童貞魔法使い 異世界へ

ミノル

文字の大きさ
21 / 28
異世界 編

酒池肉林

しおりを挟む
 「君は、何者だい?」

 この質問に正直に答えるべきか、思考する。
 ここで、嘘を着いくよりも正直に話して、味方や理解者を増やす方が良いと考えた。

「俺は、異世界から来た。 嫁と娘を助けるために魔王軍を倒さなければならない。」

 詳細を説明すると、最初は驚いていたギルマスがどこか納得した様に頷き何もしらないこの国の説明と協力関係を結ぶ提案をして来た。

 バカな王様と王子のせいで長引いた戦争、劣勢に立たされている現状など、細かく教えてくれた。
 この国の平均レベルは、35前後で一番高い人間でも70くらいだ。
 100に到達した人は、過去にも存在しないのに、100を大幅に越えるステータスなど見たことがない。
 ちなみに、ギルドマスターのレベルは、62だそうだ。

 協力関係を結ぶ条件を提案された。
 魔王軍と戦う際に必要な物資と人員を揃える代わりに街を我が物顔で歩く、大きくなりすぎた裏組織の壊滅を手伝って欲しいと相談された。
 あと、昨夜に倉庫爆破があったらしく、その犯人も探してるから手伝って欲しいと。

 あっ……。 その犯人、俺だ。

 そんな事、口に出すことが出来るはずもなく黙って頷き話が進む。

 何でも、国外の敵に対しては、動き安いが国内にいる敵が厄介なのだとか、おそらくだが、法律が関係しているのだろう。
 無断で始末して良いか悪いか。

 ギルマスからの提案を飲む事にした。
 書面写し二人でサインを交わし契約を結んだ。

「裏組織の壊滅は、任せて下さい。 後日報告に来ます。」

 要件が済み軽い挨拶を交わしたあと、帰ろうとしたらギルマスに引き留められた。

「何かあった時、役に立つかも知れない。 これを持っておいてくれ。」

 エンブレムの様な物を渡された。
 もらって損は、なさそうだからもらっておくことにした。
 登録、交渉、手続きやら色々やっていたら遅くなり外へ出ると、もう日が傾き夕暮れになっていた。
 裏組織のやつらから解放したが、アジトで不安がってるかもしれない女の子達に帰る手続きをした事を報告する為、急いで帰る事にした。

 アジトへ着き扉を開け、目の前に広がる光景を見て開いた口が閉じられなくなった。

「「「お帰りなさいませ! ご主人様!」」」

「ここは、異世界か……!」

 
 前の世界では、見た事のない料理とお酒がテーブルに広がりそれらを彩る様に女の子達が立ち並び俺を出迎えてくれる。
 目の前には、ミニスカ、ニーソ、ガーターベルトを装備した女の子達が頬を赤らめ恥ずかしそうにしているのが、また良い。
 ミニスカは、ミニ過ぎてもはや、某国民的アニメのハレンチ少女、わかめちゃんを思わせる。

 女の子達が助けてくれたお礼に何かしたいと、ヒナコに相談した事から始まったらしい。
 ヒナコに改めて感謝する。

「どこを見てもわかめちゃんじゃないか!」

 目のやり場に困ると言う言葉を聞いたことがあるが、こういう事を指すのかと驚くばかりだ。
 料理がめちゃくちゃ美味しいが、密着し過ぎる接待。
 もう、密着し過ぎてあまり料理が食べれないし、動きにくい。

 とりあえず、落ち付く為にお酒を飲む。

「あれ? 何だが世界が歪んでるぞ?」
 
 体が思うように動かない。
 そう言えば、お酒何て何年ぶりに飲んだだろう。
 確か、会社の歓送迎会で上司に無理やり飲まされ、記憶を無くして翌日の朝、道端のごみ捨て場で目を覚ました事を思い出す。

「ご主人様! 大丈夫ですか! ご主人様!」

 心配する女の子達が可愛い。
 俺は答える事が出来ず、そのまま意識を失った。

 起きたらまた、ごみ捨て場だった。
 って事にならなければ、良いな……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

Re:コード・ブレイカー ~落ちこぼれと嘲られた少年、世界最強の異能で全てをねじ伏せる~

たまごころ
ファンタジー
高校生・篠宮レンは、異能が当然の時代に“無能”として蔑まれていた。 だがある日、封印された最古の力【再構築(Rewrite)】が覚醒。 世界の理(コード)を上書きする力を手に入れた彼は、かつて自分を見下した者たちに逆襲し、隠された古代組織と激突していく。 「最弱」から「神域」へ――現代異能バトル成り上がり譚が幕を開ける。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる

枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。 艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。 誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。

処理中です...