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番外編 カイの目覚め
リリア
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私は癒しの魔導士見習、リリア。
手のひらから発せられる微かな光は、どんな深い傷でも、少しずつ、しかし確実に癒せます。
けれど、魔力がほとんどないために、すぐに魔力が切れ、時間がかかってしまいます。
魔力こそがすべてとされるこの世界で、私は「落ちこぼれ」というレッテルを貼られてきました。
幼い頃、私は故郷の村で、小さな動物の怪我を治すのが得意でした。
その力は、村人たちにも喜ばれ、私はいつか、もっと多くの人々を癒せるようになりたいと夢見ました。
けれど、魔導院に入学した私を待っていたのは、厳しい現実。
学院生たちは、強大な魔力を持ち、派手な攻撃魔術や防御魔術を操っていました。
彼らが放つ光は、私の癒しの光とは比べ物にならないほど眩く、そして強大でした。
「リリアの魔術は、癒しの光か。しかし、これでは…」
師は、私の癒しの才能を認めつつも、その魔力の少なさにいつも首を傾げました。
何度練習しても、繰り返しても、魔力が増えることがなく…
治癒魔術は、ある程度の魔力を必要とします。
私の力は、かろうじて一人の傷を癒せる程度で、大勢の兵士や大けがを癒すには、あまりにも非力でした。
私は、いつも自分を責めていました。
なぜ、自分には魔力がないのだろう。
なぜ、自分はもっと強大な力を持てないのだろう…。
魔導院での日々は、私にとって、自らの無力さを痛感させられる毎日でした。
「リリアは癒しの魔術が得意だって言ってたけど、全然役に立たないじゃないか」
「あんな微かな魔力で、何ができるっていうんだ」
私の耳に届く、心ない陰口。
その言葉が、私の心を深く傷つけていきます。
私は、誰にも言えない苦悩を抱え、ただ一人、魔導院の片隅で、自分の存在価値を問い続けていました。
ただ、私の癒しの光は、少しほかの人とは変わっていました。
魔力が少ないのに王宮へ務める魔導士見習に慣れたのはそのおかげ。
私の魔力は繊細で、傷そのものを癒すだけでなく、傷ついた人の心を穏やかにする力があったのです。
そのために、私は大けがをした人が入院する病院に定期的に出かけていました。
魔力が少しでも上がることも願いつつ…
そんな中、リヒト様が、「魔力貯蔵具」を開発されました。
魔道院から支給されましたが、私は日々、魔力をほぼ使い切ってしまうため、貯めることができません。
少ないものには、グラハム院長や魔力の多い魔導士が貯めてくれるのですが、皆様がお忙しい時はそれもかないません。
それでも、今までより多くの人に癒しの光を届けられることにウキウキし、病院にはほぼ毎日行くようになりました。
ある日、自分の魔力も魔道具の魔力も少なくなった中、カイ様の病室を訪れました。
(ここが最後…持ちますように…)
カイ様は魔物との戦いで大怪我を負われましたが、そのけがはもうほぼ癒えています。
ただ、しばらくは魂が抜けたようにぼんやりしていたのが、最近は少しずつ、気力が戻ってきたような気配がします。
「失礼いたします。カイ様、お加減はいかがですか?」
「変わらない」
あぁ、よかった。お返事をしてくださいました。以前はなにもおっしゃらなかった。
怪我が一番ひどかった腕に手をかざし、癒しの光を送ります。
が…
…いけない……
「すみません。今日はここまでのようです」
もう、自分の中にも、魔道具にも魔力が残っていない…。…
恥ずかしくて俯いたら、ベッドの下に魔道具があるのに気づいた。
「カイ様も魔道具お持ちなのですね。私は貯めるほどの魔力があまりなくて…。すみません…」
私が赤くなった魔道具を取り出すと、カイ様が「貸して」と手を出されました。
何をされるのかとためらっていましたが、腕を伸ばしたままのカイ様の手に、キャリパーを乗せました。
カイさまが目をつぶったと思うと、キャリパーの赤が薄まり、少しずつ青くなっていきます。
(え? なに、この魔力…)
私が持っているのは、魔道院から支給されただけあり、青くなるまでにはかなりの魔力が必要です。
「はい」
魔力が十分に満たされて青くなった魔道具をカイ様が差し出します。
「いいのですか?」
「君のだろう?魔力は無駄にあるんだ。ただ、久しぶりにやったから、ちょっと疲れたかな…」
そういって、カイ様はベッドにゆっくりと横たわります。
私は感謝を込めてヒールをかけました。
「こんなにうまく帰られたのは初めてです! ありがとうございます!カイ様!」
思った以上にうまくヒールをかけられて、私は感激していた。
カイ様は体を向うに向けながら、
「また持ってくればいい」
と、言ってくださいました。
ありがとうございます!頑張ります!
