えて満足げにどや顔をする。
 またもや、受付の女性は引きつった顔をする。

「えっ! でも、金貨2枚あれば、十分お釣が出ますよ。 それに、こんな大金を無償で受け取る訳には、いきません。 私が怒られちゃいます。」

「うっ……。」

 今更取り消すのも恥ずかしいし、何よりもここで引き下がるのは、世間知らずの成金田舎者みたいでカッコ悪い。

 どうには、別の方向に話を進めなければ

「それなら、今後何か緊急の依頼や助けが欲しい時、この金で出来る範囲で構わないから対応出来る様にしてください。 先払いの契約金みたいなものでお願いしたいです。」

「そうですね……。 わかりました。 では、期限を決めましょう。 本日より一年間だけ緊急の依頼や助けが必要な場所、即時対応させて頂きます。 細かい契約内容は、後日書面にて確認とサインをお願い致します。」

 それっぽいことを言って、何とか良い方向に話が進みお金の返却を逃れる事が出来た。
 今度から気を付けよう。

 そうこうしてる間に冒険者登録の準備が出来たらしく、受付奥の方から別の従業員さんがカードと水晶玉を持って来た。

「これに手をかざして下さい。 貴方の情報を読み取りカードへ記入していきます。」

 すごい。 アニメや小説で読んだ通りだ。
 やはり、異世界は、わくわくする。

 水晶玉が激しく輝きギルド内が光りに包まれる。
 ギルド職員は驚き、周りにいる冒険者も目を開けることが出来ない。
 光が収まりギルド職員がカードを見ると驚き目を見開いている。

「何ですか! このステータス。 ば、化け物じゃないですか。」

 そんなに驚く様なステータスじゃなかったと思うが、ステータスを覗き込み驚いた。

「どうなってるんだ。」

水無月 純《みなずき じゅん》30歳

 レベル159 魔法使い  称号 シリアルキラー

体力 1590
腕力 1590
俊敏 1590
魔力 30

スキル
スキパニパ
筋力調整

魔法
ユニーク魔法「思えば」

 ステータスの上昇率が明らかにおかしい。
 今までならレベル=数値だったのに、レベルに10倍の補正がかかっている。
 しかも、新しいスキルを覚えているが、なぜ、魔法使いなのに新しい魔法を覚えられないんだ。
 色々気になるがとりあえず、新しいスキルを確認する。

 スキル 「筋力調整」
 レベルの上昇と共に日常生活に支障をきたさない為、自動で元の生活と同じ力加減にしてくれる。

 有難いスキルだけど、何か地味なスキルだ。

 騒ぎを聞きつけ、奥の部屋からギルドマスターが出て来た。
 受付の女性から説明を受け、驚愕するが直ぐに冷静になり、俺を個室へ案内した。
 個室へ入るなり、神妙な面持ちでいきなり問いただされる。

「君は、何者だい?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

Re:コード・ブレイカー ~落ちこぼれと嘲られた少年、世界最強の異能で全てをねじ伏せる~

たまごころ
ファンタジー
高校生・篠宮レンは、異能が当然の時代に“無能”として蔑まれていた。 だがある日、封印された最古の力【再構築(Rewrite)】が覚醒。 世界の理(コード)を上書きする力を手に入れた彼は、かつて自分を見下した者たちに逆襲し、隠された古代組織と激突していく。 「最弱」から「神域」へ――現代異能バトル成り上がり譚が幕を開ける。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる

枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。 艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。 誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。

処理中です...