魔王様の弟子

tsuyu

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第一部

8.魔王様と騎士様

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 今日は朝からお客様がいらっしゃるという事で、ネグリジェのまま、ミリアさんに紹介され、ミリアさんが作ってくれた朝食を一緒に頂いた後に着替えました。
 子どもの身体に未だに馴れなくて、汚しちゃいそうだったので。

 ミリアさんはヨハンさんと同じシルバーグレーの髪色で、サイドの髪は前下がりボブカット、後ろ髪は長く首の後ろで一つに括り、紺色のワンピースに白いエプソンのメイドさんでした!
 カチューシャやヘッドドレスじゃなくて、三角巾でした! 可愛い!!

 眠っている間、看病してもらっていたのでお礼を言うと、優しい笑顔で、可愛いお嬢様をお世話が出来て嬉しいと反対に感謝されました。
 ユーリさんは昔から黙っていれば綺麗な顔なのに、喋れば意地悪で可愛くない、と着替えを手伝ってもらっている時に愚痴られました。
 ちなみにユーリさんは二十歳で、ミリアさんは十八歳だそうです。
ユーリさん、貴方まだ反抗期なの?


 お客様と一緒に昼食はとるそうで、ミリアさんが今日は豪華ですよ! とキッチンで忙しくしていた。
いつもソファーの方で食べていたけれど、お昼はダイニングテーブルの方でするので、ミリアさんに教えてもらい、お皿やカラトリーを並べた。

 並べ終わる頃、作業場で仕事をしていたユーリさんが呼びに来た。

「ハルカおいで」
「お客様がいらっしゃったのですか?」
「ああ」

 ユーリさんの後に続いて作業場に入ると、長身のユーリさんより背の高い、水色がかったシルバーの髪に紫色の眼の騎士様が佇んでいらっしゃいました。
 黒い服に袖口や装飾は銀色、腰には長剣を差して、どことなく顔立ちがユーリさんに似ていた。

「初めましてお嬢様。私はコンラート。よろしくね」
「初めまして、ハルカと申します」

 今日は髪をハーフアップにし、淡い黄色のリボンで結んでいる。
ウエストに幅広い淡い黄色のリボン巻かれている落ち着いたモスグリーンのワンピースに、膝下まであるクリーム色のハイソックス、靴はワインレッドのストラップシューズ。
 エプロンはしていないけど、色が違えば不思議の国のアリスのようだ。

「ハルカちゃん、めっちゃ可愛いね!」
「ありがとうございます。コンラート様は騎士様ですか?」
「そうだよ!」
「こんな奴が、帝国の騎士団を率いる副団長とか頭が痛い」
「魔王に言われたくないね!」
「副隊長さん!?  え? 魔王?」

 私の目線になるようにしゃがんで挨拶をしてくれたコンラート様は、不機嫌そうに言うユーリさんを振り返り腰に手を当てて言う。

「改めまして。宮廷魔導騎士団 第二 副団長コンラート・ゲルト・ヴォルフガングです。以後お見知りおきを、ハルカお嬢様」
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