手のひらから発せられる微かな光は、どんな深い傷でも、少しずつ、しかし確実に癒せます。
けれど、魔力がほとんどないために、すぐに魔力が切れ、時間がかかってしまいます。
魔力こそがすべてとされるこの世界で、私は「落ちこぼれ」というレッテルを貼られてきました。
幼い頃、私は故郷の村で、小さな動物の怪我を治すのが得意でした。
その力は、村人たちにも喜ばれ、私はいつか、もっと多くの人々を癒せるようになりたいと夢見ました。
けれど、魔導院に入学した私を待っていたのは、厳しい現実。
学院生たちは、強大な魔力を持ち、派手な攻撃魔術や防御魔術を操っていました。
彼らが放つ光は、私の癒しの光とは比べ物にならないほど眩く、そして強大でした。
「リリアの魔術は、癒しの光か。しかし、これでは…」
師は、私の癒しの才能を認めつつも、その魔力の少なさにいつも首を傾げました。
何度練習しても、繰り返しても、魔力が増えることがなく…
治癒魔術は、ある程度の魔力を必要とします。
私の力は、かろうじて一人の傷を癒せる程度で、大勢の兵士や大けがを癒すには、あまりにも非力でした。
私は、いつも自分を責めていました。
なぜ、自分には魔力がないのだろう。
なぜ、自分はもっと強大な力を持てないのだろう…。
魔導院での日々は、私にとって、自らの無力さを痛感させられる毎日でした。
「リリアは癒しの魔術が得意だって言ってたけど、全然役に立たないじゃないか」
「あんな微かな魔力で、何ができるっていうんだ」
私の耳に届く、心ない陰口。
その言葉が、私の心を深く傷つけていきます。
私は、誰にも言えない苦悩を抱え、ただ一人、魔導院の片隅で、自分の存在価値を問い続けていました。
ただ、私の癒しの光は、少しほかの人とは変わっていました。
魔力が少ないのに王宮へ務める魔導士見習に慣れたのはそのおかげ。
私の魔力は繊細で、傷そのものを癒すだけでなく、傷ついた人の心を穏やかにする力があったのです。
そのために、私は大けがをした人が入院する病院に定期的に出かけていました。
魔力が少しでも上がることも願いつつ…
そんな中、リヒト様が、「魔力貯蔵具」を開発されました。
魔道院から支給されましたが、私は日々、魔力をほぼ使い切ってしまうため、貯めることができません。
少ないものには、グラハム院長や魔力の多い魔導士が貯めてくれるのですが、皆様がお忙しい時はそれもかないません。
それでも、今までより多くの人に癒しの光を届けられることにウキウキし、病院にはほぼ毎日行くようになりました。
ある日、自分の魔力も魔道具の魔力も少なくなった中、カイ様の病室を訪れました。
(ここが最後…持ちますように…)
カイ様は魔物との戦いで大怪我を負われましたが、そのけがはもうほぼ癒えています。
ただ、しばらくは魂が抜けたようにぼんやりしていたのが、最近は少しずつ、気力が戻ってきたような気配がします。
「失礼いたします。カイ様、お加減はいかがですか?」
「変わらない」
あぁ、よかった。お返事をしてくださいました。以前はなにもおっしゃらなかった。
怪我が一番ひどかった腕に手をかざし、癒しの光を送ります。
が…
…いけない……
「すみません。今日はここまでのようです」
もう、自分の中にも、魔道具にも魔力が残っていない…。…
恥ずかしくて俯いたら、ベッドの下に魔道具があるのに気づいた。
「カイ様も魔道具お持ちなのですね。私は貯めるほどの魔力があまりなくて…。すみません…」
私が赤くなった魔道具を取り出すと、カイ様が「貸して」と手を出されました。
何をされるのかとためらっていましたが、腕を伸ばしたままのカイ様の手に、キャリパーを乗せました。
カイさまが目をつぶったと思うと、キャリパーの赤が薄まり、少しずつ青くなっていきます。
(え? なに、この魔力…)
私が持っているのは、魔道院から支給されただけあり、青くなるまでにはかなりの魔力が必要です。
「はい」
魔力が十分に満たされて青くなった魔道具をカイ様が差し出します。
「いいのですか?」
「君のだろう?魔力は無駄にあるんだ。ただ、久しぶりにやったから、ちょっと疲れたかな…」
そういって、カイ様はベッドにゆっくりと横たわります。
私は感謝を込めてヒールをかけました。
「こんなにうまく帰られたのは初めてです! ありがとうございます!カイ様!」
思った以上にうまくヒールをかけられて、私は感激していた。
カイ様は体を向うに向けながら、
「また持ってくればいい」
と、言ってくださいました。
ありがとうございます!頑張ります!
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